2月4日 癸卯 晴
辰の刻、将軍家御舎弟(千幡君)鶴岡宮に参らしめ給う。江間の四郎殿これを扶持し
奉らる。神馬二疋を奉らる。結城の七郎朝光・所右衛門太郎光季これを引く。下手は
神人(職掌と号す)等なり。午の刻に祭並びに御神楽有り。将軍家御参宮。御奉幣例
の如し。
2月5日 甲辰 雨降る
彼岸の初日に当たり、尼御台所鶴岡神宮寺に於いて法華経を供養せらる。導師は安楽
坊。請憎六口。上絹・紺絹各々三十疋、奥布二百端を以て施物に充てらる。善信これ
を沙汰す。
2月11日 庚戌
鶴岡宮の塔地曳きこれを始む。去る建久三年炎上の後その沙汰無し。今日旧跡を興さ
る。将軍家出御す。遠州・大官令等扈従す。大夫屬入道惣奉行たるなり。
2月16日 乙卯
御鞠有り。北條の五郎・紀内・肥田の八郎・源性・義印等参る。