名張毒ぶどう酒事件
死刑囚・奥西勝さんに対し刑の執行をしないよう求める要請書


 貴殿の人権擁護へのご奮闘ご努力に敬意を表します。
 さて、最高裁判所第一小法廷(町田顕裁判長)は、4月8日付で、名張毒ぶどう酒事件の第6次再審請求における特別抗告を棄却する決定を出しました。決定は、新証拠として弁護団が提出した「中西ノート」について、又聞きに過ぎず証拠価値が乏しい、などと皮相的な評論をするのみで、原判決の証拠構造や論証を分析さえしていないずさんなものです。
厖大な量の不提出証拠の開示命令を出すよう弁護団が求めてもこれを無視し、本人から直接聞き取りをするよう支援者が要請しても受け付けない最高裁の姿勢は、きわめて不公正不公平です。
 名張事件は、1審で無罪判決が出されたにもかかわらず、2審で一転して死刑判決が出されるという稀有な経過をたどりました。1審の無罪判決と2審の死刑判決を二つ並べて読み比べるだけで、死刑判決の論証が事実と道理をゆがめたものであることがよく理解できる事件です。こんな簡単なことさえせず、かたくなに死刑判決を維持しようとする最高裁は、司法の責任を投げ出したとしか思えません。
 奥西勝さんは、死刑確定から30年近く経ったいまなお、名古屋拘置所から無実を訴え続けています。第7次となる再審請求も先の10日に申立てました。
奥西さんは来年喜寿を迎えます。1日も早く社会に戻ってこられるよう日本国民救援会は支援を広げていきます。そして奥西さんが、えん罪のために命を落とすことがあってはならないと強く懸念しています。
貴殿におかれましては、以上の点を十分にご勘案のうえ、奥西さんに対し刑を執行することのないよう要請します。
2002年4月15日

日本国民救援会東京都本部
会長 玉川寛治

法務大臣 森山眞弓 殿


・決定文
・全国ネットワークの声明
・法務大臣宛 特別抗告棄却に抗議と要請書
・抗議ハガキを集中しよう!


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