WIZARDRY RPG
- OutLaws Edition -
■ルールセクション■
◇キャラクターの成長◇
キャラクターは、冒険を通じて経験点を獲得します。そして、その経験点が一定の値に達すると、キャラクターのレベルが上昇します。ただし、レベルを上昇させるためにはいったん安全な場所(市街地の宿屋など)に帰って、8時間以上ぐっすりと眠らなくてはなりません。目覚めたとき、あなたは新たな力を獲得している自分に気付くのです。1回の冒険でたくさんの経験点を獲得した場合、レベルがまとめて上昇することもあります。その場合も、1回睡眠をとればまとめて上昇します。経験点は次のようにして獲得されます。
1−1.戦闘による経験
モンスター(怪物、魔物)と戦闘を行ってこれを倒した場合、モンスターごとに定まっている経験点をパーティのキャラクター全員が獲得します。コンピュータゲームと異なり、パーティの人数と得られる経験点は無関係です。同数の同じモンスターを倒した場合、パーティがひとりであろうと6人であろうと、1キャラクターが得る経験点は同じだということです。
「モンスター」の項を見れば判るように、それぞれのモンスターには倒したときに得られる経験点が明記されています。この経験点は、モンスター1匹につき、パーティに含まれるそれぞれのキャラクターが得られる経験点です。ただし、その戦闘が終了した時点で、死んでいるキャラクターや麻痺、石化しているキャラクターにはその戦闘での経験点は与えられません。逃げたモンスターの分は無視されますが、降伏したモンスターやディスペルされた不死属モンスターの経験点は倒したときと同じだけ得ることができます。
1−2.ミッション達成による経験
パーティが特定の目的(ミッション、と呼びます)をもって行動している場合、その目的が達成されれば経験点を獲得できます。もちろん、その目的とはGMが定めたものです。したがって、プレイヤーがそれと知らずに目的を達成してしまう場合もあるでしょう。その場合でも、経験点がキャラクターに与えられます。よくある目的としては、特定の(強い)モンスターを倒す、強力な魔法のアイテムを探し出す、どこからか誰かを救出する、何者からの攻撃からあるものを守る、などが考えられます。具体的にどれほどの経験点が得られるかは、目的の難度によって各GMが決めてください。が、ひとつの目的を達成したことによって得られる経験点で、キャラクターのレベルが2レベル以上上昇しないようにしたほうが良いでしょう。
経験点とレベルの関係は、職業によって異なります。一般的には同じレベルに達するのに必要な経験値は、複合職(デュアルクラス)が多く、基本職(シングルクラス)が少なく設定されています。
冒険によって獲得した経験値が、次の表に記されている値に達したらキャラクターのレベルが上昇します。ただし、冒険の途中でレベルが上がることはありません。いったん街や村などの安全なところに戻り、宿屋などでぐっすりと眠らなくてはならないのです。目覚めたとき、あなたは新たなる力を獲得している自分に気付くことでしょう。
経験点はどんどん蓄積されてゆきます。
13レベル以降は、どの職業でも一律に1レベルの上昇のためには20万点の経験値が必要です。また、いかなるキャラクターも20レベルを超えることはできません。
◇必要経験値◇
戦士 | 魔術師 霊能者 召喚師 |
僧侶 錬金術師 |
盗賊 | 戦乙女 吟遊詩人 |
侍 弓使い 魔女 |
君主 闇騎士 修道僧 探求者 |
忍者 司教 聖 陰陽師 |
妖術師 狂戦士 |
英雄 全能者 |
|
1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
2 | 1,000 | 1,100 | 1,050 | 900 | 1,200 | 1,300 | 1,400 | 1,500 | 1,600 | 1,800 |
3 | 2,000 | 2,200 | 2,100 | 1,800 | 2,400 | 2,600 | 2,800 | 3,000 | 3,200 | 3,600 |
4 | 4,000 | 4,400 | 4,200 | 3,600 | 4,800 | 5,200 | 5,600 | 6,000 | 6,400 | 7,200 |
5 | 8,000 | 8,800 | 8,400 | 7,200 | 9,600 | 10,400 | 11,200 | 12,000 | 12,800 | 14,400 |
6 | 16,000 | 17,600 | 16,800 | 14,400 | 19,200 | 20,800 | 22,400 | 24,000 | 25,600 | 28,800 |
7 | 32,000 | 35,200 | 33,600 | 28,800 | 38,400 | 41,600 | 44,800 | 48,000 | 51,200 | 57,600 |
8 | 64,000 | 70,400 | 67,200 | 57,600 | 76,800 | 83,200 | 89,600 | 96,000 | 102,400 | 115,200 |
9 | 128,000 | 140,800 | 134,400 | 115,200 | 153,600 | 166,400 | 179,200 | 192,000 | 204,800 | 230,400 |
10 | 256,000 | 281,600 | 268,800 | 230,400 | 307,200 | 332,800 | 358,400 | 384,000 | 409,600 | 460,800 |
