あれこれ(その3) |
爪切りへの長い道(後編) 気になる? 学習とダッシュ 捕獲作戦 |
飼育中のできごとや、思いついたことをあれこれと書いていこうと思います。間違いや、悪影響を与えそうなことがありましたら、遠慮なくご指摘下さい( owlish@msj.biglobe.ne.jp まで)。 |
11.爪切りへの長い道(後編) (2003.09.09) |
(前回からの続き)
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12.気になる? (2003.12.01) |
普段から私たちはジェフくんの様子を観察しているわけですが、ジェフくんの方もこちらをよく観察しています。同じ部屋にいる時はもちろんのこと、隣の部屋にいる私たちを網越しにじっと観察していることもしょっちゅうです。今回はその、ジェフくんの人間観察のお話です。 正直なところ、私自身はジェフくんと同種の他の個体を見分けることができるかどうか、かなり自信がないのですが、ジェフくんの方は私の顔と妻の顔をきっちり識別しています。フクロウにしてみれば、人間の顔などみんな同じように見えてもおかしくないように思うのですが、なかなか大した観察力です。 しかし、ジェフくんは決して人の顔だけを見ているわけではなく、服装の違いなども気にします。例えば私のスーツ姿などは、いい加減見慣れたはずなのですが、いまだに警戒されてしまいます(涙)。薄い色よりも濃い色のものに対してより強い警戒を示すのは何となくわかるのですが、茶色系統よりも紺色系統をより気にするのが面白いところです。 そんなジェフくんの一番のお気に入り(?)は、なぜか人間の足です。手には(餌の時以外は)警戒を示すのに対して、足の方は好奇心むき出しで一生懸命観察します。先日、ジェフくんの部屋に妻が入ってきた時などは、まず足をじっと見て、それから少しずつ上の方へ視線を移していくという、ユニークな行動を見せてくれました。また、足の指を動かして見せたりすると、もう目が釘付けです。顔からかなり離れたところで動く様子が、まるで別の生き物のように思えるのかもしれません。 ところで、我が家の人間は基本的にジェフくんの前では裸足で過ごしています。以前はスリッパをはいたりもしていたのですが、ジェフくんがあまりにも好奇心を示した挙げ句、隙を見て奪い去ろうとしてややこしいことになったため、スリッパは引退することになりました。もちろん、夏はまったく問題ないのですが、寒くなってくると裸足は辛いものがあります。そこで、スリッパよりはましだろうと、靴下をはくことにしているのですが、案の定、ジェフくんの注目を浴びることになります(この事件とは関係ないと思うのですが……)。 そんなわけで先日、妻が今年初めて靴下(しかも目立つ白色)をはいて餌やりに臨んだ時のこと。最初はいつものように餌だけに集中していたジェフくんですが、ある程度食べて周囲の様子を見る余裕が出てくると、妻のはいた靴下が目に入りました。やはり予想通り、餌はそっちのけで妻の足をじっと観察しています……のはずが、なぜか急に私の方を振り返りました。そのままジェフくんは私の足(裸足)をしげしげと見つめて、しばらくするとまた妻の足を観察し始めます。どうやら、靴下をはいた妻の足を不審に思って、二人の足を見比べて確認していたようです。「こっち(妻の足)は何だかおかしいぞ。こっち(私の足)が普通のはずなんだけどなあ」という感じで……。 まるで間違い探しのような行動に、笑いをこらえるのが大変でしたが、やがてジェフくんは何となく納得した様子で、いつものように食事に戻りました。 その後は靴下を見ても、相変わらず気にはなるようですが、特におかしな行動は見せていません。やはり先日の“間違い探し”は、春から秋の間にすっかり忘れていた靴下を、突然目にして慌てたものの、じっくり観察しているうちに思い出した、ということなのでしょうか。そう考えると、来年の冬には一体どんな行動を見せてくれるのか、今からとても楽しみです。 |
13.学習とダッシュ (2004.02.13) |
こちらにも書いたように、ジェフくんに餌をあげる時には、妻と二人で交互に腕に呼んでいます。イメージとしては、こんな感じ(はたのさんの「放鷹道楽」より)です。ここで正式には、腕に飛んできた鳥に餌をあげた後、また元の方向に戻りやすいように人間がぐるっと回ってあげる必要があると思うのですが、我が家では横着して、ジェフくんに自力で方向転換してもらいます。腕の上でのそのそと、しかし器用に向きを変えるジェフくんの姿は、なかなかかわいらしいものです。 しかし、いつの頃からか、やや様子が変わってきました。実は、部屋の両端にジェフくんのお気に入りポイントがあり、私と妻はその間に立ってジェフくんを腕に呼ぶ状態なのですが、2回に1回くらいの割合で、餌をもらったジェフくんが腕の上で方向転換せずにそのまま目の前のお気に入りポイントへと飛んでいき、そこで方向転換するようになったのです。 私と妻のどちらが次に呼ぶかはだいたいわかっていますし、腕の上よりは安定しているせいか、ジェフくんにもどことなく余裕があり、しっかりと次の準備を整えています(もちろん、お腹がいっぱいになってくると注意力散漫になるのですが、これは腕の上でも同じです)。
