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8620の加工 その2

ボイラーを細くした8620

2010.2.1

前回はボイラーの太さには手をつけなかったので、今回はきっちり1/150にする方法を考えました。

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8620のボイラーの直径は、1/150スケールで9.5mmになります(煙室扉の直径はものによって大小あります)。
プラ製ボイラーは厚みがあるので、これでは内径が小さくなりすぎ、動力を収めるのが困難です。 そこでボイラーのみ紙で作って置き換えました。

あとはモーターですが、テンダーモーター方式は紙の8620で試したので、今回はもとのアリイモーターをいじって使うことにしました。
なお8620のウォームは、モーター軸に直結されており、ウォームの軸受けというものがありません。最近よく使っているBトレモーターはシャフトが短いので、モーターをキャブ内に置くとウォームが届きません。シャフト径も合わないので、モーターの単純交換は結構難しいです。

ボイラーの新製

種車は前ページのものをそのまま使いました。

紙でボイラーを作る
[1] ボイラーは薄手の古名刺を使いました。2時間ほどクセを付けて筒型に接着し、内側に瞬間接着剤を満遍なく浸み込ませて固めました。 丸1日おき、ランボードに位置を合わせてから下側を切り抜きました。完全にクセを付ければ、開いてくることはまったくありません。
ランボードを補強する
[2] ボイラーバンドはアイシーテープを細く切ったものです。
プラ製ボイラーがなくなったので、全体の背骨はランボードに頼るしかありません。デッキ部との接続部をステンレス板で補強して一体化しました。
モーターを削る
[3] モーターのブラシ部分の箱をボイラーに収めるため、上から平ヤスリで端子ごとガリガリ削りました。 大体この辺を過ぎると危険度が増します。回転がしぶくなり、箱の付け根にひびが入ってぽろっと取れたりします。一応、不要なモーターで事前にテストしてありました。
ランボードを補強する
[4] 通電のために、途中で取れた端子をハンダ付けし、モーターの加工は終了です。大した苦労もなかったので、もし壊れたら別なモーターに交換します。
おもな部品の取り付け
[5] もとのボイラーから、煙突、ドームなど主要なパーツを切り取り、ぺたぺた接着しました。紙製ボイラーの保護のため、基本的に穴は開けません。
キャブは前ページの工作方針で加工してしまったので、ちょっとデザインが合わなくなったのですが、面倒なのでこれはまた後日にします。
ボイラーディテールの復元
[6] プラ製モールドを参考に、0.3mm真鍮線を貼り付けてモールドを復元します。ハンドレールも取り付け足の先端の差し込み部を切り取って、接着してあるだけです。
前面ナンバーは再びもとのプラ製に戻しました。ボイラーが細くなったので、前ページで交換した銀河製では逆に大きくなってしまいました。

8620の形には本当に色々あって、キャブなどは窓の大きさ、位置、ナンバーの高さなどが相当にばらばらです。気楽といえば気楽ですが、何か特定の機体に決めたほうが、かえって作りやすいかもしれません。


完成

未加工(前面)
未加工
未加工の8620(デフなし)です。
加工後(前面)
加工後
紙製ボイラーに置き換え、各部寸法を極力基本スケールに近づけたものです。野蛮な工作でしたが、今自分で考えられる範囲としては、できる限りのことをしました。
未加工未加工
ボイラーが太く車高も高いですが、低価格のプラ量産品で共通モーターを使う条件があり、趣味で1つだけ作ればいいのとは事情が違うでしょう。
加工後

加工後
ボイラーだけ紙製にして改造したものです。ランボードに段があり、キャブ裾は一番下まで下がりきっていないタイプです。今回はここまでです。

GIFアニメ

塗装は元の塗装と色調などを合わせ、紙の部分のみエアブラシで部分塗装しました。エアブラシは缶スプレーと違って細吹きができるので便利です。

8620とオハ31系

長い客車を引く小さな機関車という感じは出せるようになりました。なかなか楽しいです。

モーターは、テンダーモーターだろうが小型モーターだろうが色々方法はあるので、ボイラーさえ薄くできれば展望が開けます。その意味ではやはり金属車体は有利です。


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