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鉄道院190形(ワールド工芸)の組み立て

2021.9.8

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これは筆者自身による組み立て過程のメモであり、「組み立て方」の説明ではありません(正しい組み立て手順はわかりません)。
おもに構造のご紹介ととらえていただけますと幸いです。

機関車上廻り

板のスキャン

部品切り離しの前に、エッチング板をそのままイメージスキャナでスキャンしておきました(訳あってボケボケですみません)。

塗装時のマスキングテープの切り出しパターンやデカールを作る際、スキャン画像に合わせてパターンを描けば簡単です。

車体

車体(A1-1)と前方の妻板(A2-1,A2-2)の2枚重ねの箇所を貼り合わせ、車体を大体折り曲げました。本曲げと固定はこれらを仮合わせしながら検討しました。

車体後部

後部には動力部をネジ留めするタブが内側に90度折り込まれ、バンとの連結部が後部に90度突き出します。やや折り方が複雑なのでよく見て折りました。

車体組み立て
  1. タンク前方の上面に、給水口(A1-2)を固定しました。
  2. 車体前側に妻板2つを挟み込み、車体をきちんと折り曲げて合わせました。
  3. 上部の支えを合わせて左右を閉じました。
  4. キャブ後板(A2-4)を貼り合わせました。連結部の突起はスリットに通して後ろ側に出しました。
    後板の下部はステップになっているので、前方に直角に曲げ、折り目をハンダ補強しておきました。

写真で見るとそこそこの大きさに見えますが、この部分は前後長24mm程度しかありません。とても小さな機関車です。

安全弁取り付け
  1. ロストワックスの安全弁を台座にハンダ付けしました。
  2. 台座を車体上面の支えに重ねて固定しました。

塗り分けを考えるとここで固定すべきか迷ったのですが、面倒なことは後回しにしてハンダ付けしてしまいました。
取り付け強度はそれほど必要ないため、塗装後に接着しても十分かと思います。

屋根取り付け
  1. 曲げ済みの屋根の前後の穴を、前後の妻板上部の突起に合わせて仮留めしました。斜めに付いていないことを確認してから要所を本付けしました。
  2. 真鍮挽物のホイッスルを固定しました。後ろが大きく開いているので屋根を付けてからでも付けられました。
ボイラー取り付け
  1. A2-6をアーチ橋状に組み立て、前妻板に固定しました。
  2. 曲げ済みのボイラーと、ロストワックスのボイラーヘッドを固定しました。
  3. 固定したボイラーをキャブ妻板に合わせてハンダ付けしました。
ボイラー配管など

各種部品を固定しました。

  1. ハンドレール(H1-7)を曲げて固定。左右がつながった1本のパーツです。なかなか左右が平行にならず、あまり具合良くないまま付けてしまいました。
  2. 配管H1-9を固定。後部は直角に曲げてランボードの穴に差し込みました。いずれもボイラーヘッド部は表からハンダ付けし、はみ出したところは削り取りました。
  3. ランボード(A2-3)を固定。左右がブリッジでつながっており、そこにボイラー下部も固定されます。
  4. 煙室扉ハンドル(H1-11)を固定。

バン

バン
  1. バンの側面を貼り合わせ、大体箱の形に組みました。
    前後の妻板(A4-1)を仮合わせしながら折り曲げました。
  2. 底部にある3箇所のタブを折り返して貼り合わせました。ここにネジを切って下廻りをネジ留めします。
バン組み立て
  1. 前後の妻板(A4-1)を挟み込んで車体を本曲げし、固定しました。
  2. 後部にブレーキハンドルを固定しました。
屋根
  1. 屋根の前端に連結部の屋根(A4-3)を固定しました。
  2. 屋根を車体に固定しました。内側にコテが入らないので、前後しか付けていないと思います。屋根の前後長が22mm程度しかないので、それでも間に合っているようです。
  3. ドローバーピンを固定。
  4. 最後に熱に弱いホワイトメタルのランプカバーを接着しました。
下廻り
  1. 下廻りフレーム(A3-1)を曲げて枠状に固定しました。左右4本ずつ出ている梁の突起はあとで曲げてバネに固定しますが、もう途中でバラバラに曲がってしまいました。
  2. 台車枠(A3-6)のバネ・軸箱部分を折り曲げて固定。非常に薄いエッチングなので結構傷めつけてしまいました。
    この部品は左右があります(前後端の形が違う)。
台車枠固定
  1. 左右の台車枠をフレームに貼り重ねて固定しました。
  2. 4箇所の梁を曲げ、バネ両端にある小穴に差し込んで固定しました。梁の下部は実物写真を参考に少し湾曲させておきましたが、あまりきれいにできませんでした。
  3. 後端梁(A3-4)を折り曲げて固定しました。バッファーは塗装後に接着しましたが、どうせマスキングによる赤黒の塗り分けは要るので、先に固定してもよかったかもしれません。
軸受けなど
  1. 軸受け(A3-2)を折り曲げてフレームに固定しました。
  2. 車輪押さえ(A3-3)を折り曲げて固定しました。車輪取り付けの際にネジ留めします。
  3. 今回は指定のマグネ・マティックカプラーが品切れのため、アーノルドカプラーを使いました。カプラーポケット(A4-4)の取り付け部を折り曲げて貼り合わせました。