まずは私が呼ぶ場合。
一方、妻が呼ぶ場合。
1)餌入れ(計量カップ)を手に取り、ピンセットで餌をつまむ 2)餌入れを体重計の上に置く(分量を把握できるように) 3)左腕を構える ジェフくんとしては、上の2)と3)の間、妻が体重計の上に置いた餌入れから手を離した瞬間が勝負のようです。妻が餌入れを置こうとしている時にはすでに、止まり木の上でスキーのジャンプの選手(スタート時)のように前かがみになって、一生懸命に餌入れと妻の手を見つめています(直接見えにくい場所にいる時には、背伸びをして見ようとすることもあります)。そして、妻の手が餌入れから離れた瞬間、おもむろにスタートダッシュ。 時々妻の意図しないフェイントに引っかかり、止まり木からずっこけそうになっているのはご愛敬ですが、このタイミングだったら大丈夫、という、これまた信頼関係といっていいでしょう。 私と妻との間で反応に差があるのが釈然としないところですが、色々な行動を見せてくれる餌やりタイムは、やはりとても楽しいものです。 |
14.捕獲作戦 (2004.06.11) |
またまたやってきました爪切りの季節。前回まではお店にお願いしていたのですが、今回は何とか自力でやってみるべく、爪切りやヤスリなども用意し、準備万端……のはずだったのですが。 個体によっては、よそ見している隙にすばやく爪を切るという離れ技も不可能ではないようですが、こちらにも書いたように、目隠しと保定を兼ねて布(濃い色の方がいいと思います)で包み込んで押さえてやるのが一般的だと思います。しかし、我が家のジェフくんはかなり逃げ足が早く、不穏な気配をすぐに察知して飛び去ってしまうため、爪切りの作業そのものよりも前段階の方がはるかに困難なのです。かくして、ジェフくん捕獲作戦が開始されました。 布を手にして近づくだけで警戒を始めるジェフくんのことですから、いきなり布をかぶせるのは不可能。やはり一旦段ボール箱に入れて、逃げ場がない状態にしてから包んでしまう、というのがうまくいきそうです。このあたりの顛末をお読みになった方はおわかりのように、この箱入れがまず一苦労なのですが、幸いにも前回、靴下のトラップが非常にうまくいったので、今回はかなり余裕の心境でした。 しかし。ジェフくんの記憶力を甘く見すぎていたのか。靴下に興味は示すものの、ジェフくんは一向に近づこうとしません。前回と同じく隣の部屋でしばらく待機していたのですが、結局はそのまま不発に終わってしまいました。 ティッシュや餌で誘い込む方法もすでに失敗ずみ。新たなトラップも考えつかないので、仕方なく原点に戻り、部屋を暗くしておもむろに箱をかぶせるというやり方に挑戦しました。部屋の明かりを消すと、ジェフくんは例によってパニック気味で飛び回ります。が、しばらく様子を見ていると、最終的にどの場所に落ち着くかがだいたいわかってきます。そこで、見当をつけて一気に箱をかぶせました。ジェフくんは暴れましたが、慎重に蓋を閉じて、箱入れは何とか成功しました。閉じ込められたジェフくんは、ショックを受けたというよりは思い切り怒っている様子で、こちらとしても一安心。次は布で包む段階に移ります。 イメージとしては、やはり暗い中で箱の蓋を少しだけ開けて手を突っ込み、手探りで逃げられないように包み込むという手順。しかし、実際にやってみるとなかなか難しい。ジェフくんがどこにいるのかよくわからないので、妻に懐中電灯で照らしてもらったりしながら、何とか押さえようと奮闘したものの、もたもたしているうちに隙間から脱走されてしまいました。その日は私の気力が尽きてダウン。翌週あらためて挑戦したのですが、またしても同じところで失敗する羽目に。 これはダメだということで、妻と二人で頭をひねった末に、布を袋状に仕立てることにしました。しかも、箱に突っ込みやすく、また隙間ができないようにするために、袋の口の部分に針金で枠を作ってみました。ここまでやれば、絶対にうまくいくはず。 失敗を繰り返したおかげで(苦笑)、すっかり箱入れには慣れました。今回などは、部屋の明かりを消してから5秒で箱入れが完了。難関へ向けて、幸先のいいスタートです。しばらく(ジェフくんと私の)心を落ち着けてから、いよいよ袋詰めに挑戦します。 前回までと同じように、隙間から逃げ出そうとして突っ込んでくるかと思いきや、様子が違うことに気づいたのか、ジェフくんは箱の奥へと逃げていきます。しかし逃げ場はなく、ジェフくんはそのまま袋の中へ。口の部分を閉じて、見事に捕獲成功です。少し暴れたジェフくんですが、やがておとなしくなったところを見計らって、羽根が折れないように注意しながらしっかりと押さえます。くちばしの位置を確認してハサミで空気穴を開け、邪魔な枠は取っ払って、ようやく保定も完了。その後の爪切りは、まったく問題なくスムーズに終わりました。 今回の騒動で経験を積んだので、次回はもうバッチリ……と思いたいところですが、油断はできません。次は一体何が起こることやら。 |
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