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◆母と娘のヨーロッパ見てある記◆

  2月16日(土)小雨 のち晴れ

ミラノからフィレンツェへ
昨夜も激しい雨が降っていた。7:00起床。ビスケットで朝食のあと、身支度する。昨夜たくさん洗濯していたが、何とか乾いていた。 スチームのお陰だ。8:30出発。今朝はホテルのオーナーがカウンター当番だった。家族経営らしく息子さんと交代で座ってある。お別れをして外へ出た。

朝起きた時いつもより寒い感じだったが、外はみぞれ交じりの小雨が降っている。どうりで寒いはずだ。やっと冬のヨーロッパらしくなったのかも。ホテルの横の広い 空き地には、車 の屋根に雪を積もらせたトラックが数十台集結している。テントも張られている。どうやら土日に産直市が開かれるらしい。トラック部隊は近郊の農家から来たの だろう。もう大勢の人たちが果物や野菜などの荷を下ろして、出店の準備に大忙しだった。市の賑わいを見たかったけど、残念。ミラノ駅を目指す。

あれほどゴミの山で汚かったミラノ駅が、今朝はすっかりきれいになっていた。どこにも紙くずが落ちていない。ホウキとチリトリを持ったおじさんが、床の吸殻などを こまめに掃いている。多分これが普通の状態なのだろう。とすればやっぱりあの散らかりようは、清掃労働者のストライキだったとしか思えない。昨日トリノから 戻った時、駅構内が騒々しくて数十人の人が気勢をあげていたが、あれはデモか集会だったのかもしれない。日本ではもうめったにデモもストライキもお目にか かれなくなったが、イタリアの労働者はまだまだ元気だ。

9:00ちょうどに発車。真っ赤と黒のシートがモダンな車内のユーロスターだ。かなり高い追加料金を払っただけあって、ゆったりと豪華な車内だ。コンパートメント ではないので、オープンな感じがする。ミラノを出て15分もすると、一面の雪景色になった。広大な農地が白一色になっている。昨夜ミラノは雨だったけど、山沿い は雪が降ったらしい。

車窓の雪景色ミラノ郊外 モダンなユーロスターの車内サービスのコーヒーを持つ娘 雪のない田園風景フィレンツェへの途上
まもなくワゴンを押した若い女性がやってきた。車内販売かと思ったら、飲み物のサービスだった。とってもグラマーではちきれそうな制服に目が行ってしまう。で、 彼女が振り向いて「ティー? カフェ?」と聞いた時、その化粧のかつて見たこともないド派手さにあっけに取られ、目が点に・・・!。ポカンと見たきり私と娘が固まって しまったので、さっさと通り過ぎようとする彼女。慌ててカフェを注文すると、デミタスカップくらいの小さいプラスチック容器にポットから濃いコーヒーを注ぎ、小さな スナック菓子の袋をくれた。それにしても今まで接したイタリアの女性って、あまり愛想がないというか・・・正直な感想だ。娘の観察によれば、彼女達は女性には 愛想が悪いが、男性には全然態度が違うと。それにイタリアの男性は、女性に甘すぎるくらい優しい・・・と娘の弁。

10:45ボローニャ着。ボローニャを過ぎると、トンネルが多くなった。山間部を走り抜けるらしい。トンネルの切れ目で見える急斜面の山々は、雪化粧で美しい。 いくつもの山を越えて、トンネルを抜けたあと11:20頃から急に雪がなくなり、温かそうな風景に変わった。イタリア中部に近くなったのだろうか。山すその谷あいの ような所を列車は走っている。窓から見えるのは、もう冬枯れの木立ではなくて、常緑樹が多くなった。もうすぐフィレンツェだ。久しぶりに雲の間から太陽の光が 差している。4日ぶりくらいの太陽だ。オー・ソレ・ミオ!なんだか楽しくなってきた。

