スポークホイール誌

01年5月10日


 

「本物だけを求める男のオートバイ&サイドカーマガジン」

1987.3創刊

 
 スポークホイール誌は1987年3月、佐脇直人さんが個人出版に近い形でエヌ・エス出版から発刊した日本では珍しい旧車とサイドカーの専門誌です。No16(1990.6)まで隔月で続き、以後毎月発行となりましたが、内容は少なくなりNO25辺りで廃刊となりました。

 私がこの雑誌(隔月なので厳密には雑誌とは言わないようですが)の存在を知ったのは、最初のサイドカーの購入を検討し始めた1988年秋頃でしたが、実に良いタイミングでの教材だったのですぐに購読を決定し、創刊号以下を取り寄せました。

 この雑誌で役に立ったのはオクトランの大和田重実さんが書いた 「サイドカーその設計から制作まで」、あるいはケンテックの大月健一さんが書いた 「海外サイドカー探求」 などでしたが、実はサイドカー関係記事以外にこの雑誌には大変な物が隠されていたと思います。それは中沖満さんが書いた 「松明をかかげて」 です。

 これはホンダの草創期、つまり本田宗一郎がホンダを興してから海外のレースで活躍を始める頃までを書いたものですが、中沖さん自身のの体験と独自の歴史認識などを交えた大変読みごたえのあるもので、スポークホイールのようなマイナーな雑誌に埋もれさせておくのはもったいないと感じたほどでした。このホームページでも「本田宗一郎の真実」を作るのに随分参考にさせて頂きました。「松明をかかげて」と言う題名はホンダの副社長であった藤沢武夫さんが書いた「松明は自分の手で」から来ているものでしょう。

 もっとも中沖さんがこの雑誌にこれほどリキを入れた読み物を書いたのは、恐らくこうしたマニア自身が作る雑誌に中沖さん自身が強い共感を感じていたからに他ならないのでしょう。中沖さんという人はこうした義侠心のような物を持つ人であるようです。しかし残念ながらスポークホイールは4年ほどで廃刊となりました。

 これは内容がマニア向けすぎて一般のオートバイファンにはさほど受けなかったと言う事もありますが、さらにはこの雑誌が個人出版に近い物だったために大手の取次ぎ店に扱ってもらえなかった事でしょう。もっとも大手の取次店に扱う意志がよしんばあったとしても、全国の書店に配本できるほどの資金が佐脇さんにはなかったかもしれませんが。結局この雑誌はサイドカーファンなどが何かのきっかけでその存在を知り、個人的に発注すると言う形で販売されましたが、部数が延びずに頓挫するような形で廃刊になりました。現在のようにインターネットがあったならばかなり違った結果となったかもしれませんね。

 
上はNO13(1989.4)の目次です。
 
BMW R75

Schuco 1/10

   

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