大立洞窟
大立洞窟は、全国でも有数の縄文時代草創期遺跡の密集地域に位置しており、
近隣には、国指定史跡である日向洞窟や一の沢洞窟、火箱岩洞窟等の洞窟、岩陰遺跡が所在します。
洞窟は、昭和47年(1972)5月、佐々木洋治氏によって発見されました。
それまで、攪乱された様子は全く見られませんが、自然の営力による崩落などによって、
洞窟前には巨大な凝灰岩塊が幾重にも積み重なっていました。遺跡は、間口13m、奥行き7mを
測る洞窟と両脇の岩陰からなり、規模としては高畠町に所在する洞窟・岩陰遺跡群の中でも大きい方です。
昭和49年の予備調査を経て、同50年から52年までの3ヶ年、発見者である佐々木洋治氏が中心となり、
山形県立博物館によって三次にわたる発掘調査が実施されました。
その結果、奈良・平安時代より弥生時代、縄文時代にかけて断続的に利用された洞窟遺跡であることが明らかとなり
最下層より出土した隆起線文土器をはじめとする一連の遺物群から、縄文草創期にまで遡ることが確認されました。
また、本町の遺跡では初めて科学的分析が行われ、土壌の花粉分析結果から、縄文時代の開始期は、
現在よりも冷涼な気候であったと考えられています。
−高畠町教育委員会−
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