P-51D型までの尾輪です。進行方向は左。

けっこうごつい作りです。

ピンクで示しているのはラダーからの入力をステアリングするための伝達ケーブルです。これが尾輪の左右に対称についていて、ラダーからの動きを拾って曲がる側と逆のケーブルを引っ張りますが動きは省略。滑車付きのレバー(黄色)とか興味深いです。

下部脚柱はサスペンションの他にネジレ防止のごっついシャフトを前方に持ち、そのてっぺんにはステアリング用の滑車がついています。

引き込み方は、図中、赤で示したあまり首をふることができないと思われる小さな油圧ジャッキが縮むことで、黄色いリンクロッドを引っ張って尾輪が引き上げられます。

アップロックとダウンロックは脚柱のてっぺんにあり、機体側で捕まえてロックします。B-25でも見られる方法です。

ケーブルが弛まないようにバネで引っ張ってテンションを維持しているようです。

求心は図中省略しましたが、ボーデン索で行うようです。

油圧ジャッキを直接脚柱に繋がずに間にリンクロッドを入れるというのは、P-51でしか見たことないです。主脚も同じように間にロッドを入れています。これだと引っ張るのはいいんですが、押すのは心細そうだけど、出すときは重力の補助があるからいいと思ったんだろうな・・・(追記:よく見たら主脚は押して脚上げでした・・・すごいねあのロッド・・・)尾輪は前に引っ張りあげてるから風圧も使えるし。あと、油圧ジャッキが大きく首をふるのは配管上の問題で嫌だったのかも。

でもこの尾輪は必要以上にがっちりしていて重すぎだったのでしょう。H型とかはP-47みたいな骨ばっかりのスタイルになって、ヤグラを前に引っ張り上げる(タイヤはうしろに畳む)形に変更されました。

主脚
H型の尾輪 B-25の主脚
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