側輪ブレーキ

活発に走る時の必需品


 側車輪ブレーキは通常は本車後輪と連動させますが、前輪と連動させる物もあります。
前輪と連動させた場合にはハンドブレーキがメインのブレーキで、フットブレーキは補助的な物になります。
どちらが良いという事は一概には言えませんが、私の場合はサイドカーに乗り初めの頃は前輪と連動した方が運転しやすいのではないかと考えておりましたが、現在では後輪と連動の方が自分には向いているように思っています。

ST1100サイドカーは後輪と連動させる物でフットブレーキを掛けると少し側車側に寄り、ハンドブレーキをかけると少し本車側に寄り、どちらも掛けると真直ぐ停まります。
側車側コーナーではコーナーのすぐ手前までフットブレーキを残しておいて車体を側車側に寄せ、本車側コーナーでは逆にハンドブレーキを残します。
側車側と本車側とブレーキを使い分ける事ができるという点では、後輪連動の方が微妙なコントロールがし易いのではないかと思います。

 
側輪ブレーキ

前方(左方)はベルクランクの
アームとダンパー

 

キャリパーは小型車の物
と同程度

パッド寿命はほぼ3万km

 

側輪ブレーキの必要性 

 サイドカーの総重量は乗員1名の場合およそ420sですが、側車輪の軸重は60s程度に過ぎず総重量の86%以上が本車前後輪の軸重です。
従がって単純に考えても側輪ブレーキがあったとしても全制動力の約86%は本車側で発生させるわけです。
この事から側輪ブレーキのないCBX750FBサイドカーに乗り初めの頃は側輪ブレーキはさほど必要ないのではないかと考えていました。
ところが実際に側輪ブレーキのないサイドカーに乗ってみて、制動距離がかなり伸びてしまう事が判明しました。

 側輪ブレーキのないサイドカーで急制動を掛けると側車にはブレーキが付いていませんから側車が前に投げ出されてしまうような感じになり、そのまま本車ブレーキを掛け続けると本車側に回転しそうになります。
これではまずい、という事でイヤでも本車側ブレーキを緩めなければならず、これによって制動距離が伸びるという訳です。

つまり側車輪ブレーキは確かに制動力自体は全制動力の14%しか受け持っていない訳ですが、サイドカーの体勢を維持して本車ブレーキ(特に全制動力の約60%を受け持つ前輪ブレーキ)をメいっぱい掛けられるようにするという重大な役割を担っているのです。
側車が前に投げ出されないようにして体勢を保つのが側輪ブレーキの役目ですから、効き具合はそれほど強い必要はないと思いますが、この辺りはサイドカーショップのノウハウが現れるところだろうと思います。

 CBX750FBサイドカーに乗っていた時に何度か追突の危機を経験した事があります。
前を走っていたマイカーが信号が青になっている環七の若林の踏みきりの手前で急制動を掛けた時と、高速を走っていた時に渋滞で前の車が急ブレーキを掛けた時です。
これは2回ともブレーキはもう間に合わなかったのでハンドルでよけました。
特に高速の時には車間はかなり取ってあったのですが、速度が高い分ブレーキを掛けている時間が長いので車間はどんどん縮まって来ました。

 その後、これはまずいということで側輪ブレーキの装着を考えましたが「SC7 サイドカー・ショップ」で述べたような経緯があって(側輪ブレーキを付けると真直ぐ止まらなくなりますよと言われた)結局あきらめてそのまま注意して乗ることとしましたが、これはあまり良い事ではなかったように思います。
サイドカーの各種の装備の中でもこの側輪ブレーキは、特に活発に走る向きには必須のアイテムであると言えるでしょう。

 側輪ブレーキがないと本車のブレーキを70%程度しか使えません。
と言う事は全制動力が側輪ブレーキのあるものに比べて0.86X0.7=0.60で約60%となります。
これはソロのオートバイで後輪ブレーキを使えないのとほぼ同じですから、本格的にトバすにはかなり危険な状況だと言えるでしょう。

 ただし、側輪ブレーキのないサイドカーにはそれなりの楽しみもあるのは確かで、制動によって側車が前に投げ出される性格を利用してブレーキターンを簡単に出来ます。
ハンドルを本車側に少し切りながら前輪ブレーキを強めに、後輪ブレーキを弱めに掛けながらさらにハンドルを切り増すとサイドカーは前輪を中心にしてクルッと回転します。

側車に人が乗っている場合にはひときわ軽快に回転し喜ばせる事が出来ます。
経験者の談としては「ジェットコースターに乗っているみたいだ」という事です。
ただしこのテクニックは後続車がいる時にやると後続車がびっくりしますからしない方が良いでしょう。
またやり方を間違うと前転の危険がありますからご注意ください。

もし側輪ブレーキのないサイドカーを購入された方には先ずは側輪ブレーキの装着をお勧めしますが、その前にせっかくの機会ですからこのブレーキターンを会得されるのが良いと思います。

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