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2月19日(火)晴天!
再びローマ歩きまくり 朝のローマは出勤の人々や車で道路は渋滞していたが、私たちは自分の足が一番確実とばかり、混雑を尻目にスイスイ歩いた。途中で一人とか二人づれの観光客 とすれ違ったが、ほとんど日本人だった。やっぱり日本人は観光も勤勉なのかと思ってしまった。私達のように団体行動ではない旅人のほとんどが、手に「○○の歩き方」の 本を持っているので、すぐに日本人とわかる。私たちももちろん持っていったが、分厚い1冊を持ち歩くのはしんどいので、私は国ごとに切り取ってしまい、その国の分 だけをバッグに入れて持ち歩いた。
現代アートを見たいという娘の希望で行ったが、近代的な建物の中にあるかと思ったら、そこは受付だけで、外へ案内された。中庭に窓のないプレハブのような仮設の 建物があり、そこが会場だった。斬新な感覚の現代絵画が集めてあったが、年配の係員がどの部屋にも配置されている割には、観客は私たちだけでがらんとしている。 ルネッサンス期の絵画や宗教画や彫刻が、宮殿内の美術館に展示されているのを散々見てきた目には、現代人の描いた絵が市の中心から離れた、何ともみすぼらしい 会場に展示されているのがどうも気になった。昔の財産を大切にするのは当然としても、現代作家のアートをもっと大事に扱ってもいいような気がしてしまった。 9:55にここを出て、テルミニ駅方面へ向かい、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂の横を抜け、大きな公園も通り抜け、サンタ・クローチェ広場へ出て、歩くこと55分。目指す 教会へ着いた。教会の左手より入り口があり、その中へ入ると奥に3階建ての建物があり、横は広大な空き地(庭)になっている。 受付の女性に娘がすかさず国際学生証を見せると、学割が効いて、ふたりで3ユーロ払う。ここはどうしても行きたかった国立楽器博物館だ。なにしろ中心部から外れた 東方面にあるので、インフォーメーションでもらったシティーマップにも載っていない。昨日の夜、ホテルでもらったイラストマップなどで何とか場所を突き止めたのだ。 2階へ上がると、クラリネット、ホルン、琴、タンバリン、ピアノ、ヴァイオリン、オーボエ、パイプオルガン、チェンバロ、リュート、マンドリン等々の古楽器がたくさん展示して あった。 日本の琴、尺八、鼓、三味線、蛇皮線、弾くためのバチや爪もちゃんと展示してあった。中国の二胡もあった。シタールやマリンバの前身の楽器など、珍しい古楽器で いっぱいの楽しい展示館だった。ちょうど小学生の課外授業が行われていて、30人ほどの子供達が館員の説明を熱心の聞いていた。私達のほかには観光客もなく、 授業 のじゃまにならないようにゆっくり見て回った。 10:40今度はコロッセオを目指して出発。昨日と違って晴天の青空をバックにそそり立つコロッセオは、また一段と迫力があった。昨日雨傘を売っていた出稼ぎの おじさんたちは、何と晴れのきょうはサングラスを並べて売っていた。なるほどと感心する。コロッセオの横を通り、パラティーノの丘を横切り、約1時間でヴェネツィア広場へ出た。 その途中でのことだ。広い河川敷のような緑地帯の横の直線道路を歩いているとき、もう10分近く歩いているのになぜか、車は全く通らず、しかも歩行者は私と娘の 二人だけ。(途中男性1人に足早に追い抜かれたが)不思議に思っていると、後の 方からヘリコプターの近づく音がして、なんと私達のまさに頭上で旋回をした。しかも低空で。何?とヘリコプターを見上げたその時、バン!と上から銃声のような大 きな音。ワッと思わず驚いて立ち止まると、横の道路を、白バイの先導で黒塗りの車が2〜3台続き、その後にどこかの国の小さな国旗をボンネットの先に飾った車の 後部座席に元首?らしき人の姿が見えた。その後にもたくさんの車がずらりと続いている。全部で二十数台の黒塗りの車がバイクに囲まれるように通り過ぎていった。 この間ほんの2分ほど。 一行を見送って再び静かになった、と思うや否や、車とバイクがどっと押し寄せて途切れることなく走っていく。どうやらVIP様のお通りで、一般者の通行が一時止められて いたらしい。あのヘリコプターも空から先導役を兼ねて、進行方向の偵察?をしていたのだろう。