日記のフリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。
日付ごとにアンカー付けています。e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0307.htm#20030701
2003年7月
読・観・聴・その他
長尾智子+福田理香『スチームフード』
カルトーラ『愛するマンゲイラ』
『Luminous』@Bunkamuraシアターコクーン
白川道『天国への階段』
大橋鎮子『すてきなあなたに
3』
小沼丹『黒いハンカチ』
イー・ツーイェン『藍色夏恋』@シャンテシネ
7/28(月)
昨日の夜中にこのニュースを聞いて胸が熱くなって泣くかと思いました。教えてくれたtさんどうもありがとう。CDsgコンプリートしてたって、こんなタイトルで出されたらそれだけでもう別格ですよ。
私の着メロは「ラブリー」と「恋しくて」なのです。
7/27(日)
せんねん灸は忘れてくれたほうが……。ちなみに読んだことがあるのは地図帖とこの本。
殊能将之『黒い仏』講談社ノベルス,2001(→Amazon) を読み始めてみると覚えのある文章が続くので、これは読んだことあると確信。でも、最後を覚えていない。まったく覚えてない。情けない気持ちでいっぱいになりながら読み進めています。
久しぶりに昼寝。
福田里香『クイックブレッド・アンド・ジャム』柴田書店,1999(→Amazon)。粉を使って簡単にできるブレッド類と、それにつけて食べるとおいしいジャム類のかずかず。「ミルクフード」がおいしそう。ミルクジャムに、生クリームから作るバター、リコッタ、ヨーグルトから作るチーズ。いちごジャムの作り方に「いちごと砂糖を煮るときの楽しみはあくで作るピンクの飲み物。煮はじめに浮いてくるあくを冷たい牛乳にスプーンでひとすくい落とせば、いちごミルクのできあがり。作りながら、ちょっとブレイク」(p.59)。そんなふうに、作り方の記述に遊びがあるものはとても好き。
ところどころにはさまれるコラムに、蒸しパンによく合うお茶として一保堂のいり番茶があげられていた。本によると「茶葉をもまずに葉っぱの形のまま、焦げるほど強気に煎ってあるのが特徴」(p.84)と。
7/26(土)
10日も書いてなかったんだ。なにもインプットすることができない状態でいたけど笑いの効果もあってスイッチ入りそうです。最近、人と会うことに対してあまり緊張しなくなってきた(かもしれない)。だとしたら私にとってはすごいことだ。というより、開き直りを覚えたとか度胸がついてきた、とか?
イー・ツーイェン『藍色夏恋』(台湾=仏・2002)@シャンテシネ。
本筋とは関係ないところで1つ印象的だった場面。「お父さんが死んだあとどうやって立ち直ったの?」というモン・クーロウの問いに「いつのまにか」というように答えたお母さんが閉じていた目を開いたところでの、しばしのアップ。お母さんの気持ち。
はちみつ専門店のラベイユ目当てで初めて丸ビルに行ったけど、結局、今回は何も買わずに帰ってきた。
帰り、自分とこの駅に着くと、どーんどーんと音がする。近くの川でどうやら花火大会。川まで歩いて土手にのぼり見えるところまで歩いた。川をはさんでもう少し遠くのほうでも花火があがっていて少し得した気分。最近は、キラキラチカチカ星がまたたくんだねえ。
7/16(水)
小沼丹『黒いハンカチ』東京創元社,2003 を読み終わる。読んでいると、高野史子が描く女の子が頭の中に浮かんでくる。
随分としゃれちゃってーと思ったけど、すっとぼけたおかしみのあるところは同じ。たとえば『小さな手袋』(→Amazon)を読んだときの中の「百人一首」に、こんな文章があります。
「百敷や古き軒端の」は、順徳院には申訳ないが勝手に古い股引と解釈して、結構な歌とは思わなかった。(p.71)
おかしいんだけど、ひょいと一行だけせつない文章をしのばせて終わる「小さな手袋」は印象的だし、チェホフを読もうと思ったのも小沼丹を読んでからだった。ここに書いた「白孔雀のゐるホテル」は未だに読んでない。
