『AZ』11号
は、あなたの進歩をはばむ最大の障害です。
 私は本当に感心したら、どんな人の弟子にでもなるつもりですが、今世間をみわたしたところ、あまり適当な先生もいないので、臨時に代稽古をつとめているのですが、そのうちいい先生が見つかったら、看板をはずし「教授中止」ということになるかもしれません。しかし当分のあいだ、従前どおりレッスンをつづけるでしょう。
9 AZの海外進出と未来の構想
 英語版AZのプランは3号にすでに発表してあったが、私がおみこしを上げたのは、それから1年近くたってからである。1月の初めから日本石油化学株式会社に嘱託の椅子をもらい、毎日午後の勤めにかよっているうちに、余暇のブランクのなかから、早く英語版を出さなくてはという衝動が油然とわきおこってきた。
 物事はかくのごとく、受胎から出産まで時間の経過が必要である。なんでもあるアイデアが浮かんだら、いったん潜在意識の大海に沈めておいて、頃をみはからって引き上げれば、燦然たる真珠が貝の奥に出来上がっているのである。
 数章去年から書きためておいたのがあったが、それに足すつもりでタイプに指をふれると出るわ出るわ、2月14・15の両日には、半日ずつでそれぞれ2章ずつ出来上がった。これは日本語版AZの翻訳ではなく、全く新しい発想にもとずく書きおろしである。
 現在、スブド関係とA.R.E.関係、さらにゾー・ニッカーソンのIS誌の関係で、私の名前は相当世界に知られている。いろいろの雑誌に英文で論文を発表しているから、潜在読者は何千人といると思われる。その人たちのうち、特にAZを受け入れる準備の出来た人を、英文AZが出かけて行ってキャッチしてくれればいいのである。初めは500部ぐらいしか刷らないが、そのうち短期間で日本語版AZの発行部数を凌駕し、財政的にも日本国内の印刷費は外貨でまかなうくらいに伸びると思われる。何といっても、米国に最も多く読者ができる可能性が濃いから、ドルと精神的産物の交換がうまく成立するだろう。
 私は十代のころから、外国語で本を書きたいという願いをもっていた。それがこういう形で実現しようとは夢にも思っていなかったが、いよいよ本格的な働きの場が私に与えられるようだ。
 英語版の内容は、英語のもつ性質に規定されて、文体や発想が日本語版とだいぶ違っているように思われる。「外国のAZ同胞はどんな文章をよんでいるのかしら?」という当然の疑問にこたえるため、これにつづく章に2つばかり「翻訳」をのせよう。これは自分が書いて、自分が翻訳するのだから、おかしなものだ。しかし、これでもわかるが、思想は、その原形というのがどこかにあって、それに合うよう洋服を裁断するというものではなくて、コトバに触発され、コトバに引っぱられつつ生命がおのずから織り成す模様である。
 外資導入でAZの資金が潤沢になるのは、今年の秋以後であろうが、そのとき私がやりたいことは多々ある。そのなかで、先にやりたいのは次の2つである。

(1)AZの家の建設(まず東京に)
(2)AZノイローゼ・クリニックの設置

 以上は現実的には一軒の家でもすむ。
 (1)は要するに、地方からの旅人、または東京で家のない同胞の住む所で、部屋はウンと沢山あったほうがいい。ここの特徴は、経済生活の完全な霊化という原理である。つまり、唯物論ならぬ唯神論にもとずく「共産制度」を採用する。
 「オレのさるまたがどこかに行った。オマエがはいたのか!」
 と目クジラ立てる人には、入居資格がない。自分のものという所有観念を薄く、またはゼロにするのが必要だ。困ったときには助けてやるという考えかたをもって進めて、人が困ったのは自分が困ったという瞬間的同苦同悲の心境になる。
 ザルを置いておき、そこから必要なカネをつかみ取りにし、外でもうけてきたらまた入れておく。これは江口榛一氏がやっている“地の塩の箱”の運動を「家」に応用したものである。ノンダクレがうさ晴らしにその金を使っても、金自体が「浄財」であるから、同じ酒でも浄化作用をして、憂さばらしも十倍の効果をもつ。このメカニズムは、AZの同胞ならたいていわかってもらえるはずだ。
 次のノイローゼ・クリニックは、ノイローゼの治療所だ。泊まりこみ(これが最も効果があるが)と、通いの二種がある。通いの場合、お勤めの終わった帰路1時間位ちょっと立寄ってもらえればいい。このとき私は、静かな部屋で、何人かの患者と一しょに“治療ラティハン”をやる。強い波動による病人のオーラの修正・治療である。週に2、3回かよってもらえば、メキメキ良くなると思う。ラティハンが30分、話が30分、これで充分である。
 この二つはほんとうにちかぢか実現できるような気がある。証拠を示して、AZを社会のなかに溶けこませねばならない。
 まず「家」だ。
 私は夏ごろまでに、関西、それも瀬戸内海沿岸に一家移住することも考えている。借家または売家を世話してくれませんか。広いほうがいい。これが実現したら、九州・四国・山陰方面にも足が伸ばせるようになり好都合だ。
 東京の“中央事務所”は酒井弘司君のマネジメントの下において、出版活動をやってもらう。海外AZ同胞との連絡事務所は私の住所におく。私の食いぶちは神銀行から豊かに来る。アメリカの石油王が一人ぐらいスポンサーになってくれれば、以上のことは何でもない。神は必要なら、石油王でも鋼鉄王でも、AZに差しむけてくださる。
 霞ヶ関書房では“AZシリーズ”第1期全12冊を今年中に出すといって張り切っている。1月1冊! これができたら神業的執筆だが、私の場合ラクだ。私が書くのでなく、神の自動人形が私なんだから何でもできる。出版界の奇蹟がおこるだろう。
 『AZの金銭征服』も同書房の営業マンO氏は「これが売れたら逆立ちして銀座を歩くよ」とセセラ笑ったら、奇妙に売れ出して、株屋グループが何を思ってか、大変気に入ったから、10冊小包にして持ってきてくれとか、大変な騒ぎだ。
 とにかく、AZは奇異な社会現象である。
10 あなたは自動人形 (翻訳)
 私のことをおこらないで下さい。私は自分も例外にしません。私もまた自動人形。