ファシストイタリアの最後の光、サジッタリーオの脚です。 左翼を正面から見たところです。 図中、赤で示されたアームがふたつついた丸は、主脚回転軸ではなく、主翼前桁と中央桁との間に止まり木のように固定された鋼管フレームです。主脚の回転軸はこのパイプから突き出たアームの先に設けられているのです。 アームは、カルダン式に主主脚柱(緑色で表示)を取り付けた前部アームと、回転軸を回転方向外側(胴体側)にずらした後部脚柱槓杆(濃い緑で表示)がついた後部アームで、脚が畳まれてゆくと、外側に取り残される形になった後部脚柱槓杆が主主脚柱を機体後方に引っ張り、脚はななめ後ろに引っ込みますが、これは2Dでは表現できないので省略してあります。すいません。 さて、アクチュエータの動き方ですが、アクチュエータ翼側は、やはり前桁と中央桁にまたがった、こちらは丸ごと回転するパイプ(図中オレンジ色で表示)に取り付けられ、このパイプからもアームが出ていて、これは先ほど出てきた主脚取り付け基部の鋼管と油圧ジャッキでつながれています。油圧ジャッキが縮むことで翼側アクチュエータがパイプごと回転し、主脚を引き込むのです。 翼についた主脚カバーは、主脚の回転軸が見掛け上ななめの回転軸でもってななめ後ろに引き込むのに対し、進行方向と平行な回転軸(アーム式ヒンジ)で畳まれるので、地上姿勢では横から見て、主脚が前に踏ん張った形になるのに対し、翼下面からまっすぐに垂下するのでずれて見えます。 翼側タイヤカバーは、たぶん、図のような仕組みで閉まります。この作動シリンダーはカバーの最後方にあります。 外方引き込みにした理由は、たぶん、おもたい回転軸部分をできるだけ機体中心軸に近づけてロール率をあげようとしたのでしょう。この脚の長さだと、内方引き込みにした場合、軽いタイヤが外側に収まるよりも重量部が外翼側に出てしまいそうですから。おまけに、主翼の補強部分も短くてすみます。難しい決断ですが、まずい設計とはいい切れません。 でも、回転させるシステム自体はドイツやイギリスの方があかぬけてますね。 |
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