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紙製D50

紙のD50製作中

2016.5.7

12年前(2016年現在)にマイクロエースの動力を使用して作った、紙製ボディーのD50です。
当時の写真が出てきましたので、製作時の記憶が完全になくなる前に、記事にしてみました。

なぜ紙かといいますと、金属でゼロから作る腕はとてもなかったからです。一方紙工作は馴染みがありました。

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検討図1

この頃はマイクロエースのD50を比較的簡単に入手することができました。もちろんスポーク動輪で、走りはしっかりしたものでした。価格もそれほど高くありませんでした(税別8,600円)。
マイクロエースののD50はD51の動力の類似構造のため長くなっていました。そこでモーターを小型のマシマMHK−1015Sに交換して全長を詰めました。今なら他の小型モーターも色々な手段で容易に入手できますね。

検討図2

基本的な寸法は各種図面を参考にしましたが(図面によってけっこう寸法が違うことがあります)、大前提としてマイクロエースの動力にうまく適合させる必要がありました。特にシリンダー幅が広いために、そこに合わせて車幅を決めました。煙突の位置などもシリンダー位置を基本に決めてその他を調整しました。
あとは自分の目で見て、これぐらいが自然だと感じるように、作りながら各パーツの位置を決めていきました。

そんなわけで図面らしい図面はありませんが、一応このようなフリーハンドの絵を描きながら寸法を決めていきました。紙の厚さなどを考慮するためです。ドームは紙を貼り重ねて形作っているため、その様子もちょっと画かれているのが見えます。

写真が古く拡大できません。申し訳ありません。

内ボイラーと動力

初めに動力ユニットを加工し、動力ユニットにかぶせる内ボイラーを作りました。他の紙製蒸機と同じ構造です。
すでにモーターは交換し、紙製のバンドで固定しています。基本縮尺に収まるように、ダイキャストブロックのはみ出す部分を削ってあります。

内ボイラー

内ボイラーは1枚の紙を∩形に曲げたものを基本とし、ランボードや外ボイラーとの控えを貼り足してあります。
上部の丸みは十分くせをつけて、手を放してもそのままの形を維持するぐらいにします。

いかにも一度で寸法が合いそうもない構造ですが、その通りで、一度作り直しました。
表面がまだら模様になっているのは、内側から瞬間接着剤を吸わせて曲面部分を固めてあるためです。ランボード側面部も毛羽立ちやすいので瞬間接着剤で固めてあります。

外ボイラー

外ボイラーを丸めてくせをつけました。
内ボイラーは厚さ0.3mmmのケント紙、外ボイラーは厚さ0.2mm程度の古名刺(オフセット印刷のコート紙)です。
名刺の寸法の関係で長さが足りず(紙の目の関係で長手方向に使えませんでした)、火室部分だけ継ぎ足しています。写真ではすでに継ぎ足し部分を内ボイラーに接着してあります。

外ボイラーを木工用ボンドで内ボイラーに貼りますが、紙がたちまち木工用ボンドを吸って、位置決めもままならぬうちに強固に接着しまうことがあるので緊張します。

ボイラーバンド

ボイラーバンドは実物からちょっと離れてみると見えない程度の表現ですが、だからといってなくしてしまうと、妙にメリハリがなくなるような気がします。
模型では、お約束として必要な表現なのかもしれませんね。

ここでは雑誌のカラー広告ページ等に使われている、薄くてやや艶のある紙を細く切って、木工用ボンドで点付けしました。
ボイラーに使ったコート紙には木工用ボンドがほとんど効かず、乾くとはがれてしまうので、瞬間接着剤の併用が必須でした。

前デッキ裏

前デッキと端梁はひとつの部品で、端梁部分を山折りしてあります。
両側に弧を描いたランボード側面を接着しました。ここは力が加わって壊れやすいので、少し幅を広めに取ってあります。

モーターとの当たりを調べる

デッキができたら動力にかぶせて、モーターにつっかえないかを再確認します。

キャブ裏板

キャブ側板の裏板と、屋根を貼り重ねました。

キャブ外板

外側から、キャブ側板の表を張り重ねました。ここには原形の窓を開けましたが、窓寸法はどの程度がよいか、なかなか難しくて四苦八苦しました。ちょっと大きい・小さいだけで印象ががらりと変わってしまいます。
電車の模型で、Hゴムがわずかに太いだけで窓が小さく見えたりするのと同じような感じです。窓のフチの表現(ナイフのスジ)や窓間のピラーの細さも含め、実物の縮尺寸法では作れないので、何度も作り直して見た目で印象を判断するしかありません。

火室下部

火室下部もここで付けました。2枚重ねにし、動力部のピンがはまる丸穴を内側に開けてありますが、ただの気休めで全然効いていません。

キャブ後妻

キャブ後部妻板と、両サイドの床板を接着しています。これでキャブの基本形はできます。

元のボディーとの対比

元のボディーと並べたところです。量産品は色々なことを考えなくてはいけませんから、制約も生まれて長くなっていますが、自作の場合は自分の使う1両だけ考えればよいので、適当に短くできます。

蒸気管まわり

主蒸気管のカバーや弁室上部あたりを作ります。こういう小さい箱は正確に作るのが案外難しいです。ケガキ、切り抜き、折り曲げの誤差が積み重なっていき、接着の厚みも加わって歪んでしまいます。今でも苦手です。

ドーム

ドームは0.3mmケント紙を何枚も切って積層し、表面をパテで埋めました。
乾燥後にサンドペーパー等で形を整え、裾の部分は0.2mm程度の紙を底から貼って表現しました。

ドームの接着

ボイラーに接着したところです。ただ、0.2mmですと結構フチの厚みが目立ってしまうようです。

煙突

化粧煙突は色々試したものの、きれいに作ることができず、またパイプとリングの単純な形にしてしまいました。
紙にこだわらないほうがいい部分かもしれませんね。

砂撒管

砂撒管を左右3本ずつケント紙から切り出し、ドームとボイラー脇に接着しました。

コンプレッサー上部

公式側は複式コンプレッサーを中心に配管を構成していくので、先にコンプレッサーを作ります。
まず上部を作りました。

コンプレッサー上部の取り付け

コンプレッサー上部をランボードに接着し、下部とのつなぎ部分を紙片で適当に表現します。コンプレッサー下部が動輪に当たらないように、上部の位置を決めておきます。

コンプレッサー下部の接着

コンプレッサー下部を接着します。

コンプレッサー配管

コンプレッサーの蒸気管、調圧器、空気チリコシなどを接着します。細い配管は瞬間接着剤を吸わせて固めます。

繰り出し管を作る

繰り出し管を作ります。水平部は厚さ0.2mmの細帯で、上下のつなぎは厚さ0.3mmの細帯で作ります。

繰り出し管

貼り重ねたら断面から瞬間接着剤を吸わせます。固まったら、屈曲部をナイフで削って、気持ち丸みを付けます。

繰り出し管の接着

出来上がったらランボードに接着します。

排気管、逆転棒

ほか、ランボード上にコンプレッサー排気管、逆転棒などを取り付けておきます。

たとえばこの辺まで来て、ボイラーバンドの位置を間違えていることに気付いたりすると目の前が真っ暗になります。
そういうときはたいてい、寸法の原点が変わっているのです(私の場合は、ですヨ)。煙室端から何ミリという寸法で考えていたのが、いつの間にかランボード前端から何ミリと勘違いしていた、という具合に。


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