とにもかくにも、『黒いハンカチ』は素敵だった。ニシ・アズマ嬢に隠された過去があるとことか、伊達らしい赤い眼鏡とか、謎の残る終わり方もあるのとか。くすぐられる。
7/13(日)
「この人は根性が悪いな」というのを敏感に察知することができると思っている。気付いていたくせに合わせようとしていた自分が哀れ。でも、そういう悪い面は他の人には見せないんだろうし、周りの人も見抜いているとは思えない。要領のいい人は怖いし信用できない。理不尽で無邪気な悪意に翻弄されるのはまっぴら。子供の遊びにはつきあってられない。そんな感じで久しぶりに人間不信に陥った。言葉を言葉通りに信用しないようにしよう。人と深く関わるのもやめよう。というか、もっともっと注意深く距離をはかろうと思った。
でも、そんなふうに疲れきったときに相談できる人がいる自分は幸せなのだとも思った。07/13/03 00:46:22
7/12(土)
大橋鎮子『すてきなあなたに 3』暮しの手帖社,1994(→Amazon)。図書館に3巻しか置いてなかったので3巻を一番最初に読むことになった。
「暮しの手帖」といえば元祖「商品テスト」をする雑誌として有名だと思う。小さい頃、家にあったこの雑誌を眺めるのが好きだった。商品テストも面白かったし、読者からのお便りが結構枚数を割かれて載せているページがあっておかしくて笑っちゃうようなのが多かった。そして「すてきなあなたに」は日々の暮らしの中の出来事や、お知らせしたいこと、お料理や工夫などが短めの文章で書かれている、黄色や薄紫などの色がついているページとして記憶に残っている。先ごろ4巻が出たばかりだから、まだ本誌でも続いているのはわかったけれど、文章の内容を読んでいるとこの方はもう随分とお歳なんだろうなあと察することができる。でも、ほんとにおいくつなんだろう。
「11月の章」の、「焼きいもやさん」。買い物に行こうとした著者が、焼きいもやさんと目があって「おいも、あったかくて、おいしいよ」と言われるんだけど、「これから買いものにゆくのよ、あとでね」と通りすぎます。買い物も済ませ帰宅し、焼きいもやさんのことをすっかり忘れてたことに気付き時計を見るともう6時すぎ。でも「あとでね」と言った手前行かないとウソをついたことになる、と大急ぎでおじさんのところへ駆けつけ、おじさんに2本くださいと言いながら「さっき、あとでねっていって、そのまま忘れてごめんなさいね」と謝ると、おじさんはおいもを4本入れて言う。「ありがとうお客さん、あとで、っていって、ほんとにあとで買いに来てくれたの、はじめてだよ……。そのおまけさ」。
こんなあらすじじゃなく、実際の文章を読んでみてください。やわらかくて素晴らしいのです。そこを通りぬけてのおじさんの最後の言葉には、何度読んでも涙が出てきてしまう。ツボだ。
7/8(火)
はらわたが煮えくり返って震えるほどのことがあって、頭の中で罵倒言葉をつかいながら「方言が話せたらピタッとはまる言葉遣いとか語調がありそうなのになあ」と思った。標準語じゃせいぜい「〜してんじゃねーよ、ばーか」くらいで、あいにくと怒りの度合いに届かないんだよ。
白川道『天国への階段』幻冬舎文庫,2003の下をやっと読み終わることができた。苦痛だった。蒔いた種を刈り取るのは当たり前のことじゃないのかしら。それを美しく仕立てるのは好きじゃない。死で“解決”というか物語の終わりとはますます気に入らない。それにいると知らなかった息子に対していきなりあんな馴れ馴れしい(?)呼びかけや振る舞いなんてできるものなの?、とか、登場人物たちの距離感が理解できなかった。
あんまり骨が折れたのでまたしばらく料理の本でも眺めそうです。最近のうっとりは、福田里香『フードラッピング』柴田書店,1997(→Amazon)。“不器用ですから……”
長尾智子+福田里香『スチームフード』柴田書店,2003(→Amazon)を参考に「豚肉とこぶみかんの肉だんご」を作りました。こぶみかん=カフィアライムリーフ=パイマックルーだそうです。パイマックルーが一番とおりが良さそう。カルディで売ってました。
7/5(土)
新しい世界へ一歩踏み出してしまいました。
