WIZARDRY RPG

- OutLaws Edition -

■ルールセクション■


<戻る>


◇戦闘◇

1.戦闘の手順

 PCのパーティが敵対的なモンスターと遭遇(エンカウント)した場合、戦闘が発生します。また、モンスターが敵対的でなくてもPC側から攻撃を仕掛けることは可能です。
 モンスターとエンカウントした場合、GMは次の手順にしたがって戦闘を処理します。

(1)どちらかが不意討ちを行ったかどうかを判定する
(2)モンスターの反応を決定する
(3)モンスターの正確な名称が判ったかどうか判定する
(4)戦闘シートにPCを配置し、次いでモンスターを配置する
(5)戦闘を解決する

1−1.不意討ち

 モンスターと遭遇するたびに、GMはD100を振ります。出目が05以下の場合はPC側が、出目が96以上の場合はモンスター側が不意討ちに成功します。
 ダイスの目には、状況にしたがって補正を加えてください。モンスターが曲がり角などで息を潜めて待っている場合などには、10〜30%ほどのプラス補正がつくでしょう。また、PC側が特に慎重に移動していたり、あらかじめ敵がいることを想定していた場合(盗賊系クラスのPCが偵察行動を行っていた場合など)は、10〜50%のマイナス補正がつきます。直線通路の真ん中などの、不意討ちのおこりえない場合も考えられます。
 不意討ちに成功した場合、不意討ちを行えた側は1ラウンド分、自由に(【敏捷】の高い順に)行動を行うことができます。そのラウンドには、不意討ちを受けた側はなにも行動することができません(ただし、「反射」技能判定に成功した場合は、成功したキャラクターだけ通常通りの行動が可能となります)。次のラウンドから、通常の戦闘と同じように処理を行います。
 不意討ちができたとしても、必ずしも攻撃する必要はありません。相手の出方を伺ったり、話し掛けてみるといった行動も選択できます。モンスターとはいえ、必ずしも知性の無いものばかりではないのです。時には有益な情報が得ることもあるかもしれません。
 ウィズでは、不意討ちは致命的な結果を招くことが多くあります。特に魔法やブレスを使うモンスターが不意討ちを行うと、パーティが全滅する可能性があります。場合によっては、判定の結果を無視して、不意討ちの結果を無視してもかまいません。

1−2.反応

 モンスターのすべてが即座に襲いかかってくるわけではありません。中には、友好的なモンスター(やNPC)もいるのです。GMは、遭遇が発生するたびにD100を振り、モンスターの反応を決定します。

◇遭遇反応表◇ (D100)

出目 反応 状況
01〜20 友好的 穏やかな雰囲気の中、交渉が可能です。有益な情報や、アイテム交換などが行えるでしょう。
21〜50 中立的 相手の出方を伺っています。互いに無視して別れたり、険悪な雰囲気の中で交渉ができます。
51〜00 敵対的 即座に戦闘が始まります!

 交渉を行う場合、お互いに言葉が通じる必要があります。言葉が通じなければ、いかに友好的でも有益な交渉はできないでしょう。

 遭遇時の反応判定には様々な補正が加わります。
 知性的でないモンスターの場合、まず戦闘となります。この場合、彼らの判定補正は+100%となります。
 知性的なモンスター(NPC)の場合、戒律が問題となります。<善>の戒律のPCを含むパーティの場合、モンスターの戒律が<善>であれば−50%、<悪>であれば+20%、PC側が<悪>な場合、モンスター側が<中立>である場合には補正はありません。
 また、力関係によっても補正が行われます。明らかに(GMの判断による)PC側が圧倒的に強い場合(例えば、PC側が5レベル6人で、モンスター側が1レベル魔術師2人の場合など)、−20%の補正がつきます。逆にモンスター側が圧倒的に強い場合は、+20%となります。
 反応が「中立的」な場合、NPC側はかなり無茶な要求をしてくるでしょう。有益な情報に対しては、かなり高額な対価をふっかけてくるでしょう。
 必ずしも厳密にこの反応判定に従う必要はありません。GMはシナリオの都合上、かならず友好的、あるいは敵対的なNPCを作成しても問題はありません。また、交渉を行ったからといって、必ずしもそのまま別れる必要はありません。交渉が決裂して戦闘になることもありえます。また、<悪>戒律のモンスターであれば交渉後、あるいは交渉中に攻撃を仕掛けてくる可能性もあります。
 こういった反応は、あくまでもモンスター側の、PCに対する反応です。PCはどのような状況でも自由に行動することができます。もちろん、それぞれのPCの戒律にある程度しばられることになりますが。

1−3.確定名と不確定名

 モンスターと遭遇した際に相手の正確な名称(確定名)が分かるとは限りません。おおよその外見(不確定名)が分かってもそれが具体的に何であるかは分からないことも多々あるでしょう。遭遇した相手の確定名を知るためには、遭遇時に「神秘学」判定に成功する必要があります。「神秘学」判定に失敗した場合は、正確な名称を確認することはできません。なお、この確定名の判定は何度も遭遇したことのあるモンスターでも、新たに遭遇する度に実施します。
 モンスターの確定名がもっとも重要な意味を持つのは、ディスペルを試みる場合です。ディスペルは相手の確定名が分かっていなければ試みることができないからです。
 また、確定名が分からないと相手の強さや特殊能力が分からず苦戦することになるでしょう。同じドラゴンという不確定名称でも、ガスドラゴンとファイアードラゴンでは強さも大きく変わります。そういった意味でも、相手の確定名を判別することは重要です。
 確定名を判別した時点で、GMは判別したキャラクターに大まかなモンスターの説明を行ってください。

