4月1日 癸亥 晴
亥の刻京都の飛脚参着す。殿下去る二月二十一日以後御不例。日を追って増気の間、
摂録を大殿に御還着の由これを申す。
4月2日 甲子 晴
子の刻京都の飛脚重ねて到来す。前の摂政殿、去る月二十七日御絶入。同二十八日巳
の刻薨ずと。これ将軍家の御舎兄なり。
4月3日 乙丑
将軍家御軽服の上、摂政殿の薨御たるに依って、政務三ヶ日を閣かると。
[玉蘂]
この日故摂政殿の葬礼なり。庇車居飼二人随身共に候す。公卿平相公・両三位、殿上
人両三、最勝金剛東山に火葬の事有り。暁に臨み無為に遂げをはんぬ。すでに遺骨を
浄妙寺に送る。盛長愁歎々々。
4月6日 戊辰
隠岐四郎左衛門の尉行久使節として上洛す。前の殿下の御事に依ってなり。
4月7日 己巳
申の刻御所の寝殿棟上瓦の傍らに烏巣を造る。御占いを行わる。五時卦三光に過ぐ。
年上大裳を伝送す。御吉事と。
4月8日 庚午 [百錬抄]
関東五大堂鎮守神宝・御装束、神祇権大副兼直宿祢の沙汰として、調え出発しをはん
ぬ。
4月9日 辛未
怪たるに依って御祈りを行わると。
[玉蘂]
光村来たり。関東の使。
4月11日 癸酉
今日馬場に於いて、周防の前司の奉行として、烏巣の事その沙汰を経らる。
4月13日 乙亥
午の刻地震。
4月28日 庚寅
未の刻地震。
4月29日 辛卯
未の刻地震。
4月30日 壬辰
巳の刻地震。