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読後メモ index

2007.052007.07

日記の フリ 日記というよりは、気になったこと、興味のあることを忘れないようにメモしてる、ってほうが正しいので「フリ」。

日付ごとにアンカー付けています。

e.g. http://www5a.biglobe.ne.jp/~nanatsu/diary0706.html#yyyymmdd


2007年6月

その他


6/26(火)
和田慎二『傀儡師リン(3)』秋田書店ボニータコミックス。 コマの数がそれほど多くないし、話の進みかたはゆっくり。人形にも人格や性格があって、そして、愛という感情を持つ場所もあるのだとしたら?  クレオパトラのツンデレが、トモとのでこぼこコンビっぷりを際立たせている。ツンデレだからこそ、じーんとする箇所がいくつもあるし。
6/25(月)
カトリーヌ・アルレー 安堂信也訳『死ぬほどの馬鹿』創元推理文庫 を読み終わる。心理的に相手を破滅させるという手法の表現としては少し唐突で展開もあっけない。

6/24(日)
頭に来る出来事があってから7時間。
最初はどうしたら怒りを鎮められるか、方法ばかり考えた。相手にだけ矛先を向けていたのを、自分に向けたほうが楽にも思えたり。反省すべきなのか? でも、やっぱり違う気がする。堂々巡りで疲れる。
そんなふうに思い出す頻度も多かったのが、だんだん回数も少なく、映像も薄れてきた。
とにかく、思い出しそうになったらそれについて考えず、映像や音声を向こうに追いやるしかないのだ。怒りの記憶は今後も行く場所と結びついているので、残念ながら完璧に忘れることはないと思う。

6/22(金)
カトリーヌ・アルレー 安堂信也訳『黄金の檻/泣くなメルフィー』創元推理文庫
買いだめしているアルレーを少しずつ大切に読んでゆくのは楽しみのひとつ。人間の心の変化によって事件が展開するところが好きなのです。皮肉で大人な結末や、哲学的な地の文なども。
現在、古本でしか買えないようなので、とびらに書いてあるあらすじを載せます。
〈黄金の檻〉パリのナイトクラブでサックスを吹いていたリヨネルはアメリカの石油王の 娘エヴァと結婚し、一朝にして億万長者の後継者、大統領候補の婿ということになった。ところが帰国直前エヴァはモーターボートにはねられて即死し、そのあ とには全身火傷を負った娘が一人残されているだけという事故が発生。〈泣くなメルフィー〉16歳も年下の男と結婚したメルフィーは50も半ばすぎて若い夫 に恋人ができたことを知った。しかもその二人は彼女の財産をねらって、ひそかに殺害の計画をたてている。この事実を知ったメルフィーは逆に巧妙きわまる完 全犯罪を立案して反撃に転じる……

6/19(火)
田村由美『7SEEDS』(1)〜(10)小学館フラワーコミックス
壮大で、まだまだ先は長そうだ。嬉しくもあり、当人たちの苦悩を知るとかわいそうでもあり。
目覚めると家族と離れたった一人で見知らぬ人たちと一緒に見知らぬ場所にいる。そこから始まってしまったサバイバル生活。少しずつとけてゆく謎。
そ んな経験をする人たちは、四季に合わせた春夏秋冬4つに+夏のチームがもうひとつの5チームもいる。各チームは、7人のメンバーにガイドが1人という構 成。そんなふうに登場人物がとても多いのに、チームごとのカラーの違い、問題発生のいろいろ、個人個人の描き分けができているのがすごいと感心する。
人 がどんなときに生きたいと思い、死にたいと思うのか。極限状態に置かれた人たちが、生きるための肉体的な困難さだけではなく、本能と感情の狭間で苦悩して 精神的な苦しみも同時に引き受けなくてはならない。それぞれの、苦悩の様子が胸に迫る。始まりからしてせつなかった孤独な冬チームの印象も深かったが、夏 のAチームの決まるまでの様子には圧倒された。『バトル・ロワイアル』や『CUBE』のテイストを感じる。
綿矢りさ『夢を与える』はとても良かった。で、なにが良かったのか書きたいんだけど感想が漠然としすぎていて書けない。でも、読後にその本についてあれこれ考えたのは久しぶりだな。