11 | 450,000 | 480,000 | 460,000 | 430,000 | 500,000 | 530,000 | 550,000 | 580,000 | 600,000 | 660,000 |
12 | 650,000 | 680,000 | 660,000 | 630,000 | 700,000 | 730,000 | 750,000 | 780,000 | 800,000 | 860,000 |
13+ | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 | +200,000 |
キャラクターのレベルが上昇すると、次のような変化があります。数値が変化したら、キャラクターシートの当該部分を訂正してください。
3−1.特性値の変化
レベルがひとつ上昇するごとに、6つの特性値はそれぞれ増えたり減ったりする可能性があります。まず、特性値の上昇率を求めます。その種族の最大特性値(基本特性値+10)に2を足した値から現在の値を引き、それを5倍します。それに特性値上昇補正を加えたのが上昇率です。
例) 人間の戦士 【体力】15 の場合
[ 種族の【体力】の最大値:18 + 2 − 現在の【体力】:15 ]*5% + 種族補正:5% + 職業補正:10% = 上昇率:40%
上昇率が決まったら、D100を振ってください。出目が上昇率以下であれば、その特性値が1点上昇します。出目が96以上であれば(例え上昇率が96%以上でも)、特性値が1点減少します。全ての特性値がその種族の最大値まで成長したとしても、減少する可能性があるために判定を行います。もし、特性値の減少によってひとつでも2以下になってしまった場合、そのキャラクターは消滅します。どんな手段によっても復活させることはできません。
3−2.HPの増加
レベルが上がると、キャラクターのHPが増加します。新たなレベルに従って、HP上昇値のポイントを決定してください。
職業ごとに決められている数のHPダイスを振り、それに【生命力】によるHP補正をレベル倍した値を足します。その合計値が、新たなレベルでの最大HP値となります。
例) 人間の3レベル戦士 【生命力】15の場合
レベル:3 * [ 戦士の基本HP:1D12+5 + 【生命力】補正:+2 ] = 3D12+15+6
レベルアップ毎にHPは完全に振りなおします。振りなおした最大HPの値が前のレベルと同じ、もしくは少ない場合は、以前の最大HPに1を加えた値が新しい最大HPとなります。なお、HP補正は新たな生命力を基準にして算出します。
また、「鍛錬」技能を習得している場合、さらに最大HPが増加します。職業ごとに設定された基準ダイスを技能レベル数だけ振って、最大HPに加えてください。
3−3.命中欄の変更
命中率やパワーヒット率はキャラクターレベルと直接関係しています。キャラクターのレベルが上がれば、自動的に命中率やパワーヒット率は増加することになります。命中欄を修正してください。
3−4.技能の習得
レベルが上がると新たな技能を習得したり、すでに習得している技能のレベルを上昇させることができます。
新しくなったキャラクターレベルの3倍の技能ポイントを獲得できます。これを消費して、技能の習得に充ててください。ただし、キャラクターのレベルによって技能レベルの制限があることに注意してください。次のレベル上昇にそなえて、技能ポイントを持ち越すこともできます。
ただし、転職を行っている場合は、転職前のキャラクターレベルと同じレベルに成長するまでは、新しくなったキャラクターレベルの2倍の技能ポイントしか獲得できません。
例) 3レベル戦士から1レベル君主に転職した場合
1レベル → 2レベル 技能ポイント: 新レベル:2 * 2 = 4
2レベル → 3レベル 技能ポイント: 新レベル:3 * 2 = 6
3レベル → 4レベル 技能ポイント: 新レベル:4 * 3 = 12 (転職前のレベルを超えたので、通常通りの計算に戻る)
3−5.魔法の習得、MPの増加
レベルが上がると、新たな魔法を習得したり、MPが上昇します。魔法の習得やMPについての詳細は「魔法」の項を参照してください。
MPの増加についてですが、それぞれの魔法系統のMPはその職業ごとよって基本MPが決まり(下記の表参照)、これに関連する特性値によるMP補正を加えて、レベル倍することによって算出されます。したがって、レベルアップ毎にMPは完全に算出しなおすことになります。なお、MP補正は新たな特性値を基準にして算出します。
また、「精神修養」技能を習得している場合、さらに最大MPが増えます。上記の方法にて算出した最大MPに技能レベルごとに設定されたMP補正を足してください。
◇基本MP表◇
・専門職 : 魔術師、僧侶、錬金術師、霊能者、召喚師
・補助職 : 君主、闇騎士、戦乙女、侍、弓使い、吟遊詩人、修道僧、忍者
・複合職 : 司教、聖、探求者、陰陽師、魔女、妖術師、英雄、全能者
専門職 | 補助職 | 複合職 | |
基本MP値 | 6 | 2 | 4 |
例) 人間の3レベル魔術師 【知性】15の場合
[ 魔術師の基本MP:6 + 【知性】補正:+2 ] * レベル:3 = 24
3−6.その他の特殊能力
忍者や修道僧は、レベルごとに基本ACが低下します。また、素手での攻撃に対して命中、ダメージ補正が加わります。
◇忍者・修道僧の基本AC◇
レベル | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
