第429回四天句会
令和7年6月17日 Zoomリモート句会


鹿児島のバイは単純明快、ただ注がれたら呑むための盃
高知のものは、箸拳で負けたら独楽を回して出目で酒器を選ぶ
天狗が五勺だったか、鼻を持って酒を受け、理論的には鼻先で
バランスが取れればおけるのだが、酔っ払いには無理な相談
火男、阿亀と小さくなるがそれぞれ口に穴が空いているから指で押さえて酒を受ける
利孟
湯巡りの朱印もらひて梅雨の月
花穂伸ばしゆるりと化粧ひ半夏生
日本橋河岸へ早舟初鰹
風鈴や曖昧宿の暗き路地
短夜の月明け残り野天の湯
恵一
街灯に一羽のかもめ梅雨の月
短夜や甕の微塵子浮き沈み
風鈴のけだるく凪の漁師町
ルノアールの薔薇色の裸婦夏木立
にんにくと大葉とぽん酢初鰹
虚承
不揃ひのグラスも出されBBQ
余韻豊かに南部の鉄風鈴
べく盃に受ける酔鯨初鰹
短夜の刻の止まりし看護室
角打ちの摘みセットや梅雨の月
義春
鮎解禁前夜の宿や
妻恋ひの業平詠みしかきつばた
湖畔の宿に南部風鈴鳴りにけり
鰹釣る土佐の空へと抜き上げて
短夜や窓白白と潮の音
あやの
濡れ描きのぼかし友禅梅雨の月
短夜や誰も帰らぬ三次会
明日は早や任地へ発つ日初鰹
風鈴の音聞き比べ異国人
ジャズバーの壁レコードに埋もれて
雨竜
夏至の雨配達員のバイク音
風鈴の鳴り短冊のほの揺れて
梅雨の月チェーンつけられ吠える犬
月末の仕事帰りの初鰹
短夜や窓の向こうに母浮かぶ
