Yak-1は、その発展性で、驚異的な進化を遂げた戦闘機です。
軽量化方向へ進化したものはB型からYak-3へ、大型化していったものはYak-7からYak-9へと、みんな普通に傑作機なのでした。
ポリカルポフのイ-16と、ラヴォーチキンのLaGG-3が、ともに、木+樹脂で徹底的にモノコック構造を目指したのに対し、この飛行機は、胴体の基本構造は鋼管フレームで、外皮は、コックピット部までを金属張りで、後部胴体は、上半分が木と樹脂のモノコック、下半分が布張りと、ちょっとホーカーハリケーンに近い構造です。
ただ、主翼は木+樹脂のすべすべ構造なのがちょっとハリケーンとは違う。
ブレンガンのキットが出るまでは、Yak-1初期型のキットはなくて、ポーランドのB型をクリアバックスのファストバックパーツで戻す、みたいなことしかできなかったはず。・・・あ!Aモデルがあるか・・・もってないんだいね・・・
ブレンガンはなに考えてるのかよくわからないけど良し!
でもなんかもう絶版みたいなんですよね・・・このキット・・残念。
Aモデル、もってるようです・・・出てこないけど。
ポーランドのはプラスチクので、ファストバックのパーツ、ついてました。
キットは、機首上面の形とかちょっと疑問なとこも多いけれど、気合入ったマニアじゃなきゃそんなに気にならない。
前縁に後退角をもたせた、きついテーパーの付いた主翼は、ヤコブレフ戦闘機の特徴ですが、ラボーチキンやミグのとこみたいに前縁スラットをつけたりしないシンプルな形を最後まで押し通します。翼端失速とかなかったのかな?
きついテーパーの付いた主翼というのは、誘導抵抗を減らすための理想の形である楕円翼っぽくしつつ、でも工作を簡単にという妥協の産物であり、ぼくは結構こういう行き方は好きです。
LaGG-3が機首に5門もの機関銃や機関砲を集中装備したのに対し、この飛行機では20mmモーターカノン+二門の7.7ミリ同調機銃でおしまいってとこが、軽戦闘機的な感じです。B型ではさらに武装は減って、同調機銃は左舷の一門だけになってしまいます。
ICMのイ-16と、トコのLagg-3と。開戦時はこの三機種がBf109と戦ったんですな。
LaGGと形が似通ってるのは、ツァギの指導によるものでしょうか。
おもしろいのは、LaGG-3よりもイ-16のほうがパイロットたちからは好評だったということで、やっぱりLaGGは重すぎたのでしょう。
ただし、I-16の主翼の機銃は、評価が低かったようです。
機種武装は主翼の武装より重心に近いので、弾道がGの影響を受けにくいのです。
キットは、キャノピと主脚とオイルクーラーフラップとラジエーターフラップを可動に組みました。
主脚はこんな感じ。上部脚カバーが、「Я」字が型なのが初期型の特徴です。この、上の出っ張り部分は、なんでこんなえぐり方してるんだろうか、やっぱりヤコブレフの「Я」をイメージしてるんだろうかなどと考えましたが、実はこの出っ張り部分、主翼に主脚をつけるときに、この出っ張り分のえぐれがないと、主脚を主翼桁についた回転軸に差し込めないのです。
なんで、この出っ張りは後の型からは主翼側に移されてもそのまま残っています。
ラジエータフラップも同様に。こっちは一枚板じゃなくて、蓋と左右の翼が別部品。
付け根は凹んでるんでプラバンで再現したけど、ラジエータのフェアリングをつけてみたらよくわかんないや・・・
キットは胴体内の鋼管フレームを再現してます。
鋼管フレームは、外国のように黒の焼付じゃなくてライトグレイみたい。
上記の鋼管フレームとかは凝ってるくせに、コックピットは結構投げやりですこのキット。
なんでサイドコンソールとかスロットルレバーとかフットバーとか作ってつけてあげました。
照準器架は、それ専用の鋼管フレーム構造が、革製のクラッシュパッド付きで用意されているのですが、キットのはちょっと心細いんで真鍮線で再現。
照準器はキットにもクリアパーツで用意されてるんですが、ここは自作で。
排気管は一本づつつけるようになってて、強度が不安だったんで真鍮線通してつけてあげました。一つも落とさずにつけれたのは僥倖!
プロペラ軸は、後述の、フック構造のせいもあって、機体内までカウンターウエート的に軸を確保してあげました。プロペラの重量と機内の軸の重量が釣り合ってないと軽く回らないのです。
前作のLaGG-3では、モーターカノンの砲身が回らないようこだわりましたが、どうもソ連の戦闘機は、プロペラを我が陸軍航空隊のように、エンジン起動車で回すことにこだわってるらしく、砲身のように見えて実は砲身スリーブ兼エンジン起動車用フックのようです。
これはアメリカにもらったP-63とかでもやってるくらいで、文化ですな。
ただし、LaGG-3の場合は、間違いではないと思いたい。
個体によってフックがついてるものもないものもあるという・・・んじゃないかな・・・
今回はフックもプロペラと一緒に回ります。
完成直前に不注意でプロペラ一枚、先端が欠けたんで、ポリパテをヤスリで削った粉を瞬間接着剤で固めて先端を削り出しました。
わかんなかったでしょ?
主脚は真鍮パイプで可動に。油圧ジャッキも連動します。きたないけど。
上部脚カバーはキットのじゃなくアルミ板(金麦)切り抜いたのを二つ折りで整形。軸は洋白棒。
ところで、このキット、フラップと燃料タンク下面がエッチング表現なんですが、・・・いらん!
この飛行機も翼内タンクがあるんですね。
ソ連機って航続力とか気にしてないのかと思ってたけど、ぼくの認識違いのようです。