1−4.初期配置

 GMは戦闘が行われる地形を戦闘マップで示し、そこにPC側のキャラクターを配置させます。配置は特定の地域を示して、その中に自由に配置させるといいでしょう(「このドアの前の4*2マスの範囲に配置してくれ」)。もちろん具体的な行動が示されている場合は、それに矛盾しないようにしなければなりません(盗賊が扉の鍵を開けたのなら、その扉に隣接したマスに盗賊がいなければなりません)。キャラクターの配置が終わったら、GMがモンスターの配置を行います。
 配置する際には、キャラクターに向きがあることに注意してください。マスの四辺のうち、どちらを向いているのかはっきり分かるように配置しなければなりません。
 キャラクターの前3マスは『前方』、左右2マスは『側面』、後ろ3マスは『背面』と呼ばれます。キャラクターが攻撃を加えられるのは、『前面』のマスにいる敵だけです。

 配置の際に、ひとつのマスには1体のキャラクターしか入ることはできません(例外:飛行可能なモンスターのみが頭上越しに移動する場合)。ただし、死体にはこの制限は当てはまらず、死体のあるマスに進入することは可能です。しかし、「睡眠」「麻痺」「石化」状態のキャラクターには制限が当てはまりますので、それらの状態異常となっているキャラクターのいるマスには進入できません。
 なお、PC側が不意討ちを行った場合など、PC側が状況をはっきり把握している場合にはモンスター側を先に配置するべきでしょう。

1−5.戦闘ラウンド

 戦闘は、ゲーム内時間で20秒を一区切りとして行われます。この20秒を1ラウンドと呼び、各ラウンドを繰り返すことで戦闘は解決されます。
 配置が終わったら、第1ラウンドの開始です。
 キャラクターは(PCもモンスターも関係なく)【敏捷】の高い順に行動を行っていきます。もちろん、PCはプレイヤーが、モンスターはGMが行動させます。全員が行動を終えたら、第一ラウンドは終了です。この時点で、敵か味方のどちらかが全滅するか、逃走に成功するか、降伏した場合は戦闘が終了します。そうでなければ、戦闘終了まで、2ラウンド、3ラウンドと続いていきます。
 【敏捷】が同じキャラクターがいる場合、便宜上は順番に行動を行っていきますが、その行動は同時に効果があらわれたこととして解決します。

◇行動順番の決定◇ (選択ルール)

 行動順番が【敏捷】によって固定されると、種族などによる特性値の差が大きく影響し、取れる戦術が限定されてしまう場合があります。そこで、選択ルールとして以下の方法を提示します。

 ラウンドの開始時に、各キャラクターは1D6を振り、それを【敏捷】に足し、「行動値」を決定します。また1D6の出目が「6」であった場合は、さらに1D6を振り足すことができます。戦闘に参加するキャラクター(PCもモンスターも関係なく)すべての「行動値」を比較し、もっとも高い値のキャラクターから順番に行動していきます。
 また、「行動値」の高いキャラクターでも任意に行動を遅らせることができます。その場合、行動を遅らせたキャラクターの行動は行動順の一番後となります。行動を遅らせるキャラクターが複数いる場合は、「行動値」のもっとも高かったキャラクターの行動順がもっとも遅くなります。

 以上のルールを採用した場合、戦闘処理が煩雑となる可能性があります。採用に関しては各GMにて検討してください。

1−6.戦闘の終了

 戦闘に参加しているすべてのキャラクターが行動を終えたら、その戦闘ラウンドは終了します。この時点でいずれの側が、全滅、逃走、降伏していれば、その戦闘は終わります。そうでなければ、新たな戦闘ラウンドに入ります。

(1)全滅

 どちらか側の全キャラクターが「死亡」「麻痺」「石化」した場合は、そのグループは全滅したとみなされます。

(2)逃走

 勝ち目がないと判断したら、逃げることも必要になります。逃げる場合、パーティの中で最も【敏捷】の低いキャラクターを基準にします(この時、「麻痺」「睡眠」「金縛」「石化」「死亡」状態のキャラクターの【敏捷】は無視してください)。ラウンドの開始時に、(【敏捷】*5)%を基準値としてD100を振り、それ以下の出目がでれば逃走は成功します。逃走は、パーティ全体がまとまって行うため、成功すれば全員が逃げられます。失敗した場合、そのラウンドはパーティ全員がなにもできず、1ラウンドの間敵の攻撃に晒されます。
 PC側が不意討ちに成功している場合、逃走は自動的に成功します。
 モンスターの場合、GMの判断によって逃走を試みてください。
 状況、地形によっては、逃走がまったく不可能な場合も考えられます。また、場合によっては逃走しづらい状況も考えられます。GMはその状況に応じて逃走判定に補正を加えてください。
 逃走する場合、「麻痺」「睡眠」「金縛」「石化」「死亡」などの移動不能な状態異常の味方を運ぶ必要があります。移動不能な仲間が、移動可能な仲間より多い場合は逃走することができません(それでも逃走する場合、運べなかった仲間は「見捨てた」ことになります)。
 逃走した場合、パーティがどこに逃げるかはGMが判断してください(通常の場合は、戦闘発生直前にいた場所になるでしょう)。

