2002年1月13日、府中競馬場。ダービーと同じ舞台に今年のクラシック戦線を戦う3歳馬たちが、重賞・京成杯GVに集いました。主役は我らがローマンエンパイア。鞍上は武幸四郎。圧倒的な末脚の破壊力から単勝1.9倍の一番人気。対するはローマンと同じく2戦2勝で2歳戦を終えているヤマニンセラフィム。鞍上はリーディング蛯名。阪神3歳牝馬S・GTを無敗で制したヤマニンパラダイスを母に持つ良血のサンデーサイレンス産駒、単勝2.9倍の二番人気。
スタート後、好位の内につけるヤマニン、いつもの後方外を悠然と進むローマン。ペースはスロー...、東京の長い直線、瞬発力勝負になる...。
前走と同じく3コーナーから大外をまくりあげ、一気の進出を図るローマン。直線からまたもや独走か!....。
しかし、流石ヤマニンと蛯名騎手。ローマンの脚音が聞こえるまでじっと耐えていて、外のローマンに馬体を近づけて、満を持して出し抜けを図る。
ローマンにとって初めての強力な相手。遊びながら走っていたローマンの闘志に、今初めて火がつく!
一歩、二歩、少しずつ、少しずつ、追いつめるローマン。3F34秒7の豪脚。
しかし、母譲りの末脚で一歩も引かないヤマニン。3F34秒8の瞬発力。
両者馬体が合わさったところが、2000m、2分00秒4のゴールでした。
長い写真判定の結果、なんと珍しい同着の一着。これでローマン、ヤマニンともに3戦3勝、堂々とクラシック戦線の主役として、皐月賞、そしてダービーへ駒を進めていきます。
ローマン、今日は本当に素晴らしいレースをありがとう。
そして、初めての激戦お疲れさま。まずは一休みして、皐月賞の前に
また会いましょう!!
2002年のクラシック戦線を狙う好素質馬が揃った、01年12月2日の阪神競馬場の新馬戦芝1600m、その馬はその中でも圧倒的なオーラを既に輝かせていました。その名はローマンエンパイア、サクラローレルを父に持つ野生猛々しく光り輝くその風貌、併走馬を軽くちぎった圧倒的な調教の様子から堂々と一番人気に押されていました。
しかし....まさかの出遅れ、行ったっきりの競馬が多い新馬戦では致命的なハンディ。
ところが、彼はそのようなハンディにくじけるような馬ではありませんでした。鞍上デムーロ騎手の落ち着いた手綱さばきに応えて、3コーナー手前から大外を追い上げ体制に入り、なんと直線に向くと、出走全馬を子供扱いしてごぼう抜き、直線も矢のような脚を使って、楽勝を納めました...。
こんな馬は見たことがない...しかし、その驚きはやがて夢の確信へ...。
12月16日、ローマンエンパイアは1勝馬クラスの特別戦さざんか賞芝1400mに出走。前走の破天荒な勝ちっぷりが同じく圧倒的1番人気に押されます。
それはまるで、新馬戦のVTRを見ているようでした。鞍上武幸四郎騎手はこの馬の持てる力を確信していたのか、スタート後控えると、3コーナー大外からやはりまくりを開始し、またもや直線で楽々と先頭に並びかけてスパート。直線はみるみるうちに後続を引き離し、コースタイレコード、5馬身差のゴールイン。
それでも、彼は直線、ムチも入れられるところなく、ただ遊んで走っていたのでした...。
注目の次走は、2002年1月13日、府中競馬場、京成杯GVの予定。ここも無事に通過するならば、これはもう稀代のスーパーホースの仲間入りといって過言ではないでしょう。
ローマンエンパイア、その名もずばり「ローマ帝国」。
日本の重賞制覇は時間の問題、ダービー制覇から、そして遙かロンシャンの凱旋門賞制覇、全世界制圧へ。私たちみんなの、そして、彼の父サクラローレルが果たせなかった大きな夢を乗せて、勝利の道をひた走れ!!
Roman Empire
Dream goes on to Prix de l'Arc de Triomphe, Lomchamp...
With our and your Daddy's Dream