「三本和彦、ニッポンの自動車を叱る」

09年4月29日


ニ玄社(2009)
 
三本和彦さんは私がカーグラフィックを買い始めた60年代半ばからカーグラフィックに時々記事を書いてました。そのころからちょっと変わった視点を持ってる人だな、と感じてました。当時はカメラマンだったと思います。この本によると自動車評論家の前は新聞記者だったとありますから、カメラマンの後記者になったんでしょう。

「小林彰太郎の世界」によると小林さんが学生のころ車を買うためにアルバイトしてたとき、同じバイト先でカメラを買うためにバイトしてたのがカメラマン志望の三本さんだったと言うことです。三本さんがカーグラフィックに記事を書くようになったのはこうした経緯からなんですね。今では自動車評論家です。ただし三本さんの自動車評論は面白い見方だなと感心することも多々ありますが、ちょっとそれは違うんじゃないかなと思うこともあります。ここではその二つの例を書いてみます。

マツダのあるクルマが日本では評判がいいのにヨーロッパでは不評だということで三本さんが試乗してみたら後ろが跳ねて乗り心地が悪かったそうです。マツダの人は「やはりそうですか」といったそうですが、このことについて次のように書いてます。

「こんな誰でもわかるようなこと発売前に気づくはずなのに、実験部の人は自分たちのスピードで悪路などのあるテストコースを走るから、一般の人が走る速度では分からないらしいんだ」

これは事実だとしたら由々しきことですね。三本さんに分かることがテストドライバーには分からなかったということになります。三本さんは他の評論家も誰も指摘しなかったとかいてます。これは面白いと思ったことです。

次に賛成できないこと。日本の高速道路では1キロおきに電話が付いてますが、ドイツでは5キロおきなんだから日本だって5キロおきでいいと三本さんは言ってます。私は電話は1キロおきでいいと思います。私も最初のサイドカーでオルタネータが駄目になって一度利用したことがありますが、5キロおきだったら最悪往復5キロ歩く必要がありますね。足の悪い人には大変です。

 

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