6/18(月)
綿矢りさ『夢を与える』河出書房新社 を読み終わる。
6/16(土)
昨晩寝たのは、11時よりも前だったと思う。いつも起きるより少し早く、すっきり目が覚めた。
モンテール好きです。お店によって置いてある商品が違うし、コンビニでは時間によっては売り切れててまったくない場合もある。好きなのは、生どら(最近は セブンイレブンでしか見つけられない)、生クリームプリン(生クリームとプリンの濃度がいい感じ)、カスタード&ホイップシュー(カスタードはあんまりお いしくないけれど)。お店は、家から普通に行ける範囲で5箇所おさえている。
で、最近、セブンイレブンで買ったモンテールのバニラのホイップシフォン、おいしい。
6/15(金)
赤城毅『書物狩人』講談社ノベルス
あとがきに書かれていた著者の素敵な体験が、4つめの物語にきちんと反映されていた。
校合式、というものを生まれてはじめて知った。一見すると数学の式のような感じだ。

6/14(木)
傘をさすかささないかの雨なのに、小さな男の子が長靴を履いているのがかわいらしかった。両手でしっかり傘を持ちつつ。
6/13(水)
桐野夏生『メタボラ』朝日新聞社
桐野夏生が男の人を主人公に描くのは珍しい。たっぷりした厚さの本だけれど、我慢するのは本の重さだけ。気がついたら読み終わっていた。ただ、全体として の迫力はあまりない。細部のエピソードのほうが印象に残る。たとえば、家庭崩壊の様子は淡々としていてなだらかで、ほんとにどこから崩れたのだろうという 怖さ。集団自殺からの生還も、気づいたら深みにはまっててもう戻れなくて、老人にぐっと手をつかまれて……。怖すぎる。宮古の言葉はしかし、私にとっては読みにくいだけだった。リズムがわからなくてのれなかった。

6/10(土)
スーパーで「ハムソーセージおいしそう ハムソーセージ食べたいなー」という歌が流れてて、いったいこれはどういう関係の歌なのか? と売り場をキョロキョロしたらわかった。日本ハムだ! で、調べてわかりました。ハムリンズの歌らしい。

6/8(金)
江國香織『がらくた』新潮社
江國香織の別の作品で、似たような世界を読んだ気がするなあ。こういう世界の中の物質には興味がある、でも、この世界の人たちと精神的なつながりはもてそ うにない。そして、柊子のようなさみしさや空虚さを抱いて生きるのは嫌だ。彼女って、ブニュエルの映画『昼顔』のセヴェリエーヌとどこか似ている。夫を愛 しているくせに身体が心を裏切るあたりがそう思わせるだけかもしれないけど。

6/7 (木)
谷地恵美子『明日の王様』集英社文庫で 全6巻 を読み終わる。突如として演劇への情熱が目覚め、役者を目指したくなったものの才能がないことを知り、でも、演劇への熱はさめやらず。そんなとき脚本・演 出も面白いぞとやってみたところこちらはなかなか良さげな感じ。と物語は進む。
演劇ものでは演じるほうのことばかり考えていたけれど、脚本・演出という別の側面からの視点が面白かった。主人公の女の子は素直でおとなしいのに情熱的で かわいい。漫画の中に出てくる評判のよい作品群が、実際はどうすごいのか、どう演じられてすごかったのか、そのあたりの省略の仕方がいさぎよすぎてびっく りもするけれど、主人公・有の道がどんどん開けてゆく様子を楽しむのだと思えばそれはそれで良い。

山岸涼子『甕のぞきの色』秋田文庫
どの作品も「大人」な味わいがあって良かった。この中の「蓮の糸」を読んでいると、霊が見える人はやっぱり見えるのだろうし、霊というものもあるじゃない かと思う。冷静な描き方だからか。でも、それがどのように「ある」のか、本当のところは誰にもわからない。自分が死んだらわかるかな。表題の「甕のぞきの 色」。世の中にこれと似たようなニュースがあると半分馬鹿だなあと思っていた。でも、この作品を読むことで当事者側に素直に立つことができ、いや案外私も 同じように行動しちゃうかもなあと思った。死に向き合ったとき一番難しいのは、自分の気持ちにどう折り合いをつけるか、つまり、死を受け入れる準備の仕方 なのだろうか。

