裁判にかかる費用


「裁判には金がかかる」という話をよく聞きます。
 これは当たっている面もあれば当たっていない面もあります。
たとえば、交通事故にあった人が裁判を起こそうという時、6000万円の損害賠償の請求であれば、裁判所に印紙代として、25万7600円を納めなければなりません。これは、弁護士の手数料ではなく、裁判所に支払うお金です。
そういう意味で、弁護士に依頼しなくても裁判にはお金がかかります。
 さらに、弁護士の手数料や報酬がかかります。

収入的に弁護士費用を用意できない場合には、法律扶助の制度があって、法律扶助協会が弁護士費用を立て替えてくれます(原則として、法律扶助協会に返還しなければなりません)。裁判所に納める印紙代は裁判終了後でよいという訴訟救助の制度もあります。
 弁護士の手数料を用意できない場合、調停、破産、少額事件訴訟などは弁護士に依頼しなくても、労力さえいとわなければ、自分でも申立が可能です。弁護士に支払う手数料は、裁判などにかかる労力、時間の対価(もちろん、知識や技術の対価という面もあります)なので、これらを自分で負担すれば本人申立も可能です。

「破産するのにも金がかかるのか」ということをよく聞きますが、破産手続に要する期間は短くても5か月、長いものは3年以上かかりますので、その間の労力などに対する費用がかかるのはやむをえないことです。

一般の市民が裁判を起こしやすくするためには、法律扶助制度などの公的制度を充実させることが必要ですが、日本の場合、この点で諸外国よりも遅れています。現在の日本の法律扶助は、破産申立の場合、原則として生活保護受給者に限られ、また、その他の事件の場合、平均的な収入のサラリーマンの家庭では法律扶助の資力要件を満たさないことが多いなどの問題があります。その結果、法律扶助の要件を満たさない人は、弁護士手数料を弁護士に依頼する時に用意するか、弁護士に依頼せずに自分で申立をすることになります。


裁判の費用・手数料など

法律扶助の基準



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