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◆母と娘のヨーロッパ見てある記◆

  2月18日(月)雨 

どしゃぶりローマを歩く
朝起きると、何と雨ではないか。移動日の昨日は太陽がおがめたが、やっぱり見物の日は雨ときた。8時過ぎホテルで朝食。おいしいパン2個とカフェオレ2杯をいただく。 8:40、雨の中を出発。途中郵便局を見つけて、昨日書いた夫と長女宛の絵葉書を投函した。「旅行に専念するから電話しないけど、心配しないでね」と。娘も友だちに 出していた。

少し歩くと、早くもコロッセオが見えてきた。ホテルから1.5kmくらい歩いただけ。入場券売り場へ行くと、窓口の女性が私たちを見て「ジューロク ユーロ」。え?と驚く。 そう、彼女は8ユーロ2人分で、16ユーロと言ったのだった。世界中から観光客がくるコロッセオだ。ひと目で私たちを日本人と見分けたらしい。

時折雨足が激しくなるので、雨宿りしながらコロッセオの内側を見て歩く。5万人を収容したという古代円形闘技場だけあって、とにかく全体のスケールがデカイの一言に 尽きる。部分的に修復が行われていて、通路の横のスペースには、直径1メートル以上はありそうな石柱が何本も無造作に転がっている。どちらを見ても、石・石・石・・・。

雷雨が激しくなって雨宿りしていると、おなじ洞窟?のような空間に若い男性がもう一人雨宿りしている。しゃがんでいる彼の手には「世界遺産」と書いた写真集が。という ことは日本人だ。「どちらから見えたんですか?」と声を掛けると、「横浜です」。学生さんの一人旅らしい。

かなりの雨だったが、日本人観光客が多い。コロッセオの周辺にはみやげ物店が出店できずに立ち往生だ。、この雨では商売あがったりだろう。中東からの出稼ぎら しいおじさんたちが、折り畳み傘を10本くらいぶら下げて、傘の無い観光客を見つけてはすぐさま近づいてくる。けれど「ノー」ときっぱり断ると、あっさり諦めて離れる。 アジアの観光地の土産売りのようにしつこくない。晴れの日には、彼らはどうするのだろうか?

コロッセオの周りにはいろいろ観光客相手の商売が成り立つらしく、古代ローマ人の衣装をまとった男どもがウロウロ。娘が「うっかり一緒に写真をとったらダメよ」と 忠告。何でもモデル料を払わされるとか。でも元手のいらないアイデア商売ではあると思う。約1時間見て、コロッセオに隣接する古代都市国家フォロ・ロマーノの横を通り、 約30分でヴェネツィア広場へ出る。広場に立つ荘厳な建物はヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂とか。

フォロ・ロマーノ古代都市国家の遺跡 雷雨のコロッセオSAVE0100 ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂 ヴェネツィア広場に面して建つ
そこから10分でパンテオン着。円形ドームの外観が地味だったが、内部は床も壁も柱も全て大理石の豪華さ。天井は天窓になっているが、世界最古のコンクリートで 作られているとか。天窓から光が差し込んでいる。内部には巨大な 宗教画や彫刻も数知れず。とても2世紀に再建された建物とは思えない素晴らしさだ。無料公開だったけど、中は美術館そのものだった。

道路わきの遺跡
無数の柱が宮殿を髣髴とさせる  
パンテオンのドーム天井
天井の丸窓
さらに10分ほど狭い路地を歩いて、トレヴィの泉に行く。泉は周りを建物に囲まれて、思ったより狭いところにあった。毎週月曜日は泉のコインを公認の教会が集める と聞いていたが、本当に数人の係員がバケツやバキュームみたいなもので作業していた。ゴミ袋のような白いビニール袋にはずっしりとコインがはいっているらしく、 5〜6の袋を無造作に一ヵ所に集めていた。泉の周囲にはパトカーが数台いて、警官が立ち、ロープを張って観光客の立ち入りを禁止していた。お金の回収があるか らだろう。作業の様子を観光客が珍しそうに見ていたが、数はそれほど多くなかった。

トレヴィの泉の彫刻
建物と彫刻と水が一体となった泉
泉のコインの回収作業
毎週月曜日の市の仕事
そこからキージ宮へ出て、まっすぐ1kmほど北上し、ポポロ広場へ出た。またしても雨が激しくなり、2〜3回雨足が収まるのを待って移動した。広大なポポロ広場の2つ の建物と鐘楼は完全な対称のつくりになっていた。その近くにゲーテの家があると本に書いてあったが、該当する建物や周辺を見たが、どうしても確認できなかった。 あきらめてポポロ広場近くのカフェで昼食。一休みする。

そこからまっすぐ東南方向へ歩くと映画「ローマの休日」で有名なスペイン階段へ出る。そこに到る表通りと平行して1本裏にマルグッタ通りがあって、「ローマの休日」の新聞 記者(グレゴリー・ペック)のアパートがあった場所だというので、歩いてみた。ロケに使われたアパートもそのままあるらしい。映画に出てきたような古い建物が多い静か な通りで、額縁屋さんの工房や手工芸品の工房などが並び、地道に生活している人々の暮らしぶりを感じた。観光客の姿もなく、落ち着いた佇まいだ。結局何の表示も 無いので、ロケに使われたアパートは分からなかった。

スペイン階段 その通りから本通りへ出て少し歩くと、スペイン階段へ出た。映画「ローマの休日」に出てくるスペイン階段は、太陽がさんさんと輝き、階段には花があって華やかだった が、目の前にあるのは殺風景で雨に濡れたただの階段。シーズンオフとはこういうことかと思った。まだ真昼の12:30分だというのに、雨雲のせいで薄暗い。さすがに 観光客はまばらだったが、いるのは日本人ばかりだった。私たちも濡れながら写真を撮る。 そこからホテルまではそう遠くないので、少し遠回りして、2kmほどの道のりを歩いた。途中のお店で夕食を買い込む。

結局1:25分にホテルに戻るまで、ローマの観光ポイントは一通り回ったことになった。9kmくらい歩いた計算になったが、パリやミラノよりも中心の市街地が狭い感じだ。 お天気がよければ、テヴェレ川南西部へも行ける時間はあったが、何しろ雨が止まない。ジャケットも雨に濡れて重くなり、娘は靴に少し雨がしみてきたという。午後は ホテルのベッドでゴロゴロして、久しぶりにテレビを見た。夕方の番組でアニメの「ドクタースランプ・あられちゃん」「ドラゴンボール」「キャップテン翼」をやっていた。 あられちゃんや○△高校と書いたジャージを来た高校生が、イタリア語をしゃべってサッカーしていた。日本のアニメは強し。

今日の会計:合計 106.66ユーロ
 ホテル代  70
 コロッセオ入場料 16(2人分)
 切手代 1.56
 昼・夕食代 19.1
 列車予約 6(2人分)


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