KVという戦車は、T-34の影に隠れて駄作扱いな傾向が強いですが、実は、デザイン的には、変な乗員配置を除けば、現代のソ連戦車に受け継がれている要素はT-34より多いかもしれません。
スポンソンのない、ただの箱である車体。重装甲。対空機銃を装備して回転する砲塔ハッチ。トーションバーサスペンション。ゴム内臓の鋼製転輪など、後のT-64にびっくりするほど受け継がれています。
ズベズダのKV-1は、可動に組みやすい、良いキットです。安いし。
手前のお人形は、懐かしいタミヤのキットについてくる、悪そうなソ連戦車兵。
キャタピラはフリウル。2時間ほどで組めました。
KV戦車を完成させたのは、小学生の時以来です。完成に近づくにつれて、「かっこいい!」って思える戦車だなって、楽しくなりました。
全部のハッチが可動になるよう組みました。
機関室の四角いハッチ以外は、キットのデフォルトで可動です。そのへんの構成は、ぼく的にはトランペッターのより素晴らしいキットです。
サウペンションとか転輪とか当然可動で組みました
操縦手のバイザーもほっといても可動です!
でも、無線手ハッチのヒンジは、このキットのデッサンだと、ヒンジがDP車載重機のマガジンと干渉してしまうと思う。じっさいはどうなってんのかな?
砲塔のピストルポートも抜けるように作ってみた。
作例では小さい鎖で繋いでますが、実際はワイヤーか、あるいは革紐かも。鎖じゃないとうまく垂れ下がらないもので・・・栓を真鍮とかで作ればいいのでしょうけれど。
エンジンハッチの下に、タミヤのチハみたいにエンジンのガワが再現されてるんで、ハッチを可動にしてみました。T-54以降もこんな感じのエンジンの見た目なんで、トランペッターのキットには、ミニアートのT−54用エンジンとか載せようかしら。ドラゴンのティーゲル戦車とかにも欲しかったおまけです。
エンジンハッチにはフック付きのワイヤーがついてて、写真のように砲塔の手すりに引っ掛けることで開いたまま固定できるようになっていると思われ。
ワイヤーのハッチへの取り付け位置は、キットではハッチの中心線部分となってますが、現存の例やトランペッターの指示だと、ハッチの片側に取り付けられてますな。
ワイヤーは灰色のミシン糸にタミヤのメタリックグレイ。ワイヤーロープって、プラモだとおとなしく自然な曲線ですが、リアルだとクセとかつくと取れなくてカクカクぐにゃぐにゃなんで、糸に塗料をしみこませるのって、けっこうらしい表現だと思う。
ズベズダのキットには、ぼくが知るかぎり、KVのキットでは唯一実車のように砲塔ハッチが旋回式に組めて、かつ、対空機銃架が再現されています。GOOD!!!
ただし、キットの旋回部の構成は実車通りではなく、実際にはリペット止めされたカラーの中の細いリング部のみが旋回します。なのでそのように改良しました。
この戦車の丸いハッチは、全部共通に見えますが、砲塔のだけは別で、車体の、みっつの丸いハッチは旋回しません。車体ハッチは、車体側のヒンジ軸にヒゲバネが使われていて、ロックを解くとバネの力で勝手に開くようになっていますが、砲塔のハッチについては、引張バネで勝手に開くようになっています。
この、対空機関銃架は、1937年ごろにT-26用に開発された、P-40という規格名を持つ規格品(汎用品?)です。T-26もKVも、本拠地はレニングラードなので、BTやT-34とは違う装備形態なのが面白いところです。
P-40機銃架については調べたら面白かったので図解してみました。見てね♡
ハッチ旋回部から機銃架右側に張り出しているウデの先についている四角い筒は、機関銃のグリップを収めて振れないように保持するためのもののようです。
このDT車載重機はミニアート製のもの。キットオリジナルの部品失くしちゃった・・・
DT車載重機のマガジンは、PPShのように蓋を外して装填することはせずに、蓋を回して1発ずつ装填するので面倒くさそう。射撃すると一発分づつ蓋が回転するので、射撃するときは面白そう。
タミヤのKVの、とっても悪そうなソ連戦車兵ですが、ぼくは今回、このおっさんを砲塔のハッチの旋回ツールとして使ってます。ブーツの先を引っ掛けると、いい感じで回せる。
砲塔ハッチのリング。
リューターで砲塔側とリング側に細い溝を掘って、焼き鈍した真鍮線を巻きつけてはめ込んで可動に。
ちょっと硬い。
このキットは砲塔内がある程度再現されてて楽しい。 DT車載重機のマガジンは、この時点では知らなかったけれど、じっさいは吊り下げ金具が付く布のベルトが巻き付いてるんで、周りは緑色に布っぽく塗っとかなきゃいけない。
ミニアートの機関銃セットではそういう塗装指示がされてるのはさすが。
車体上部のハッチとかバイザーとか車体銃とか可動の記念撮影。全部キットデフォルトで楽。
サスペンションは1.2ミリのプラ棒。
第一サスペンションの取り付け位置が他より上になってるのは、前面装甲板の立ち上がりとか、操縦機構との兼ね合いとかでそうなってるんで、キットが正しいと思います。トランペッターのも僅かに上に設定されてますな。
牽引用ワイヤーを引っ掛けて、落ちないようにテンションかけるターンバックルを真鍮で自作。
ハンドルは上下に動くはず。
このキットは再販のものを買ったのですが、初回生産時にはポリキャタのランナーが付いていたようで、それに牽引用ワイヤーロープもセットされていたみたい。でも今回はそのランナーの番号で糸が一本入ってるだけです。塗るといい感じになる。
作ってるときは、KVでけえ!とか思ってたけど、タイガー戦車と比べたら結構ふつうだった・・