● 2日目
2日目

 0900。起床。天気予報は雨。

 1000。出発。今日は電脳街に行く予定。手近のサブウェイの階段を下りる。その直前に肉が揚げパンを買ってくる。適度に甘くておいしい。駅構内をちょっと歩いてみるとジャズ広場があった。ジャズ大好きのブルースとすが開演時間をチェックしてくる。駅に引き返す。サブウェイのチケット購入方法がわからずちょっと混乱する。行き先の値段を押してから金を放り込む仕組みだった。****まで25元。タイペイ乗り換えて計4駅。特に迷うことはなかったが、目的の駅でさて、どの出口が電脳街の最寄りなのかと迷ってしまう。そのときすの字が科学技術大学の文字を発見。電脳街はこの大学のそばにあると証拠はないが経験から主張。結果的にその通りだった。


台湾の地下鉄。

 1130。とりあえず自分の場所をはっきりさせるため喫茶店に入る。それぞれデザートとかコーヒーとかを頼む。杉並の頼んだハーブティーは台湾ではよくあることながら、ミルクたっぷり砂糖たっぷりでハーブの匂いがほとんどしない。杉並、悶絶死。

 1200。電脳街。秋葉原のように町全体が電脳ショップというわけではなく、1本の街路が電脳(パソコン)・ゲーム・オタク・宝石関係の店だった。そして台湾ではどこにいっても必ず食い物の屋台がある。電脳街でもそれは変わらなかった。我々は一軒のゲーム屋にはいる。各種コンシューマゲームソフトやPCソフトが並んでいたが、それらと一緒にパチモンが普通に売られており、なかなか楽しい。ここでブルース、店頭デモの格闘ゲームで台湾少年に戦いを挑むが、PSコントローラーに慣れていないブルースは2連敗。負けたものの台湾少年と美しい友好関係を結ぶ。そして昔オタクアニマートと呼ばれていた台湾のアニメイトのような店に入る。さまざまなマンガの台湾版が売っている。杉並、ラブひなとマグカップ付き街覇vs拳皇9巻(最新刊)を買う。タキオンも風雲のマンガを買い込む。その店の地下はネットカフェになっていた。台湾にはゲーセンが見あたらないが、ネットカフェで対戦プレイをするのがゲーセンの代わりなのだろうという結論がでた。ブルース大いに悔しがる。


電気街とマンガ屋のなか。

 1300。オーディオマニアのブルース、タキオンはオーディオ機器を調べに電脳街をあさる。が、オーディオに関しては日本と同格。特に怪しいものは見つからなかった。その後、光華商会という怪しげな店ばかりが集まったモールに入る。このときデジカメ撮影にうつつを抜かしていた杉並が迷子になる。肉が探しに行くが、杉並は自力で仲間を発見した。肉、この後、武器屋を発見してご満悦になる。一行は台湾DVDとかVCDとかを物色。カンフーもののヘンなタイトルはないが、リージョンフリーの変なものはチラホラと見つかった。またマンガの古本なども見つかる。日本の漫画ばかりだった。


オーディオ屋と謎の店。

 1400。昼飯を食べにタイペイ方面に向かう。客家料理の店が見つかった。北京料理と天秤に掛けて、客家にはいる。むちゃくちゃ美味しいが、辛い。発火料理であると杉並がギャグをいった。

 1500。タイペイ駅前。点心食べたいよねーといいつつ、店が見つからないままタイペイ駅前へ。デパートの地下1階は込み合っていた。12Fに店があると聞いてエレベータで12Fへ。で、結局美味しそうでなかったので、降りていく。10Fは趣味のものを扱うフロアだった。オーディオを探していたブルースがはまり、その後、CD屋でタキオン、すの字、杉並がジャケ買いを始めた。隣の本屋で少し時間をつぶしてから、地下2Fへ。食品売場。おみやげ用に全員がウーロン茶や紅茶などを買う。売場のおにーちゃんがじつに上手に試飲させてくれた。その一生懸命さに、買わなきゃいけないような気になった。台湾人は、優しいのでつい買いたくなってしまう。

 1600。我々は点心をさがして街をさまよう。途中、コンピュータ屋でLinuxパソコンの究極作例という雑誌をみつける。写真が連続して何枚かあり、クロックアップしすぎて煙を吹き出しているシーンが写っていた。すげえぞ、台湾(笑)。そして留学生街を通り抜けて、再びタイペイ駅前へ。点心はあきらめ、ホテルにひきあげた。

 1630。ホテル。杉並と肉が戦利品のマンガを開き始める。杉並、街覇vs拳皇の熱血ぶりに感銘を受ける。じっさいすごかった。で、ハマった杉並たちは足が痛いという肉をおいて、街覇vs拳皇のバックナンバーなんて、どうせコンビニにおいてあるだろうから、30分で帰ると言い残して街にでていく。これが間違いだった。