(3)降伏

 PCは、いついかなる場合でも降伏することができます。もちろん、相手がそれを受け入れるかどうかは別問題ですが。モンスターが知的なものであれば、降伏を受け入れることもあるでしょう。が、多くの場合、受け入れられることは少ないでしょう。
 モンスターがPCの降伏を受け入れた場合(通常、反応が比較的“良い”場合に限られます)、PCをどうするかはGMが判断します。見ぐるみ剥いで放り出したり、人質を取った上で身代金を要求したり、などなどが想定されます。武器や防具を奪った上で、殺そうとするものもいるでしょう。
 降伏の意思が受け入れられなかった場合、通常の戦闘を続行します。降伏の試みは、ラウンドの開始時に行われます。

モンスターの士気

 PCは自分の意志にしたがって逃走、降伏を選択できますが、モンスターはどのような場合に逃走するのでしょうか。もちろん、GMが判断して行動してもかまわないのですが、一応の目安として士気が設定されています。
 士気とはモンスターの「戦う意志」をあらわす数値です。士気が高ければそれだけ戦闘意欲が高く、士気が低ければ逃げ出しやすいことを意味します。
 戦闘シート上に登場したモンスターの半数以上が倒れた(「睡眠」「金縛」「麻痺」「石化」を含む)ら、次のラウンドが開始される前に、意識あるモンスターの士気判定を行います。士気以下の出目が出た場合は、そのモンスターは戦闘を続行します。失敗したものは、逃走を試みます。逃げ場がない場合、そのモンスターは降伏します。
 士気判定は状況に応じて、0〜50%の補正を加えてください。

2.戦闘行動

 キャラクターは【敏捷】(行動値)の大きい順に行動を実行してきます。
 戦闘ラウンド中にキャラクター(PC、NPC、モンスターを含む)の取れる行動は基本的に以下のパターンに分かれます。

(1) 通常移動 : 移動力の範囲内での移動が可能です。
(2) 移動攻撃 : 戦闘移動力の範囲内での移動と、近接武器での攻撃が可能です。
(3)  射撃 : 射撃武器での攻撃が可能です。
(4) 魔法 : 魔法を習得していれば、魔法を行使できます。
(5) ディスペル : 不死属の怪物を解呪します。
(6) 防御 : 直接攻撃に対する防御姿勢を取ります。
(7) 交代 : お互いの場所を入れ替えます。
(8) 隠れる : 「忍術」技能を使用して、物陰に隠れます。
(9) 奇襲 : 「忍術」技能で、隠れた状態から攻撃します。
(10) 看破 : 「忍術」技能で隠れた敵を「探索」技能で見つけ出します。
(11) 装備変更 : 手に持った武器や防具を変更します。
(12) アイテム使用 : 手に持ったアイテムを使用します。
(13) 体勢回復 : 転倒状態から回復します。

2−1.移動

 移動は前後左右、斜めのいずれのマスに対しても行えます。斜めのマスも隣接していると見なされるのに注意してください。隣接しているマスに移動するのが「1マス移動」です。戦闘中に戦闘シートの外に出ることはできません(逃走に成功した場合を除き)。移動の途中ではカウンターの向きはまったく関係ありませんが、移動を終えた時点で向いている方向をはっきりさせなくてはいけません。同じマスにいたまま向いている方向だけを変える場合は、移動とはみなされません。
 キャラクターは、自分の移動力の範囲内で好きなだけ移動することができます。移動力4のキャラクターなら、最大4マスまで移動できるということです。ただし、移動の途中で敵キャラクターの前面マスに侵入したら、ただちに移動を終了しなくてはなりません。
 移動の開始時に、敵の前面マスに位置していたキャラクターは、移動力を1として扱います(1マスしか移動できない)。しかも、ある敵の前面マスから、同じ敵の側面マスに移動する場合には、他の行動(攻撃など)をとることはできません。前面から前面、あるいは前面から離れる移動を行った場合は、戦闘移動が行える条件内の他の行動と組み合わせることができます(移動攻撃や防御など)。
 倒れているキャラクターも移動力1として扱います。
 また特殊な地形による地形効果で、移動力に何らかの制限が掛けられる場合もあります。

2−2.攻撃と防御 

◇直接攻撃◇

 直接攻撃とは、手にした武器を用いて、自分の前面マスに隣接している敵にダメージを与えようとする行動を指します。敵にダメージを与えるためには、まず攻撃が命中しなければなりません。攻撃が命中したら、武器の能力にしたがっていくらかのダメージを与えられます。攻撃されたキャラクターはダメージを受けた分だけHPが減少し、HPが0になると死亡します。
 直接攻撃は、キャラクターの移動力の1/3(端数切捨)の戦闘移動力の範囲内で移動してから行うことができます。移動を終えた時点で、自分の前面マスにいる敵を1体指定して攻撃を行ってください。
 装備している武器によっては、少し離れた位置にいる敵に攻撃を行うこともできます。武器の種別が近接であれば近接の範囲の敵までしか攻撃できませんが、中距離であれば近接の範囲の敵に加えて、中距離の敵にも攻撃することができます。


