11月6日 戊子
辰の刻大流星。一旦天より東山の西際に入る。人これを怪しむ。
11月9日 辛卯 霽
御台所の御祈り、御所に於いて千度御祓いを行わる。泰貞・晴賢・長重・晴幸・重宗
・宣賢・廣資・経昌・晴秀・文親等これを奉仕す。陪膳は伊賀の助仲能・民部少輔親
實(布衣なり)。同年長は六位(布衣)十人。奉行は周防の前司親實と。
11月10日 壬辰 晴
将軍家の御祈り、千度御祓い御所に於いてこれを行わる。人数昨日に同じ。但し文親
・晴秀座次相論に依って、これを除かると。
11月17日 己亥
今暁寅の刻海辺鳴動す。その響音雷の如し。
11月18日 庚子
将軍家の御願五大尊像これを造り始め奉らる。師員・光西・康連等奉行たりと。今日
右大将家の法華堂上棟なり。この事寺家に付けらると。
11月24日 丙午
辰の刻鶴岡内の三嶋社壇鳴動す。仍って御占い有り。神事穢気の不浄に依ってなり。
御病事を慎まるべきの由これを占い申すと。
11月25日 丁未
日来の天変と云い、三嶋社の鳴動と云い、驚き御沙汰有り。御祈り等これを始行す。
11月27日 己酉
属星祭これを行わると。泰貞朝臣奉仕す。