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子供の科学のラジオを作る-2石レフレックス・ラジオ(その2)

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部品を集める

部品は2006年時点で、中古品に頼らず、秋葉原などの電子パーツ店や通信販売で入手できるものを使いました。
部品の数値は「はじめてトランジスター回路を設計する本」を参照していただきたいのですが、抵抗やコンデンサの数値は、回路図と少しくらい違ってもよいのです。抵抗の場合は10〜20%前後しても大丈夫ですし、コンデンサは半分〜2倍程度違ってもよいことが多いようです。

ダイオードとトランジスタ

ダイオードとトランジスタ

ダイオードは2本とも同じもので、ゲルマ・ラジオを作るのに使うゲルマニウム・ダイオードなら何でもよいです。シリコン・ダイオードや発光ダイオードでは代用できません。

トランジスタのうちTr1は、「はじめてトランジスター回路を設計する本」では2SC380TM-Yが使われていますが、私の近所のお店にはなかったので、ありふれた2SC1815-Yを使いました。

コンデンサ

コンデンサ

コンデンサは、C1・C3・C4がセラミック型(またはマイラー型など)、C2・C5・C6が電解コンデンサです。

電解コンデンサは10V程度あればよいので、16Vか25Vを買えば大丈夫です。あまり大きいと取り付けられなかったり、隣の部品を差し込めなかったりします。なるべく細いものを用意するか、基板への取り付け位置を変えるなどして工夫します。

抵抗器

抵抗器

カーボン抵抗で、1/2W〜1/8W程度のものです。今はとても小さいものもあります。

バーアンテナ

バーアンテナ

ここではSL-55GTを使いました。コイルが隣り合って2個巻いてあるもので、ストレートラジオ用です。

他に、SL-41GT、SL-45GT、SL-50GT、BA-200なども使えます。PB-450はコアが長いので名刺ケースには使えませんが、一回り大きいケース(内側の幅が61mm以上)なら使えます。ラジオ部品を置いているパーツ店でも全部を置いている店は少ないですが、どれかは入手できると思います。

なお、ゲルマ・ラジオ用のPA-63Rは、コイルが1個しか巻いていないので、単純に置き換えて使うことはできません。

バリコンとつまみ

バリコンとつまみ

2cm角の、単連ポリバリコンと呼ばれるもので、端子が2本のものです。ゲルマ・ラジオ等に使用できるものならOKです。端子が3つある2連バリコンは使えません(適合するバーアンテナがあれば別です)。
なるべく取り付けネジ(2.6mm)が2本ついているものを買ってください。長すぎるネジを使うと、中まで届いて壊すことがあります。

つまみも忘れずに買います。たいてい、つまみの取り付けネジが1本付属していますが、念のため確かめてください。

高周波チョーク

高周波チョーク(マイクロインダクタ)

高周波チョーク(RFC)とかチョークコイルなどと呼ばれる部品です。

写真の一番左の、4mHのもの(表記402)を使いましたが、現在の規格品は3.9mH(表記392)となっているものが多いです。そんなに厳密なものでもないので、3.3mHや2mHでもよいと思いますが、若干性能が変化することがあります。

探すときは「高周波チョーク」でなくとも「マイクロインダクタ」として売られているものを買えば使えますが、2mHを超えるものは置いていない店も多いので、結局入手がしにくいのです。それでも、少なくとも有名店から通信販売で手に入れることは簡単にできます。

S付ボリューム

S付ボリューム

S付(スイッチ付き)で、右に回すとパチンとスイッチが入り、そのまま音量調整ができるボリュームです。この回路では10kΩが使われていますが、私の作例では5kΩでも同じにできました。

奥澤清吉氏のポケットラジオでは、必ず写真左側・写真中央の平型と呼ばれるものが使われていましたが、S付きで目的の抵抗値のものとなると、新品で入手できるのはほとんど偶然です。そこで、ここでは右端の普通のボリュームを使う方法をまずご紹介します。

こういう軸の出っ張ったS付ボリュームにもいくつかの形がありますが、どれでもできます。ただし、あまり大きいと取り付けられないので、直径17mm程度のものにしてください。

