「うおおお!どいつもこいつも安心安心て、平気な顔で高いもの買ってたらずっと高いままじゃんか!資本主義の競争原理はどこいったんだよおおおお!」

ぼくはマックオーエスはウインドウズに比べて分かりやすくて好きですが、アップルという会社はあまり好きじゃありません。なんか、客に注文つける値段だけ高いエセ高級レストランみたいで...(あ、ボランティアでアップルのセールスマンしてるあなた、怒っちゃいけませんよ。世の中にはいろんな考えの存在が許されるんですよ。)それに、純正のドライバやグラフィック回路の性能のいいかげんなこと(最近は最初っから他社のボードを入れてるようですが...)!

そこへ、再びトホホ妖精が現れました。

「純正なんて言葉にだまされるから、純正なんて言葉にお金を払うからいけないんだよ。おんなじ機能のものを見つければいいんだよ。」

「でも、うごくかなあ・・・」

「ためすのが楽しいんじゃない。」

「冒険しろってっことか・・・」

そんなわけでぼくのうちのマシンは一台としてまともに保証を受けれるような状態じゃありません。なにかしらあほな悪さをしてます。よかったらご覧になってみて下さい。

 

 LC(クアドラ)630〜始まりのはじまり

マックパワーに改造する記事が連載されていたのを覚えておいででしょうか。

あの記事を見て、無性に欲しくなって買ったのがこのマシン。でも、買いにいったらもう時代はパワーマックの時代で、(無理やりまだ不安定だったパワーマックを使わせようとする代理店にもむかついたのを思い出したぞ!くそ!)店頭にはありません。でも手ぶらで帰りたくもないのがトホホ者の人情。ようやく一件の怪しいビルの2階のあやしいお店でジャンクにまみれたクアドラ630(CDなしモデル)を見つけました。それまでジャンク屋なんか、怖くて入ることができなかったので、これはぼくにとって大きな第一歩でした。パソコンを初めて自分で買いにいったわけなのです。(初代LC3は会社の女の子が買うときに同じものをついでに頼んでもらったという情けなさ)

 このマシンではいろいろ覚えました。まず、スカジー。スカジーはオーエスに関係なくスカジーの言葉で話すので、ドスブイだろうがマックだろうがスカジーの言葉を話せるフォーマッターでスカジーのハードディスクを服従させることができるということを。質し、服従させたオーエスのいうなりにしかならないということを。

CDなしモデルを買ったおかげで、最初に買った内蔵ハードディスクはCDのソケットに取り付けられました。トレーがなかったので、シャーシに絶縁テープでじか付け。ちゃんと動いたので調子に乗りました。うるさいと評判だった排気ファンは、雑誌の記事に倣って両面テープで割りばしを張り付けて持ち上げたら静かになりました。

当時、アップルの内蔵CDは、どこにも売っておらず、広告で見る値段は5万円をこえていたように記憶してます。冗談じゃない。外付けモデルでも四万円をこえています。

ぼくはサードパーティーに頼ることにしました。当時はまだ、「CDツールキット」なんか知らなかったので、「マック対応」と書いてある松下のCDを二万いくらで買って、早速分解しました。中身はいまおもえばなんでもない、CDユニットと電源だったのですが、当時のなんの知識もないぼくの目にはハイテクの電子装置にしか見えません。しかし、さすがに松下、電源基板は今売ってる安物のケースなどとは比べ物にならないくらい厳重にシールドしてあったのでした。それがまたぼくに威圧感を与えたのですけれど。でも、今思えばオーバーエンジニアリングですよね。ところで、この松下のドライブ、正面のボタン位置がアップル純正と同じ!ファームウエアが違うだけだったんですな。いまでこそCDドライブのトレーなんてものはゴミみたいにどこにでも転がっていますが、95年暮れの時点ではこれはもうレアアイテムで、どこ探してもありません。ぼくはまた秋葉原中探し回って、クアドラ630を買ったお店でやっと発見、買いました。3500円くらいした。

で、次に必要なのが内蔵スカジーを取り回すためのケーブル。CDドライブがささっているスカジーのソケットに、スカジーのフラットケーブルをつながなくてはなりません。それには「フラットケーブル用50ピン圧着コネクタ(メス)」が必要なのですが、当時、オスのコネクタは見かけたものの、メスは影も形もありませんでした。千石電商は勝手に部品をざるに入れてレジに持っていけば、なにも訊かずに売ってくれるので好きでしたが、あいにく、そのころはメスのコネクタをおいてなかったんです。

でも、ここまできたらはやく形にしたい!

勇気を出してラジオ会館の部品やさんにいきました。ワケわかんないのに、なにかお店のひとに訊かれたらどうしよう!自信のないまなざしをワケのわからない部品がずらっと並べられた台の上をさまよわせると、ありました!メスのコネクタです!手を延ばしました。

そのとき。

お店のおじさんはさすがにプロです。早速ぼくから冷やかしオーラを感じとったらしく、あっという魔にぼくに声をかけてきました。

「なに!なにさがしてんの!」

職質のおまわりさんみたいな口調です!こわい!ぼくは縮み上がりました!

「こ、このコネクタ一式...」

「これだけじゃダメだヨッ!これとこれとこれ!」

怒るようにトレイに一式、投げ込んでくれました。ケーブルを折り返して留めるための部品も入っているのはさすが!ぼくはおっかないついでにフラットケーブルの切り売りもしてもらうことにしました。どくくわば皿まで!

「ケーブルもほしいんですけど・・・」

「どのくらい!」

「1メートル」

これはすんなり切ってもらえました。

で、うちに帰ってみると、ケーブルを折り返して留めるための部品は60ピンのものでした・・・

そんなこんなでクアドラ630はみごとにスカジードライブオンリーになったのです!

メモリーは大奮発して32メガを98000円で買ってきました。当時は雑誌とかでカリスマデザイナーの人が「メモリーは100メガないと仕事になりません」とかのたまってるのに対し、貧乏人のそねみから、「金持め!設定が甘いんだよう!買ったまんまだろ!環境設定の仮想記憶とか使ってねえだろ!」とか寝ぼけたことを毒づいていたことを思いだします。

しばらくその状態で満足だったのですが、表示色数のプアなことで会社の8100に負けていたのが悔しくて、グラフィックボードをつけました。「グランビマージュ17il」。ソフトの表示速度がはやくなって大満足。でも、グラフィックボードをつけたときに、筐体の中にまだまだ空きスロットを知ってしまったので、さらに冒険は続きます。

空きスロットの正体はビデオキャプチャカードのスロットと、通信カードのスロット、そして、テレビチューナのベイだということは、雑誌の記事などで研究済みでした。

「どこのメーカーのがいいかな」

「やっぱり純正だよね。」

トホホ妖精は、こういうときにかぎって正論を吐きます。

「アップル純正はふざけた値段が付いてるので論外。」

ぼくは経済的見地からの正論で妖精の意見を却下しました。

「インタウエアだね。」

グラフィックボードが安くて性能がよかったので、ぼくはインタウエアという会社が気に入っていました。しかも、当時630用のビデオキャプチャカードはテレビチューナつきキャンペーン中だったので、20000円ちょいですべて手に入ったのですな。しばらくの間はおとなしくパソコンでテレビを見たり、キャプチャして遊んでましたとさ。

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