夜は、Bunkamuraシアターコクーンで『Luminous』というのをみました。
コンテンポラリーダンスというものだそうです。ダンスについて全く無知なので誘われるままにいくつかみてきましたが、今までみた中で一番好きだと思いました。でも、このコンテンポラリーダンスというのがどういうものなのか説明することができません。お芝居・映画・本ならあらすじを、音楽ならば誰誰に似てるだのこういう雰囲気だの、ある程度の輪郭を伝えることができるかもしれない。でも、これはとても難しい。また、このダンスが抽象的な表現なのでまた余計に困難。仕方がないので、思いつくままに。
「ルミナス」というタイトルしか付けようのないダンス。動く手足の残像までもが美しい。光に影はつきものだけれど、ここでの影は暗黒ではなくどこか優しく光に寄り添い共存していた。ラストの盲目の人と勅使川原のデュオが、もう、もう、やたら感動的。なんて幸福そうな二人なんだろう。そこではくるくる走り回っていた盲目の人はカーテンコールになると一転おぼつかない足取りでたたずんでいた。前に一歩進むだけにもとまどいが見られるくらい。不思議。拍手に反応しての光り輝く笑顔にこちらも思わず顔がほころんで、おまけに繰り返されるアンコールにはいつしか涙まで浮かべてしまった。鳴り止まない拍手と繰り返されるアンコールっていいなあ。
と・に・か・く、素晴らしかった!
7/4(金)
本が届いたと姪から電話。ほうきができて次は黒板に挑戦しているそうです。黒板なんてあるんだ。へー。私も懐かしくなって毛糸で紐を作って指の覚えてるままやってみた。一番最初に作ってみたのは、ちょうちょ→富士山→月にむら雲。次に、亀→ゴム。ほうきもできたし、でも、ひとりあやとりが全然思い出せないや。
目にも美しく食欲もそそられる、長尾智子+福田里香『スチームフード』柴田書店,2003(→Amazon)に触発されて、冷蔵庫の中にあった舞茸とトマトをそれぞれ蒸してみた。舞茸は蒸しあがってから塩こしょうオリーブオイル。トマトは蒸す前に塩をパラリとするのみ。シンプルなのに、シンプルゆえに、とてもおいしい。これじゃあ蒸篭が欲しくなっちゃうなあ。金属の蒸し器とはまた違った香りを感じられるんだろうから。
ふと、カルトーラ『愛するマンゲイラ』(→Amazon)を買った。音楽の流れる部屋の中だけ梅雨が明けちゃった感じ。明るくて、でもしっとり。
7/3(木)
白川道『天国への階段』(中)幻冬舎文庫,2003(→Amazon)を読み終わる。
姪が学校の図書館からなぞなぞの本を借りては自分で出題して自分で答えているという話。折り紙、あやとりの本も借りているらしいので、『わかりやすいあやとり百科』(→Amazon)と今はやりの『落語絵本 じゅげむ』(→Amazon)をおくった。
クリスティーヌ・フェルベールのジャムは新宿伊勢丹にあるみたいだ。
終了したというのにNHKドラマ『女神の恋』の掲示板が盛り上がり続けてる。そのせいで、サイトにはプロデューサーとディレクターからのメッセージまで追記されたし。たしかにあれは途中から見始めたのが悔やまれるくらい面白いドラマだった。山口祐一郎人気がすごいようだけど、私は松本明子のキュートさにやられた。もともと好きだったのがますます好きになった。隣にいて欲しいって思っちゃう。平気でブサイクな顔しちゃうところがかわいらしさ倍増のポイント。あとエクボね。
7/2(水)
白川道『天国への階段』幻冬舎文庫,2003(→Amazon)の上を読み終わって今は中の真ん中へん。ぐいぐい読めない。柏木ってだらしない男? とかさ。
帰宅してから料理の本を眺めて過ごすほうがよっぽど楽しいから余計進まない。ストレス解消法の一つは料理の本を眺めること。料理を作ることではなく。
少し前に出た「Lingkaran」という雑誌も買った。創刊号だけあって(?)ちょっと欲張り、広く浅くな感じ。CHARAの着ていたコートがめちゃくちゃかわいい。
7/1(火)
キャラメルフレーバーのコーヒーをいれたあと指から甘い香りがする。
香りだけ甘いコーヒー。
バニラエッセンスは、なめると苦い。