 
 これは間のマスにいる別のキャラクターがいてもかまいません。そのため密集した戦闘でも後方から攻撃に参加できるため、とても有用です。
 PCの命中欄には、相手のACによる命中率が算出されていると思います。プレイヤーはD100を振り、ACが幾つ以上なら命中するかをGMに宣言します。GMは、攻撃が命中したかどうかの結果をプレイヤーに知らせます。
 敵の側面マスや背面マスから攻撃した場合、攻撃が命中しやすくなります。側面からの攻撃の場合は命中補正に+10%、背面からの攻撃の場合は命中補正に+20%となります。つまり、敵のACが2ないしは4上がった状態として扱います。
 命中率にかかわらず、D100での出目5以下は絶対命中、また出目96以上は絶対失敗となります。また、出目が攻撃者のキャラクターレベル以下であった場合、その攻撃はパワーヒットとなります。ただし、パワーヒット率の上限は10%までとします。11レベル以上となっても、パワーヒット率が10%を超えることはありません。なお、出目が96以上の絶対失敗をした場合、その攻撃はファンブルとなります。ファンブルした場合、例え複数回の攻撃を行えても、そのラウンドにおける以後の攻撃はすべて自動的に失敗となります(ただし、両手にそれぞれ主武器と補武器を装備している場合は、ファンブルしていない側の持ち手で攻撃することは可能です)。
 攻撃が命中したら、ダメージを算出します。与えるダメージは、武器によるダメージにダメージ補正を加えたものです。ダメージ補正は【体力】によるものと、技能によるものの合計となります。
 技能レベルが高くなると、1ラウンドに複数回の攻撃が行うことができるようになります。この場合、自分の(【敏捷】による)行動順番に、すべての攻撃をまとめておこないます。これらの攻撃はすべて同一目標に対して行います。複数の目標に対して攻撃することはできません(ただし、両手にそれぞれ主武器と補武器を装備している場合は、それぞれの持ち手で別々の目標への攻撃は可能です)。
 複数回攻撃も、上記とまったく同じルールで解決します。同一目標を攻撃するので、命中率は全て同じとなります。攻撃回数だけD100を振り、何回命中したかをGMに確認してもらいます。命中する度ごとにダメージを計算し、その合計値が与えるダメージとなります。
 パワーヒットの場合、与えるダメージが2倍となります。通常ダメージを求めて(補正値も加える)、それを単純に2倍してください。
 「斬り術」技能を習得している侍、修道僧、忍者の3クラスは致死攻撃を与える可能性があります。命中判定で「斬り術」技能レベル*2%以下の出目を出した場合、敵は即死します(ごく稀に、「斬り術」で殺せないモンスターが存在するともいわれていますが……)。「斬り術」の致死攻撃で死なない(または抵抗に成功して死ななかった)モンスターは、通常の攻撃命中としてダメージを算出します(パワーヒット率以下の出目での命中であったなら、通常のパワーヒットとして算出します)。
 ダメージを受けたら、そのポイント分だけHPを減少させます。HPが0以下になった場合、そのキャラクターは死亡します。

◇シールドブロック◇

 楯を装備している場合、その楯を使用して敵の攻撃をブロックすることが可能です。ただし、シールドブロックが行えるのは正面、もしくは楯を装備した腕側の側面からの攻撃のみです。
 シールドブロック判定は、(【敏捷】*2)+(「楯」技能レベル*5)%+楯の防御補正(AC*5%)の値を目標値に、D100を行います。成功した場合は、受けた攻撃のダメージは半減します(端数切捨て)。また、「斬り術」などによる致死攻撃や、毒、麻痺、石化などの状態異常攻撃、エナジードレインなどの特殊攻撃の効果を無効化することができます。
 攻撃と同じく「楯」技能のレベルが高くなると、1ラウンドに複数回のシールドブロックが行えるようになります。

 特殊な状況として、忍者や修道僧が楯を装備した状態で、素手攻撃の足による攻撃を行った場合、足は両手武器扱いとなるために、そのラウンド中はシールドブロックを行えません。ただし、装備している楯のACは通常通りに適用されます。

◇シールドブロックによる楯の破損◇ (選択ルール)

 シールドブロックは、「斬り術」などによる致死攻撃や巨人属や竜属などの強力な攻撃も止めることができます。ただし、そのような強烈な打撃を受けることによって、楯は破損していきます。
 具体的には、致死攻撃や一部のモンスターの持つ楯破壊効果のある特殊攻撃をシールドブロックで止めた場合、その楯のACが1上昇します。この破損によって楯のAC値が0以上になってしまった場合、その楯は完全に失われます。
 完全に破損してしまわない限り、楯の破損は街の商店や工房に持ち込むことによって修理することができます。楯の修繕には定価に対して、上昇してしまったAC値*5%の修理費が掛かります。