私達がこの道にはいる時は何も規制がなかったのに、直後に 通行止めになったのだろうか。それにしても、あのバン!という音は、何だったのだろうか。 12:40ヴェネツィア広場へ昨日とは逆の方向から到着。晴天の今日はまた一段と観光客が多い。サンドイッチを買って、広場のベンチで食べる。お天気がいいので気持 がいい。ここは大きな道がロータリーになっていて、人もバイクも、車もバスも、馬車もひんぱんに通るのに、そこから向かいのエマヌエーレ2世記念堂へ広い道路を渡る のに信号機がないので、横断するのが大変だ。横断道路の白線は道路にちゃんと描いてあるのに、意を決して渡っている人の後にも前にも車やバイクどんどん 突っ込んで走り去る。どうもローマでは歩行者優先という考えはないらしい。 ローマの交通事情を観察した後、3つの泉で有名なナヴォーナ広場へ行く。噴水の彫刻といい、広場に面して建つプラスキ宮殿といい、バロック様式で構成された 絢爛豪華な空間は、歩いているだけでもゴージャスな気分だ。ここはさすがに人が多かった。物売りも多いので、さっさと移動。少し歩くと、まるで宮殿そのものの外観 を持つ最高裁判所へ出た。テヴェレ川にかかる橋を渡った正面に美しい姿で建っている。 この橋のひとつ南側にかかる橋とその先のアンジェロ城は映画「ローマの休日」に出てきた城だ。その方角のさらに先には、バチカン市国のサン・ピエトロ寺院が見える。 寺院までは遠いし、信者ではないので観光は遠慮することにして、橋のところからまっすぐスペイン広場へと続く道を歩いた。建物に挟まった道は広くはないが、真正面にスペイン 広場の階段がよく見える道だ。広場を目前にしたコンドッティ通りは右も左も有名なブランドのお店がズラリと並ぶ。でもひやかしではちょっと入りにくい雰囲気・・・。 さすがに今日は観光客が繰り出していて、遠足らしい子供達の団体にも数多く出会った。 もちろん昨日ほどではないが、日本人の姿も多い。グループはほとんど卒業旅行らしき女子大生、若い男性は一人か二人が多い。あとはツアーらしい10〜30人の団体だ。 14:00、スペイン階段を上りきった所は教会になっていて、教会の横の5つ星の高級ホテル前には、大勢の報道陣やカメラマンがいた。誰か有名人が出てくるかもしれないと 思ったが、いつのことか分からないので、諦めた。そこから再びテルミニ駅方面へ向かう。 今日は北→東→南→西→東と市街地をぐるりと一周した。テルミニ駅 近くのローマ三越へ寄る。店内は当然ながらほとんど日本人。ローマまで来て日本のデパートじゃ、とは思うものの、日本語で買い物ができるし、円も使えるし、なにしろ ローマはスリが多いらしいので、ここは安心して買い物ができる感じだ。ツアーのルートにもなっているらしく、日本からの団体客も多かった。小さな買い物をしてトイレを 借りて出た。 ローマ三越近くのショッピングモールで、素敵なお店を見つけていたので、そこへ戻ってエクレアとカフェラッテでお茶をした。ゆっくり休憩して、同じお店で夕食のお惣菜を買う。 リゾットやサラダやお肉の料理など、美味しそうなものがケースの中に並んでる。数種類の惣菜を買って、テイクアウト用に包んでもらったがたった11ユーロと安かった。 気分よくなって、ホテルの近くの店で水と缶ビールを買うと、4.5ユーロもした。せいぜい3ユーロのはずだ。日本語の表示と言葉でヘンに愛想はよかったが、ボラれた感じ。 たいした金額ではないけれど、日本人価格を払わされてしまったと思うと、ちょっと悔しかった。ちゃんと文句をいうべきだったと後悔・・・。 今日でいよいよ旅の前半が終わり、あすからは後半だ。暖かいのも今日までだろう。あすから又、冬に戻る。今日は午後4時にホテルに戻るまで美術館や休憩時間を除いて計 算すると、4時間、距離にして16kmくらい歩いたことになる。歩きながらよく見かけた車。フォード、BMW、シトロエン、ローバー、トヨタ、三菱、プジョー、などなど。バイク は日本製はヤマハとホンダ。 ホテルで夕方のテレビニュースを見たところ、昼に遭遇したVIPは、どうやらフランスの要人だったようだ。もう一人、映画スターのラッセル・クローが今日ローマに来た らしい。「きっと、あのスペイン階段を登った所の5つ星ホテルにいたんだ!」と娘。あの報道陣だったからそうかも。残念!
今日の会計:合計 123.19ユーロ <2月18日へ戻る> <日程表へ戻る> <2月20日へ進む > |