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記事No : 1626
タイトル 克美しげる
投稿日: 2012/08/27(Mon) 12:06:39
投稿者桃青

仏教がみつめた生死の実相は常見も断見も超えて、大きく深い。

常見はウソが臭いし、断見はニヒルが冷淡。

生死の実相は、ただ大きく深く清浄なだけです。


克美しげるの事件が起きたのは、私がまだ子供だったころです。
朝刊の一面に載った刑事たちに脇を固められて飛行機のタラップを降りる克美しげるの写真をうっすらと覚えている。
しばらくマスコミや大人達が騒いでいた記憶もある。
後年、様々に検証されたものを読んで、あれは、そういう事件だったのか。
と、知った。

そうした様々な検証のなかに、心に残っている記事がある。
移送の飛行機が、東京上空に来たとき、つきそった刑事さん(名物刑事とも称されるかただったようです。)が、眼下にひろがる街を見るよう克美しげるにうながして
「はるかに大きなものから見れば、君が女に苦しんだこと、そしてその女を君が殺してしまったことなど
 ちっぽけな、ほんとうにちっぽけなことなんだよ。」
と、諭した。
克美しげるはそれを聞いて、号泣した。
と、言う記事です。

初めて読んだときは、ひとりの女性を殺したことが、なぜちっぽけなんだ?!
と、わけがわかりませんでした。
なので、ずーっと、心に残っていましたが、
今は、その刑事さんが言わんとしたことがたぶんわかる。

言葉にしようとすると難しいのだが、
すべての克美しげるなるものに、全ての岡田裕子なるものに、懺悔し、供養するしかないのだ。
そんなところだろうか。


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