2−3.射撃

 射撃とは、弓矢や投石具、投擲による遠隔攻撃を意味します。
 射撃による攻撃も、基本的には通常の武器による攻撃と変わりはありません。異なる点としては、隣接している敵だけでなく戦闘シート上の敵すべてに対して攻撃可能である、命中率の補正に【体力】ではなく【敏捷】を使用する、【体力】のダメージ補正が適用されないといった点が挙げられます。命中率やパワーヒット率の算出、攻撃回数については直接攻撃に準じます。
 また、直接攻撃とは異なり、弓矢や投石具の攻撃は矢弾を消費するため、武器を装備する利腕に対して、逆腕は射撃後に次弾を装填するために矢弾を装備することになります。

 また、移動射撃の能力を備えた弓使い、修道僧、忍者の3クラスは戦闘移動後に射撃を行うことができます。
 移動射撃は、キャラクターの移動力の1/3(端数切捨)の戦闘移動力の範囲内で移動してから行うことができます。移動を終えた時点で、自分の前面マスにいる敵を1体指定して攻撃を行ってください。

◇火器の射撃◇ (選択ルール)

 火器とは、混迷期になってから開発された火薬を使用して弾丸を発射する強力な射撃武器です。現在この世界では、弾薬の装填の方式によって単装式銃と連装式銃という2タイプの銃が存在します。その射撃には、それぞれ専用の弾薬が必要となります。
 単装式銃は、あまり洗練されていない火器で、1発の弾薬しか装填することができません。そのため、他の射撃武器と同じように銃を装備する利腕に対して、逆腕は射撃後に次弾を装填するために弾薬を装備することになります。
 一方、連装式銃は多数の弾薬を同時に装填できる新型の火器で、あらかじめ所定の回数分の弾薬を装填しておくことが可能です。それによって、装填されている弾を撃ち尽くすまで連射が可能です(例えば、6発まで装填可能な連装銃であれば、1ラウンド目に3発射撃し、再装填することなく2ラウンド目に3発射撃することが可能です)。
 そのため、あらかじめ銃に弾薬を装填しておけば、逆腕に弾薬を装備せずに攻撃することも可能です。しかし、撃った分の弾薬を射撃後に再装填するには、どちらかの手を空けて弾薬を装備する必要があります。

 火器は非常にデリケートな武器です。そのため、事故率という値が設けられています。例えば事故率10%の場合、攻撃の際に91以上の出目ならば弾詰まりを起こして不発となります。不発となった場合は、戦闘終了後に手入れを行うまでその銃は使用することができなくなります。
 不発弾が詰まり使用できなくなった銃は、戦闘終了後に「機械学」判定に成功すれば、再び使用できるようになります。

◇矢弾の回収◇ (選択ルール)

 戦闘終了後、その戦闘で射撃によって射出された矢弾や投擲された武器を回収することができます。ただし、射撃に使用された矢弾、武器は50%の確率でダメになるか、失われます。なお、火器によって使用された弾薬は回収することはできません。

2−4.魔法

 魔法のルールに関しては別項「魔法」を参照してください。

2−5.ディスペル (解呪)

 この世界には、死者の骸を動かし、意のままに操る邪法が存在しています。また、生前の強い妄執から、成仏できずに元の体に留まり、生者を襲うこともあります。このように甦った死者をアンデッド・モンスター(不死属の怪物)と呼びます。
 アンデッドにもHPがありますので、通常の攻撃手段によって倒すことができます。しかし、神の力を行使する「法術」の使い手は、このアンデッドを動かしている邪法や、怨念の力を解き放ち、もとの死体に還す法力を持ちます。ディスペル能力を持つのは、僧侶、君主、闇騎士、戦乙女、聖、司教、妖術師、全能者の8クラスです。
 ディスペルを行うためには、相手のモンスターを特定する必要があります。つまり、ディスペルを試みるモンスターの名称がはっきりと判っていなければなりません。
 相手の正確な名称を知るためには、遭遇時に「神秘学」技能の判定に成功して、相手のモンスターの正体を見極める必要があります。遭遇時に「神秘学」判定に失敗した場合は、モンスターの正確な名称を確認することはできません。
 ディスペルの判定は、(【敬虔】*3)+(「法術」技能レベル*5)%を目標値に、D100を行います。実際には、強力なアンデッドほど解呪は難しくなり、解呪抵抗率というペナルティがつきます。目標値から解呪抵抗率を差し引き、それ以下の出目が出た場合、解呪は成功します。
 ディスペルが成功した場合、術者は1D6を行い、解呪に成功した対象数を決めます。ディスペルは特定のモンスターだけでなく、戦闘シート上にいる同種類のアンデッド全てに有効なのです。具体的にどのアンデッドがディスペルされたかはGMが決定してください。
 アンデッドの敵の種類が複数である場合には、あらかじめどの種類のモンスターをディスペルするのかを指定する必要があります。
 ディスペルで倒した場合も、通常どおりの経験点が入手できます。
 ディスペルは、相手の名称さえわかっていれば、ラウンド毎ごとに何回でも行うことができます。ただし、同じ種類のモンスターに対してディスペルを行う場合、2回目以降は解呪抵抗率が5%ずつ上昇していきます。つまり、ディスペルを受けるごとにモンスターの解呪抵抗率が上昇するということです。この抵抗率の上昇は、違う術者がディスペルを行った場合でも累積します。