基本AC | 9 | 8 | 7 | 6 | 5 | 4 | 3 | 2 | 1 | 0 | −1 | −2 | −3 | −4 | −5 | −6 | −7 | −8 | −9 | −10 |
◇忍者・修道僧の素手攻撃の命中/ダメージ補正◇
レベル | 3〜 | 6〜 | 9〜 | 12〜 | 15〜 | 18〜 |
命中補正 | +5% | +10% | +15% | +20% | +25% | +30% |
ダメージ補正 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 |
幾つかの理由によってキャラクターレベルが低下することがあります。その理由は様々ですが、効果は全て同じです。
4−1.経験値の低下
経験値が、新たなレベルに必要な最低限の値に引き下げられます。
4−2.HP、MPの減少
新たなレベルとしてHP及びMPを算出しなおします。算出したHPがレベルの下がる以前の値と同じ、もしくはそれ以上の場合は、1ポイント減少した値となります。
4−3.特性値と技能(魔法)
特性値は変化しません。すでに習得した技能や魔法を忘れることはありません。
レベルの減少によって1レベル未満になってしまったキャラクターは消滅します。どんな手段によっても復活させることはできません。
必要特性値が高い複合職には、初期に作成されたキャラクターが就くことは非常に難しいです。ですが、幾度かの成長によって高い能力を備えたキャラクターであれば、転職することによって条件を満たした職業に就くことが可能です。
転職は、新たに所属することになる職業ギルド、もしくは街の修練場によって行うことができます。
転職には、必要条件を満たしたどの職業にでも自由に転職できる「通常転職」と、いま就いている職業に関連する職業に転職する「継承転職」の2種類の方式があります。
5−1.通常転職
通常転職を行う場合、必要条件を満たしたすべての職業に転職することができます。しかしそれまでに獲得した経験点は全て失われ、そのキャラクターレベルは1レベルに戻ってしまいます。特性値は6種すべてが4点低下します。ただし、転職によって種族の基本特性値を下回ることはありません。年齢やHPはそのまま変化しません。
すでに習得している魔法はすべて使用可能です。MPも転職前と同じです(ただし、特性値の低下によって、その分の補正が減少します)。新たな職業で同じ系統の魔法を取得できる場合は、その職業のMP算出方法によって現在のMPを上回るまでその値のままとなります。新たな職業で、現在習得している魔法系統を使用できない場合、MPは転職時のままでそれ以上増えることはありません(特性値が上昇した補正分は、例外的に増えます)。
習得している技能も継承されます。ただし、新たな職業で使用できない技能を活用することはできません。また、あらたな職業で習得できない技能をレベルアップによって成長させることはできません。
転職後、転職前のキャラクターレベルまで再度成長するまで、レベルアップ毎の技能点の獲得に制限がつきます。
転職前の職業特有の特殊能力や特典(ディスペルや魔法強化など)は失われます。
5−2、継承転職
継承転職を行う場合、それまで就いていた職業に関連した職業にしか転職できない代わりにある程度の経験を残したまま転職することができます。継承転職を行うためには、継承転職先の職業に応じた能力値条件に加えて、特定のキャラクターレベルも必要となります(下記表を参照)。
継承転職を行うとキャラクターレベルは旧職業でのレベルから2レベルほど下がり、経験値は新職業でのレベルに必要な最低限の値に引き下げられます。特性値は6種すべてが2点低下します。ただし、転職によって種族の基本特性値を下回ることはありません。年齢やHPはそのまま変化しません。
すでに習得している魔法はすべて使用可能です。MPも転職前と同じです(ただし、特性値の低下によって、その分の補正が減少します)。新たな職業で同じ系統の魔法を取得できる場合は、その職業のMP算出方法によって現在のMPを上回るまでその値のままとなります。新たな職業で、現在習得している魔法系統を使用できない場合、MPは転職時のままでそれ以上増えることはありません(特性値が上昇した補正分は、例外的に増えます)。
習得している技能も継承されます。ただし、新たな職業で使用できない技能を活用することはできません。また、あらたな職業で習得できない技能をレベルアップによって成長させることはできません。
転職後、転職前のキャラクターレベルまで再度成長するまで、レベルアップ毎の技能点の獲得に制限がつきます。
転職前の職業特有の特殊能力や特典(ディスペルや魔法強化など)は失われます。
◇継承転職表◇
職業 | レベル3 | レベル5 | レベル7 | レベル9 |
戦士 | 戦乙女 | 侍、弓使い | 君主、闇騎士 | 狂戦士、英雄 |
魔術師 | 探求者 | 司教、魔女 | 侍、妖術師 | 全能者、英雄 |
僧侶 | 戦乙女 | 司教、聖 | 君主、闇騎士、妖術師 | 全能者、英雄 |
盗賊 | 吟遊詩人 | 弓使い | 忍者 | |
錬金術師 | 探求者 | 弓使い、陰陽師 | 忍者 | 全能者 |
霊能者 | 聖、陰陽師 | 修道僧 | 全能者 | |
召喚師 | 魔女 | 妖術師 |
また、特殊なアイテムを使用して転職を行える場合があります。その場合、転職に必要な条件を満たしている必要はありません。経験値や特性値の変化などに関しては、それぞれのアイテムによって異なります。