2005.2.21/2010.2.1
これは、ボイラーを細くして格好良くするというものではありません。
基本的な形はあきらめて、目の錯覚を利用してできるだけ少ない工作で印象を変えようというものです(その2でボイラーを細くするのを試みています)。
本物には色々なものがあり、ここで主に改造している前面やキャブ側面も、ご存知の実物とは違っていると思います。実際に加工を試される場合は、ご自分のお好きなスタイルにしてみてください。
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まず、どんな形にしたいかを考えます。 つまり、ボイラーが太いのを隠すために、それ以外の部品を大きくしたり、間隔を広げたりしようという方法です。 すべて自分の印象に基づいて行う加工のため(つまり適当)、特に寸法は計算しませんでした。似顔絵というか粘土細工みたいな工作でした。 |
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煙室扉は赤線のあたりまで削ることにします。先の細い彫刻刀を寝かせて外側から削ればうまくいきそうです。 ボイラーの下側のアゴの部分も下から削って、少し細くすることができそうですが、形がいびつになりそうなのであきらめました。 |
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改造元の8620はデフ付きのため、そのままでは煙室扉の外周を削れません。そこで、最初にデフを切り取ってしまいました。 また、つかみ棒を外し、この写真には写っていませんが煙室扉上部の手すりも引き抜きます。 |
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幅1.5mmの彫刻刀を横にして、煙室扉の外周を少しずつ削っていきました。多少いびつな感じですが、気にしないようにします。 扉ハンドルは、余っていたワールド工芸のキットのものを取り付けてました。しかし塗装すると全然目立たず、効果はほとんどありませんでした。 つかみ棒は、もとの位置よりも外側・前方に穴を開けなおして取り付けました。これはつかみ棒の間隔を広げてボイラーを細く見せるためと、デフ付きにした場合に一般的な大型デフを取り付けられるようにするためです。ただ、結局デフは付けませんでした。 |
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私はあまりライト点灯には興味がないので、そのまま銀河モデルのライト(蒸機用・大型)に交換しようと思いましたが、実験的に点灯式にしてみました。 前面の台枠上には踏み板がついているものが多いのですが、プラ板ではボイラーとの間が埋まって似なくなると思い、やめました(本当に似なくなるかどうかはわかりません)。台枠の内側に、先輪の上バネを表現すると面白いと思います。 |
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ボイラーの下に穴を開けると立体的になります。 側面にドリルで適当にいくつか穴を開け(適当というよりいい加減だこりゃ)、ヤスリやナイフでそれらをつなぎ、穴を開けました。 |
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車高を下げる場合は、ここで動力ブロック等を削って1mm程度下げておきます。方法は他の機関車で紹介したとおりなので省略しますが、あまり下げると先輪フランジがデッキに当たります。 さて、穴をあける位置は第一動輪の上ですが、そこに左右を止めるビスがあるので、その前側に穴を開けます。赤線で印したあたりを目安にします。ビスの穴を少し後ろに開けなおす方法もありますが、そこまではしませんでした。 |
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穴を開け終わったところです。これも最初にドリルでいくつか穴をあけ、ヤスリなどで気長に穴を広げていきます。結構時間がかかりますが、やることはヤスリでこするだけなので、時間さえかければいつかはできます。 | |
動力を元通り組み立て、ボディーとの合いを調べてみます。 少し穴が大きすぎて、その部分のボイラーのシルエットが細くなったので、あとで下部に丸めたプラ板を接着しました。 |
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キャブは全体の形が縦長になっていて、根本的に修正するには作り直すしかないと思いますが、ボイラーが太いままのためバランスよく作るのは大変です。そこで、あきらめて元のキャブをちょっと改造するだけにとどめます。 ナンバーも少し上側に移動するため、元のナンバーをナイフの刃先で丁寧に起こして取り外し、厚さ0.3mmプラ板で埋めます。工作を簡単にするため、パテ埋めや継ぎ目消しは行いませんでした。 これで加工は一通り終わったので、加工した部分のみ、つやを似せた塗料を筆塗りしました。 |
私はディテール工作をほとんどしないので、この程度で終わりです。
全体のバランスさえきちんと取れば、少しは似てくると信じたいです。
加工前の前面はこんな感じでした。 |
加工後はこんな感じになります。 煙突の上部にも0.3mmプラ板を張り重ねて、少し延長しました。 |
キャブ窓の大きさや位置、ナンバーの位置も実物はバラバラです。ライトもこんなに大きいものではなく、シールドビームの小さいものもあります。
未加工 加工していない8620「デフなし」です。 |
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加工後 こちらは加工後です。デフ付きがベースのため、テンダーの形が異なっています。 ボイラーが太いのは相変わらずですが、ここは目をつぶったのですから仕方ありません。 |
8620の先輪はかなり大きくて(C50などの860mmに対し965mm)、適当な交換用車輪を持ち合わせていなかったので、元の先輪をそのまま使っています。デッキ下のフランジが当たりそうな部分は少し削ってあります。車輪を小さいものに交換すれば安心ですが、見た目が鈍重になってしまうのでやめました。
手前が今回の8620、向こうは以前に作った紙製の8620です。紙製の8620はボイラーが細くてモーターが収まらないので、テンダーモーター・エンジンドライブとしています。
なるべく単純で効果が大きい工作方法を考えたいと思っているのですが、なかなか決め手がありません。
さらに野蛮な工作を続けます。
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