アメノミナカヌシの秘密
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なる。みんな太陽のむすことむすめなのだ。これを英語の達人であるリンサンがもじって、聖蘭サンなどと気易くカナ書きするわけは、サンは英語の Sun に通じ、山田サンと書けば「山田太陽」の意味なのである。
 私は封筒のあて名書きも、様だの殿だの先生だのというヤヤコシイのは嫌いで、みんなサンづけだ。池田勇人サン、湯川秀樹サン、これでよろしい。だから、私からサン付けの手紙をもらって怒るのは全くの阿呆である。
 ところで、これから先の文章の根本となる天御中主神について、少々イントロダクション(口をつけること)を書いておこう。
 天御中主神は造化三神の元首である。言わば大元の神々の総元締め、神中の神である。造化三神の神々とは天地開闢の始め、高天原にあらわれて万物を経営した天御中主、高皇産霊(たかみむすび)、神皇産霊の三神である。これを図形であらわせば、頂点を上にした正三角形となる。
 Aはもちろんアメノミナカヌシ、Tはタカミムスビ、Kはカミムスビの頭文字である。タカミムスビは高々とあらわれる神様で、易の言葉に翻訳すると「陽原理」となる。カミムスビは噛むのカミ、黴(かび)と同根のカミ、醸(か)むのカミであって、いずれも隠れたところの作用、不可視界の現象であるから「陰原理」となる。陽と陰はプラスとマイナスと言い代えてもいいから、ATKの3点を次のように直すことができる。
 アメノミナカヌシは、かくの如く、「中」であり、「ゼロ」である。儒教では中庸の徳を説き、道教は虚無(ゼロ)を言い、仏教は空(ゼロ)を重んじる。みんな同じことだ。私の使命は、世界中の人々に、みんな同じよ、一つだよと言いつづけることだから、神道の本を書いても他の教えのことにどうしても触れざるをえない。
 
 いろいろ述べたが、天御中主という神さまが「中点」であり「零」であり「カラッポ」であることはよく解ったと思う。ここから凡てがでてくる。これが一番大切な所で、これさえわかれば後は読まなくてもよろしい。
 平田篤胤(あつたね)系の神道家はアメノミナカヌシを「無始無終全知全能の造物主」としているが、これは本当である。ハジメのないものにオワリのあるはずがない。仏教で不生不滅と言っているのもこれだ。全知全能というのも、万物の初めにあらわれた神なのだから当然のこと。キリスト教の天父、ユダヤ教のエホバ、回教のアラー、その他の宗教に出てくる唯一神と同じである。これを違うという人は頑迷固陋な宗教人、私が平和にした所にまたまた戦争をおこそうという不心得者である。
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