トランス

トランス

インピーダンス比1kΩ:8Ωの小型トランスです。サンスイのST-81がぴったりですが、たぶんST-32でもOKだと思います。

ST-81の場合、中央の赤い線は使いません。

スピーカ

スピーカ

8Ω、直径5.0cmまたは5.7cmのダイナミック・スピーカです。数百円の安物で結構です。古いラジオや古いPCから取り外して使うこともできます。

名刺ケースの場合、直径5.0cmが工作しやすいのですが、5.7cmのほうが入手しやすいので、ここでは5.7cmで組んでみました。市販品の中には、5.7cmを称して「5cm」としているものもあります。

写真左のように、裏側のマグネットが小さいものと、右のように外側に出ているものがありますが、名刺ケースに組む場合はなるべく左を用意してください。

スピーカ取り付け金具

スピーカ取り付け金具

スピーカをケースに固定する金具です。3個使って取り付けるのが本当ですが、ここでは2個としました。
写真左上の「つめ」が専用の金具ですが、取り付けビスのワッシャで止めたり、3mm程度のラグで止めることもできます。接着剤で貼り付けてもOKです。

電池スナップ

乾電池・電池スナップ

乾電池は9Vの006Pを使います。これをはめる電池スナップには、写真のように縦型と横型がありますが、ここでは電池の置き方の都合で、ケースのふたがつかえないように横型を使いました。大きいケースを使う場合はどちらでも構いません。

また、2つの端子が分離しているものもありますが、それでも使えます。

ユニバーサル基板

ユニバーサル基板

約2.5mmピッチ(現在普通のもの)のユニバーサル基板です。私はサンハヤトのICB-288を買い、横幅を55mmに切り詰めて使いました。

ケース

ケース

写真左の、プラスチック製名刺ケース(厚手用)を使いました。サイズは外形で横60mm・縦97mm・深さ35mmです。最近は薄手の名刺ケースがほとんどなので、もしご職場で使われていなければ入手はとても難しいかもしれません。通信販売でも買えますが、50個入りや100個入りでないと入手できないことがあります。

私が使ったものもそうですが、透明度が高いスチロール樹脂のものは、穴あけの際にちょっと力が入っただけで簡単に割れてしまうので、加工は難しいです。写真右の食品入れのような、柔らかいプラスチックのケースのほうが加工はしやすいでしょう。

その他

2×10mm程度のビス・ナット、および2×5mm程度のビス・ナットを使います。1袋10本入り程度のものを買うとよいでしょう。
平型ボリュームを使うときは、電池スナップ等を取り付けるために2mmラグがあると便利ですが、直接ハンダ付けする場合は不要です。
また、トランジスタやダイオードなど、熱に弱い部品をハンダ付けするときは、リード線をくわえて放熱するために、ミノムシクリップ等があると便利です。ラジオペンチ等ではさんでも結構ですが、一人ではちょっと難しいかもしれません。

部品の入手方法(2010年10月現在)

地方でも電子パーツ店・一部アマチュア無線専門店等で主要なものは手に入りますが、マイクロインダクタ(高周波チョーク)の4mH(3.9mH)や、バーアンテナ等は入手しにくいかもしれません。東京なら秋葉原でお店を回れば全部入手可能です。ラジオセンターやラジオデパートなどは小さいお店の集合体なので、最初は要領を得ないかもしれませんが、目の前に高周波チョークやS付平型ボリュームが何気なく置かれていることがあるので、行ってみると面白いです。ラジオデパートの「シオヤ無線」など、一度は立ち寄ってみてください。セルフ・サービス的に自分で部品を選びたければ「千石電商」や「マルツパーツ館」でもほとんど揃います。

大阪には日本橋という強力なエリア(でんでんタウン)があります。慣れないうちは秋葉原より便利かもしれません。たとえば「デジット」は、まるでラジオセンター内のお店が1店にまとまったような感じで、ちょっと探せば何でも出てきそうな楽しさがあります。丸棒型バーアンテナのホルダーや、平型ボリュームのつまみ各種など、秋葉原では見つけにくいパーツもあります。

これらのお店は一例にすぎません。通販でもまだまだ多くのお店があります。


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