11月4日 乙未
入道大納言家明春御上洛有るべき事御沙汰を経らる。供奉の人数五十三人これを定め
らる。既にその散状を侍所別当陸奥掃部の助(實時)に下さる。その上別の奉行人能
登の前司・信濃民部大夫入道等を差し副えらるる所なり。二月十四日必定御進発有る
べきの由と。
11月5日 丙申 天霽
丑の刻雷鳴。
11月10日 辛丑
鷹狩りを停止せらる。有限の神社供税の事は、子細に及ばざるの由、今日普く触れ仰
せらるべきの由これを定めらる。石見の前司・清左衛門の尉等これを奉行す。