2−6.防御姿勢

 防御姿勢をとっているキャラクターは、敵からの攻撃が命中しにくくなります。防御姿勢をとっているキャラクターはACが4低下したのと同じ効果があります。また、シールドブロックの判定に+20%の補正がつきます。ただし、魔法やブレス攻撃にはまったく効果がありません。

2−7.場所の交代

 隣接している味方キャラクターと立っているポジションを交代します。「睡眠」「金縛」「麻痺」「石化」などの状態異常によって行動不能となったキャラクターを庇うときなどに使用されます。
 交代を行う場合、どちらか【敏捷】の高いキャラクターの行動順に行われます。交代を行ったラウンドは他に一切の行動が取れません。

2−8.隠れる

 「忍術」技能を習得できる、盗賊、弓使い、吟遊詩人、修道僧、忍者の5クラスが行える行動です。壁際や物陰などの障害物に身を潜め、姿を隠します。隠れているキャラクターは、発見されるまで敵からの攻撃対象に指定されることはありません。
 自分の行動順に、「忍術」判定を行い、成功したら隠れることができます。ただし、隠れるためには壁などの障害物に隣接していなくてはなりません。隠れることに成功したキャラクターは戦闘シートの外のマスにいると表現されます。
 以後、毎ラウンド、ラウンドの最初に「忍術」判定を行い、成功し続ける限り、そのキャラクターは隠れていることを維持できます。
 隠れることに失敗した場合、そのラウンドにおけるそのキャラクターの行動は終了してしまいます。ただし、すでに隠れていて維持の判定に失敗した場合、そのラウンドは自由に行動を選択することができます。
 隠れているキャラクターは、隠れたまま移動を行うことができます。移動時に「忍術」判定を行い、成功した場合は効果を持続したまま移動できます。失敗した場合は、戦闘シート上に出現してしまいます。
 隠れている状態では、移動以外の行動をとることはできません。もちろん、ラウンドの開始時に自分の意志で姿を現すこともできます。
 また範囲魔法やブレス攻撃によってダメージを受けた場合も、隠れていた効果は打ち消されてしまいます。

2−9.奇襲攻撃

 「忍術」技能によって隠れた状態からの攻撃を意味します。
 奇襲攻撃を行った場合、その攻撃すべての命中がパワーヒット扱い(ダメージ2倍)となります。奇襲攻撃の成功、失敗に関わらず、攻撃した時点で「隠れる」の効果は消失します。

2−10.看破

 「探索」技能によって「忍術」技能を使用して隠れた状態にある敵を見つけることができます。ただし、看破時の「探索」判定には、隠れた側の「忍術」技能の補正値がペナルティとして付きます。
 看破に成功した場合、その隠れていた敵の位置を他の仲間に指示することができます。まだ未行動であった仲間はその看破された敵を攻撃することが可能となります。看破したキャラクターが看破された敵を直接的に攻撃することはできません。

2−11.装備の変更

 手に持った武器や防具を持ち替えます。両手に装備したものを同時に交換することができます。例えば弓矢を装備している状態から、すぐに武器と楯を構えることができます。このようにして交換できるのは武器と楯だけで、楯以外の防具を戦闘中に変えることはできません。魔法の薬品(ポーション)や魔法の巻物(スクロール)を戦闘中に使用する場合も、どちらかの手を使用しておこないます。
 また、地面に落ちているアイテムを拾う場合もこの行動となります。キャラクターが立っているマスもしくは隣接しているマスに落ちているアイテムを、1ラウンドにひとつ拾うことができます。もちろんどちらかの手が空いていなければ、物を拾うことはできません。
 この行動のみ、通常移動の開始前、もしくは通常移動の途中に行うことができます。

2−12.アイテム使用

 手に持ったアイテムを使用します。例としては、魔法の巻物(スクロール)に込められた呪文を解放する、魔法の薬品(ポーション)を服用するなどがあります。また、吟遊詩人のみが扱える魔法の楽器に込められた呪文効果を解放するのもこの行動に当たります。

◇魔法の薬品の使用◇

 主に法術の回復魔法と同じ効果を持った魔法の薬品です。口に入れるだけで効果を発揮します。

◇魔法の巻物の使用◇

 魔法を習得していない者でも、一度だけ魔法が使えるように呪文の封じ込められた巻物です。魔法の巻物は魔法文字で記されており、封じられた呪文を解放するには「書術」技能を習得している必要があります。
 魔法の巻物に込められた呪文を使用する場合、習得している「書術」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「書術」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「書術」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する巻物の魔法レベルと自身の「書術」技能レベルの差1レベルごとに−5%の補正を受けます。