 1830。ホテルをでた。ホテル前のCD屋で再びジャケ買いをしたあと、コンビニへ。しかし、街覇vs拳皇は既刊どころか最新刊まで置いてない。
 次のコンビニへ、そして次のコンビニへ。
 ない、ない、ない。
「書店だ、書店はないのかー?」
 書店は、歩けど歩けど一軒もない。
 台湾では、商店は固まっていることが多い。食い物屋はどこにでもあるが、特定の商品を扱った商店となると簡単には見つからないことが多い。そのかわり、一度見つけだすと、芋蔓式に同業がいくらでも見つかるようになる。
 我々は歩いた。どこまでもどこまでも歩いた。見つからない。左折。歩く歩く。すると、ようやく一軒の書店が見つかった。しかもマンガがいっぱい置いてある! 杉並、サムライスピリッツの台湾マンガを見つけだして即購入を決める。思わぬ収穫だ。
「ちょっと待てよ、ここ、貸本屋じゃないか?」
 すの字がいった。いわれてみれば、客が店の奥で飲み物を飲みながら悠々と本を座り読みしている。壁に会則が書いてあった。漢字だが、なんとなくわかる。ここは貸本屋だ。我々は複雑な気分で店を出た。
「しかし、貸本屋があったということはこのあたりに本屋があるんじゃねーの? そーいや、昔台湾にきたとき肉と一緒にこのへんを歩いて、マンガ屋を見つけた記憶があるぞ……あっちだ!」
 ブルース軍師の助言に勇気百倍、我々はさらに歩く。だが、この後、30分ほど歩いても本屋は影も形もない。そろそろブルース軍師への信頼感が薄らいできたというところで、
「ここだ、このロータリーのそばだ!」
 ブルースに導かれるまま、我々はマンガ本街へ。だが、そこはうらさびれた通りだった。よく見るとポツンポツンとマンガ屋がある。そこだけにぎわっている。
 1軒目、最新刊のみ見つかる。日本語のわからない店員に日本語で話しかけ、強引にコミュニケーション。しかし、既刊はないらしい。次の店に向かう。2軒目、影も形もない。次の店へ。
「おおお、ここは違う!」
 店構えからしてオーラがあった。雰囲気が日本の「マンガの森」に似ているのだ。店に突入すると清潔に並べられたマンガの山が待ちかまえている。
 ちなみに台湾のマンガ事情は、まだまだ発展途上だといえよう。ほとんどのマンガが日本のマンガの翻訳でありオリジナルはほとんどない。
 杉並はマンガの山をひっくりかえして街覇vs拳王を探すが、例によってここも最新刊のみ。しかたなく店のおばちゃんをつかまえ、日本語を交えて強引にコミュニケーションをとってみる。ブルース軍師の援護もあって、なんとか意志疎通ができた。おばちゃんはダンボールの中からバックナンバーを発掘してくるが、それでも全部そろわないのでわざわざ店の外に電話して残りの本を取り寄せてくれる。日本では考えられない下町チックな出来事である。
 杉並は4巻と外伝1をのぞく街覇vs拳王の既刊すべてを手に入れることに成功、そのうえサムライスピリッツ本も購入した。
 ホテルに帰り着くと、肉はいない。30分のつもりが2時間も留守にしたのだから飯でも喰いにいってるのだろうと、我々も勝手に飯を食うべくホテルをでる。



彷徨ってようやくみつけた本屋。

 2030。ブルースが一度はいってみたかったという北京料理店へ向かう。が、その店はスターバックス(コーヒー屋)に占領されていてあとかたもない。しかたないので、少しひきかえして目に付いた北京料理の店に入ったが、今度は2100に店を閉めるけれどいいかといってくる。あと20分しかない。あきらめるしかなかった。

 台湾はほとんどの飯屋が2100に店を閉める。そのため池袋時間に慣れた我々にはちとつらい。歩き回って、ようやく2100になっても店を開けている台湾料理屋に入った。味は柔らかく、辛くもなく、むしろ甘めである。甘いのが苦手な杉並はデザートで撃沈された。そして帰りに寄った駅ビルステーションのジャズ広場で台湾カントリーソングを聞きながら翌日の予定を立てた。杉並、所持金を1元だけ残して使い切る。帰り道の地下道にえらく音程のはずれまくったビートルズを歌う流しのギター引きの白人がいた。笑いをこらえるのが非常に難しかった。

 2300。ホテルに帰ると、肉がふてくされて寝ていた。買ってきたマンガを回し読みしているうちに機嫌が直った。街覇vs拳皇は不思議な魅力で我々を虜にした。全巻一気読破〜!

 0200。個室に引き上げ、風呂に入り日記を書き始める。すの字、ベッドの足を破壊する。

 0400。就寝。

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