11:47フィレンツェ着。何と晴天になっていた。駅周辺の道は狭くて、おまけに車が多く、下は石畳。ガタガタとスーツケースを引き、駅から近い安宿横丁で有名な ファエンツァ通りへ直行。さすがにバックパッカ―たちがたくさん歩いている。まだ午前中だというのに、1つ目の候補ミア・カラも、2つ目の候補アッツィも、もう満室だった。 ミア・カラの先にホテル・モニカという2つ星の看板を見つけ、受付が2階なので娘に行ってもらう。シャワー付と無しの2部屋だけ空いているとのこと。荷物を持って 上がると、気立ての良いマダム(オーナー)が空き部屋のカギを2つ気前良く貸してくれた。両方見て、シャワー付の部屋に決めた。トイレは共同で、その 奥にはシャワー室もあったが、トイレの入り口はちゃんとカギがかかるようになっていたので安心する。明日でいいと言われたけど、現金で前払いした。 部屋は狭かったが、朝食も付いていて65ユーロはミラノよりずっと安い。

12:30ホテルを出て、すぐ近くのカフェでパンとカフェラッテ(カフェオレと同じ)で昼食。とてもおいしかった。腹ごしらえも済んで元気になり、天気も良し。13:00に 店を出て、まず一番遠い方面から行くことにした。フィレンツェは狭いのできょうの午後と明日の午前中しか滞在しないので、効率よく回るのだ。娘のリクエストで ピッティー宮殿内にあるパラティーナ絵画館へ行く。ピッティー宮殿には近代美術館や衣装博物館などいくつも美術館が集まっていて、さすがに観光客も多い。

パラティーナ絵画館はラファエロやルーベンスなどの絵があるところで、約1時間見て回ったがとても素晴らしかった。宮殿内のいくつもの広間や部屋それ自体が、 天井画といい室内装飾といい美術品そのもので、その豪華な部屋の中に何十という絵をびっしり並べているさまは、壮観だ。私の好きなラファエロの「聖母子」や 「小椅子の聖母」など実物を見る事ができてとても良かった。そのあと、有名なヴェッキオ橋をわたり、ドゥオーモへ。

通りすがりの見事な壁面町全体が美術品のような建物ばかり ヴェッキオ橋遠景フィレンツェ最古の橋 ドゥオーモ色大理石のコントラストが美しい
ドゥオーモはこれまた白と緑とピンクの色大理石を使った壮大な建築物で、その色鮮やかな美しさに圧倒されてしまった。あちこちの方角から写真をとる。15世紀に 取り付けられたという巨大なクーポラの上まで登ってみたかったが、長蛇の列ができていたので、あす朝一番乗りで来ることにして、近くのサンタ・マリア・マッジョーレ 教会へ行く。そこから駅まではすぐの距離で、時計を見るとなんとまだ3時30分。スタートして2時間半で、見どころを一回りしたことになる。

思ったより早く回れたので、駅へ行って20日のローマ→インス ブルック間の列車の予約をした。ローマの駅の窓口は混雑するので有名なのでローマは避けようと思い行ってみると、案の定2人くらいしか並んでいなくて、すぐに 予約が済んだ。だいぶん要領が掴めてきた。ついでにローマは物騒ときいているので、トラベラーズ・チェックの残り全部350ユーロを両替した。ローマの街角で あまりパスポートや財布の出し入れをしたくないからだ。でも7.8%27.3ユーロも手数料を取られ、あらら。残りは322.7ユーロ。両替所の店頭には各国通貨のきょう のレートが掲示してあるけれど、レートがいいと思って両替すると手数料が高く、手数料0(ゼロ)と書いてある所はレートが低くて、どちらにしても両替で目減りする ことに変わりはない。むこうも商売だから損しない仕組みになっているようだ。

それにしてもきょうのフィレンツェは小春日和で、人々はまばゆい光に早くもサングラスをかけ、名所には観光客がいままでのどの観光地よりたくさん集まって いた。2月でもこの調子だから、シーズン中はどんなにかごった返すことだろう。

今日の会計:合計 105.68ユーロ
 ホテル代  65
 絵画館入場料 13(2人分)
 絵葉書 3.28
 昼・夕食代 18.4
 列車予約 6(2人分)


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