例)「書術」技能3レベルの者が魔法5レベルの呪文が封じられた魔法の巻物を使用する場合

 魔法レベル:5 − 「書術」技能レベル:3 = レベル差:2 * 補正:−5% = 判定の補正:−10%

 成功した場合、呪文が発動して、巻物は燃え尽きます。失敗した場合、呪文は発動せず、巻物もまた破損することはありません。

◇魔法の物品の使用◇

 魔法を習得していない者でも、魔法が使えるように呪文の封じ込められた物品(杖や指輪など)からその魔法の力を解放します。魔法の物品に封じられた呪文を解放するには「工芸学」技能を習得している必要があります。
 魔法の物品に込められた呪文を使用する場合、習得している「工芸学」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「工芸学」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「工芸学」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する物品の魔法レベルと自身の「工芸学」技能レベルの差1レベルごとに−5%の補正を受けます。

例)「工芸学」技能3レベルの者が魔法5レベルの呪文が封じられた魔法の杖を使用する場合

 魔法レベル:5 − 「工芸学」技能レベル:3 = レベル差:2 * 補正:−5% = 判定の補正:−10%

 成功した場合、呪文が発動して、魔法の杖が破損したか破損判定を行います(個別に設定されている破損率を目標値にして破損判定を行います)。失敗した場合、呪文は発動せず、魔法の杖もまた破損することはありません。

◇楽器の使用◇

 吟遊詩人は魔法の楽器を演奏することによって、楽器に封じられた呪文を解放することができます。楽器に封じられた呪文を解放するには「音楽」技能を習得している必要があります。
 楽器に封じられた呪文を使用する場合、習得している「音楽」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「音楽」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「音楽」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用する楽器の魔法レベルと自身の「音楽」技能レベルの差1レベルごとに−5%の補正を受けます。

例)「音楽」技能3レベルの吟遊詩人が魔法5レベルの呪文が封じられた楽器を使用する場合

 魔法レベル:5 − 「音楽」技能レベル:3 = レベル差:2 * 補正:−5% = 判定の補正:−10%

 成功した場合、呪文が発動します。失敗した場合、呪文は発動せず、楽器もまた破損することはありません。

◇ガジェットの使用◇ (選択ルール)

 ガジェットとは、小型の魔法機器の総称です。ガジェットを操作すると、何らかの機械的な機構によって、特定の呪文と同等の効果を起こすことができます。ガジェットに封じられた呪文を解放するには「機械学」技能を習得している必要があります。
 ガジェットに封じられた呪文を使用する場合、習得している「機械学」技能レベル以下の呪文は自由に使用することができます。もし、習得している「機械学」技能レベルを上回る魔法レベルの呪文を使用する場合、「機械学」技能を目標値にして判定をします。その場合、使用するガジェットの魔法レベルと自身の「機械学」技能レベルの差1レベルごとに−5%の補正を受けます。

例)「機械」技能3レベルの者が魔法5レベルの呪文が封じられたガジェットを使用する場合

 魔法レベル:5 − 「機械学」技能レベル:3 = レベル差:2 * 補正:−5% = 判定の補正:−10%

 成功した場合、ガジェットに封じられた呪文が発動します。失敗した場合、呪文は発動せず、ガジェットもまた破損することはありません。

2−13.体勢の回復

 転倒状態はきわめて危険な状態です。転倒状態では、移動力は常に1となり、ACが4上がります。また、転倒状態での命中判定には−20%の補正を受けます。
 立ち上がって体勢を立て直すことによって、転倒状態から回復することができます。ただし、そのラウンド中に他の行動を取ることは一切できません。

3.特殊能力

 主にモンスターですが、特殊な攻撃や移動が行えるものが存在します。また、プレイヤーとして選択できる種族のなかにも、同様の能力をもつものがいます。

3−1.毒、麻痺、石化攻撃

 これらは、通常の攻撃と同様に処理します。ただし、攻撃が命中した後に、通常のダメージのほかに、特殊な効果が発生します。ダメージを受けた対象は(【生命力】*4)%を目標値にD100の抵抗判定を行います。失敗した場合、「毒」「麻痺」「石化」などの効果を受けます。成功時は、それらの特殊効果は受けません。複数回攻撃できるモンスターに攻撃を受けた場合、命中した攻撃回数分の抵抗判定を行います。
 これら状態異常をもたらす攻撃には、強度レベルが設定されています。強度レベルごとに、抵抗判定に−5%の補正が付きます。
 「毒」を受けたキャラクターは、1ラウンド毎に強度レベルと同じ値のダメージを受けます。
 「麻痺」「石化」したキャラクターは、一切の行動ができなくなります。移動もできなくなりますから、他のキャラクターが運んでやる必要があります。麻痺や石化したキャラクターに対しての攻撃は、命中率+20%(つまり、AC+4と同じ)、ダメージ2倍となります。また、魔法やブレスに対しての抵抗が行えなくなります。
 モンスターによっては、これらの特殊攻撃を併せ持っているものも存在します。そういう場合は、個々の効果に対して抵抗判定を行います。例えば、毒攻撃と麻痺攻撃の両方の効果を持つモンスターの攻撃が命中した場合、「毒」と「麻痺」の抵抗判定をそれぞれ行います。

◇状態異常強度レベル表◇

強度レベル 抵抗補正
−5%
−10%
−15%
−20%
−25%
−30%
−35%

3−2.エナジードレイン (HP吸収)

 エナジードレイン能力をもつモンスターの攻撃が命中した場合、その対象となったキャラクターは(【幸運】*3)%を目標値にD100で抵抗判定を行います。失敗した場合、最大HPが低下します。どれくらい最大HPが低下するかは、それぞれのモンスターによって決まります。この攻撃のよって最大HPが0以下となったキャラクターは「消滅」します。