図書館にリクエストしたところ、近隣の図書館にもなく、購入予定もない、とのことで、国会図書館から取り寄せますか? と言われた本がある。これは私にとって初めてのこと。お願いしてみた。そういう本は貸し出し不可で図書館内で読むことしかできません。届いた本は思っ ていたよりも厚く、ちょっと大変だなと思った。で、きょう読み始めてみたんだけど、ああ、これは私には合わないなと思った。レオ・ジェー・テレセ著 湯川丈一監修 酒井玲子訳『キリストの教え』国際語学社。すこし前に読んだ田川建三『キリスト教思想への招待』が とても良かったので、キリス ト教(カトリック)の教理とはどんなものか興味を 持って。でも、キリスト教徒になるためにこの本に書かれていることを受け入れなくてはならないのだろうか、という素朴な疑問がわいた。それとも、ただの理 論みたいなもの? 勉強の本、みたいな? ともかく、考えかたが受け入れられない。くだんの田川さんの立ち位置とは別のところにあるものって感じがする。だから、キリスト教徒である在り方は本当に 人によっていろいろなのかも、個人の数だけあるのかもとは思った。

『ルゥからの手紙』を 聴いている。1曲目がいきなり良くて嬉しい。その後はまあまあか…と思っていたら7曲目 Samba De Mon Coeur Qui Bat がよかったし、9曲目のデュエット Le Dernier Train もすごくい い。耳慣れているせいか、Bientôt はやっぱり心地よいし。→ amazon.fr で試聴
6/6 (水)
水曜夜のエアロビクスは、いま私が出ている中で一番難しい。次に難しいのは土曜日の。で、前日の夜に靴下が見つからない夢を見た。エアロビクスが始まる時 間なのに見つからない。行きたいけど行きたくない、という気分をよくあらわしてる夢だと思った。
きょうのは後半がスッパリ飛んで、最後の最後まで思い出せずメタメタになってしまってくやしい。次のクラスに出るまでの休憩時間のあいだ、ずっと考えてい て思い出した。来週がんばる。
『ルゥからの手紙』は 聴けなかった。

6/5 (火)
今期のNHKラジオフランス語講座入門編のエンディングで流れる曲が良かったので、コラリー・クレモン『ルゥからの手紙』を 買った。明日聴いてみる。

6/4 (月)
服部まゆみ『ラ・ロンド』文藝春秋
「父のお気に入り」「猫の宇宙」「夜の歩み」の中編を収める。「夜の歩み」は書き下ろしで、「父のお気に入り」と「猫の宇宙」を繋げ、かつその後を描いて いる。
物語の後半、急に「父のお気に入り」というタイトルが奇妙な胸騒ぎを持って頭に点滅しだした。予感は的中。孝の罪の意識の描きかた(服部まゆみっぽい独 白)に対して、彼の父の描きかたはあっさりしている。描かれている父の様子は孝の視点からだから、本当の気持ちはわからない。でも、二人の対比が残酷で印 象に残る。
「夜の歩み」では、妙子の小さな(?)罪が描かれて、罪を抱えているという意味では孝とおあいこになるのかな。でもちょっと重さが違うかもね。
本当に久しぶりにステレオで音楽を聴く。フランソワのポロネーズ集。

6/2 (土)
山福朱実『ヤマネコ毛布』パロル舎
版画が美しい絵本。「たびに出ようとおもう」とだけ告げたヤマネコのために、ともだちのハリネズミが森の仲間たちに布と針を配って思い出を刺繍してプレゼ ントしようと提案する。どの思い出をあらわす版画も美しくて力強い。フンを降らせたという“キタナイ”思い出 を、意表をついた美しい表現に転換していて感心した。
さて、ある仲間はプレゼントするのを拒 否します。ところがね!
この顛末が見開きのたっぷりした大きさでなされていることがまたいい。森の香りがしてきそうだった。
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