このキットは前後のカプラー取り付け部のネジ穴のみM1.2mmタップを立てます。他のネジ穴はすべてM1.4mmタップを立てます(記載省略)。

機関車動力部

シリンダーブロック
  1. 前部台枠(A1-4)を折り曲げて必要箇所を貼り合わせ、シリンダー後板A1-5に固定しました。
  2. シリンダー前蓋(A1-6,A1-7)の折り重ね部分を貼り合わせ、前部台枠とシリンダー後板に固定しました。
  3. シリンダー側面(A1-8)を細い丸棒などに当てて慎重に曲げ、合わせて固定しました。写真では片側のみ組み立てています。
スライドバー取り付けなど
  1. スライドバー(F1-1)をよく磨き、後ろから差し込んで固定しました。
  2. ドレインコック(F1-2)を固定しました。
  3. 前端梁(A1-3)を固定しました。バッファーは塗装後に接着しました。
  4. カプラーポケット(A4-4)を組み立てました。取り付け穴にはM1.2mmタップを立ててネジを切りました。
フレーム
  1. ギヤとモーターが付く左フレーム(H1-1)を折り曲げて組み立てました。
  2. 左フレーム後部にモーターベース(H1-5)を固定しました(真横からになってしまいよく見えずすみません)。
  3. 右フレーム(H1-2)を折り曲げて組み立て。こちらにはギヤは付きません。
  4. 左右の車輪押さえを組み立てました。
マスキング類

ここで塗装を挟みました。車輪の内側(輪心がはまる部分)と、ロストワックスの輪心も黒塗装しました。

側面のマスキングテープは、パターンを市販のプリンター用マスキングテープに印刷し、ナイフで切り抜いて作りました。マスキングテープといっても塗装用ではなく最近よくある装飾用なので、表面はただの紙のようでした。色々不安ですがまあ一応使えました。

赤枠と金色のエンブレムはテプラのカートリッジに水転写デカール用紙を突っ込んで印刷しました。これはチキン ユウ氏のブログを参考にさせていただきました。大変詳しく解りやすかったです。ありがとうございました。

なお金色のほうは厚みが欲しくなり、最終的には普通のテプラの透明テープに印刷して切り抜きました。

塗装後、動力部の組み立てを続けました。

ギヤ取り付け
  1. 伝達は小ギヤ1枚です。大ギヤによる減速はありません。
  2. 小ギヤ軸を通して小ギヤをネジ留めしました。
  3. 樹脂製の絶縁ステーを前後にネジ留めし、左右のフレームを合わせました。締めすぎるとネジ山をなめてしまうので十分に注意です。
  4. 右フレームの後部のタブには、あとでモーターの黒線をハンダ付けします。
軸穴の整え

この先はいつもと同じなので簡単に書いています。

左右の車輪押さえをネジ留めし、軸穴の具合を確かめました。やや渋かったので2.5mm丸ヤスリでさらっておきました。今回は軸受けもろとも塗装したので塗装を剥がすことを兼ねました。

車輪・ロッド取り付け
  1. 先輪・動輪をギヤ軸に圧入し、金属製の輪心をはめ込んで台枠に取り付けました。動輪はロッド連動のみなので左右90度の位相はできるだけ正確に合わせます。
  2. 輪心に絶縁ブッシュをはめ込みました。
  3. シリンダーブロックをフレームにネジ留めしてからクロスヘッドをスライドバーに通し、サイドロッドに合わせてロッドピンで固定しました。
    うまく転がることを確認したら反対側も同様に組み立てました。
  4. バッファーを接着固定しました。
モーター取り付け
  1. モーターの白線をモーターベースの端子にハンダ付けしました(黒線は反対側フレームの端子へ)。端子は非常に小さいのでハンダ付けには神経を使います。
  2. モーターをモーター押さえ(H1-10)でモーターベースにネジ留めしました。
  3. ウォームを差し込み、位置を合わせてエポキシで接着しました。モーター軸受けに接着剤が回るのを防ぐため、接着剤は一度ウォームを通してからシャフト先端にだけ付けました。

これで走り出します。スピードはするするとやや速めです。

カプラー取り付け

車体内側に付属のウェイトをカットして接着し、上下をネジ留めしてアーノルドカプラーを取り付けました。
なお前のアーノルドカプラーは、あとであらかじめ作ってあったダミーカプラーに替えました。

後部カプラー取り付け

後部カプラーも同様に取り付けました。

完成

あちこち曲がっていたりして変ですが、これで一応完成です。

今回は1日1〜2時間程度で大変のんびり組み立てました。部品が少ないので組み立て自体は5日程度で終わりました。塗装が1色塗って1〜2日乾かしのペースなので、難しくはないのですがもう7日ぐらいかかりました。全体的にはまあ普通のボリューム感になったかと思います。


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