3−3.ブレス攻撃

 ドラゴネオや一部のモンスターには、毒ガスや火炎、冷気などの息吹を吐くものがいます。これは範囲魔法と同様に扱います。ただし、効果範囲は必ずそのモンスターに隣接したマスからとなります。また、レジストには【幸運】を使用します。
 効果は、ブレスを吐いたもののHPの半分(端数切捨て)がダメージとなります。抵抗は(【幸運】*4)%を目標値にD100で判定し、成功した場合はダメージを半減できます。モンスターによっては、さらに「毒」や「麻痺」などの追加効果のあるブレスを吐くものがいます。
 ブレスの効果範囲はモンスターのレベルによって変わります。

◇ブレス効果範囲表◇

レベル 効果範囲
1〜2 1*2
3〜4 1*3
5〜6 1*4
7〜8 1*5
9〜10 2*3
11〜12 2*4
13〜14 2*5
15〜16 3*4
17〜18 3*5
19〜20 3*6
21〜 4*5

3−4.致死攻撃

 侍や忍者などの「斬り術」技能と同じで、相手を即死させる能力をもちます。それぞれの致死攻撃率以下の出目で攻撃が命中した場合、対象を即死させることができます。致死攻撃を受けたものは、(【幸運】*1)%を目標値に抵抗判定を行い、失敗した場合は即死します。成功した場合は通常の攻撃命中として扱い、ダメージを決定します。

3−5.飛行

 飛行できるモンスターはすでに他のキャラクターがいるマスに進入することができます。この場合、そのキャラクターの上に滞空しているものと見なします。滞空を行ったまま攻撃を行ったり、魔法を唱えたり、ブレス攻撃を行うことも可能です。自分がいるマスの真下にいる目標を攻撃することも可能です。滞空しているモンスターに対する攻撃は通常と同じように処理します。

3−6.聖戦士化

 狂戦士独自の特殊能力です。狂戦士は戦闘ラウンドの最初に聖戦士化宣言を行うことができ、聖戦士となった場合、その戦闘の間、攻撃時の命中補正が25%上昇し、さらに現在AC−5、魔法無効化+50%の特典を得られます(魔法による補正と同等効果とみなします)。ただし、聖戦士化している間は、その負荷によって毎戦闘ラウンドの最後に最大HPの10%(端数切り上げ)のダメージを自動的に受けます。
 聖戦士化の解除は、毎ラウンド最後の自動ダメージの処理後に任意に行うことができます。また、戦闘終了後には自動的に解除されます。

4.特殊な状況での戦闘

 特殊な状況での戦闘について説明します。以下のルールはあくまでも目安であり、GMは状況に即して適宜に判断してください。

4−1.水地

 膝以上の水位のある場所で戦闘した場合、その水位によってさまざまな影響を受けます。

◇水中戦闘補正表◇

水位 命中補正 AC補正 転倒判定 備考
膝まで −10% +2 1マス移動につき移動力2必要。
腰まで −20% +4 −10% 1マス移動につき移動力3必要。
胸まで −30% +6 −20% 移動時は常に1マスのみ。射撃不可。
首まで ―― ―― −30% 戦闘不可。

 膝以上の水位の場所で戦闘を行い、移動する場合は、移動ごとに【敏捷】*5を目標値にD100を振り、転倒判定を行います。失敗した場合は、その場で転倒します。
 胸以上の水位の場所で転倒した場合、【幸運】*5を目標値にD100を振り、溺れたかの判定を行います。判定に成功した場合はとっさに息を止められたために特に影響を受けませんが、判定に失敗した場合は溺れてしまい、最大HPの10%のダメージを受けます。転倒したキャラクターは、毎ラウンドの最初に転倒判定を行い、成功すれば立ち上がることができます。

4−2.暗闇

 暗闇の状況下での戦闘では、光源の強さによって受ける影響が異なります。

◇暗闇戦闘補正表◇

光源 命中補正 AC補正 備考
月明かり −10% +2 モンスターの識別判定−10%
星明かり −20% +4 モンスターの識別判定−20%
完全な闇 −40% +8 モンスターの識別判定不可。移動時は常に1マスのみ。射撃、魔法の使用不可。

4−3.騎乗戦闘

 騎乗用に訓練された騎獣に騎乗して戦闘する場合、騎手が攻撃や移動などの戦闘行動を行うたびに「騎乗」技能判定を行います。最低でも片手に手綱を握っていれば、判定に補正がつくことはありません。ただし、両手に武器を持ったり、射撃などを行う場合は、両手を使わずに騎獣をコントロールする必要があります。その場合、「騎乗」技能判定に−20%の補正がつきます。「騎乗」技能判定に失敗した場合は、その騎獣から転落します。落下によってはダメージを受けませんが、転倒状態となります。
 騎乗中は、騎獣の移動力を使用して移動します。騎獣にも攻撃させる場合は戦闘移動力内での移動となりますが、騎手のみが攻撃をする場合は移動力すべてを使用して移動することができます。

 


前のページへ

次のページへ