Topぺーじ    五十野惇の 制作あとがき 
 (このページを別ウィンドウで開く)       毎月のパピーちゃん絵本 売店

解説:西本鶏介先生(昭和女子大学名誉教授・評論家・作家)

のおはなし
お月見


解説
西本鶏介先生
児童文学評論家・作家



創刊:1987(昭和62)年
























月に人間が行く時代であっても、
月に豊作を祈 る祖先の心を学び、
うさぎのもちつきを想像でき る感受性を
幼児のうちから育ててあげたいもので す。

そんな願いをこめて、
お月見の楽しさを
幼児の 気持ちにそくして描いたお話です。
 
一年に一度のお月見。
すすきもおだんごもお供 えしたのに、

空は雲ばかり。
もし、お月さまがでな かったら

どうしようと思っていたら
雲がとばされ、 空が晴れました。

パピーちゃんの心は
早くもお月 様のことでいっぱい。 


ところが、森のうえからとび だした補虫網。
あわてかけていったら、
お月さまを つかまえて

食べようと待ちかまえる リスのリーくん。

お月さまなんか食べられないのにと、
ちょっぴ リ優越感を持つパピーちゃん。
でも、パパとママの持ってきてくれた
おだんごや おいもを食べながら
お月さまを見ていると、
おいし いおせんべいに思えてくるから
不思議です。


人のこ とを笑っていても、
自分だって同じようなもの。

そ れに気づくパピーちゃんの姿を通して、
思いやりの 大切さまでも、
さりげなく、ユーモラスに描かれ、
い つもは何気なく眺めているお月様を
身近な存在にし てくれます。

それにしても、すすきの原っぱで、
お供えものを いただ〈
パピーちゃんとリーくんの
うれしそうな 顔。


お月さまの ありがたさと
自然の恵みに対する

感 謝の気持ちまでが、
ほのばのと伝わってくるようで す。

児童文学評論家・作家  西本鶏介

毎月のちいさいパピーちゃん絵本 売店

3月 / 4月 / 5月 9月 / 10月 / 11月 12月 / 1月 / 2月
   
Topぺーじ   このページの始めにもどる