1231年 (寛喜3年 辛卯)
 
 

11月6日 戊子
  辰の刻大流星。一旦天より東山の西際に入る。人これを怪しむ。
 

11月9日 辛卯 霽
  御台所の御祈り、御所に於いて千度御祓いを行わる。泰貞・晴賢・長重・晴幸・重宗
  ・宣賢・廣資・経昌・晴秀・文親等これを奉仕す。陪膳は伊賀の助仲能・民部少輔親
  實(布衣なり)。同年長は六位(布衣)十人。奉行は周防の前司親實と。
 

11月10日 壬辰 晴
  将軍家の御祈り、千度御祓い御所に於いてこれを行わる。人数昨日に同じ。但し文親
  ・晴秀座次相論に依って、これを除かると。
 

11月17日 己亥
  今暁寅の刻海辺鳴動す。その響音雷の如し。
 

11月18日 庚子
  将軍家の御願五大尊像これを造り始め奉らる。師員・光西・康連等奉行たりと。今日
  右大将家の法華堂上棟なり。この事寺家に付けらると。
 

11月24日 丙午
  辰の刻鶴岡内の三嶋社壇鳴動す。仍って御占い有り。神事穢気の不浄に依ってなり。
  御病事を慎まるべきの由これを占い申すと。
 

11月25日 丁未
  日来の天変と云い、三嶋社の鳴動と云い、驚き御沙汰有り。御祈り等これを始行す。
 

11月27日 己酉
  属星祭これを行わると。泰貞朝臣奉仕す。