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紙の給水塔

給水塔と8620

2004.11.19

できるだけ単純な形にしましたが、最低限の重ね貼りなどは取り入れました。
昔いた街の機関区にあった、コンクリートむき出しのものをモデルにしています。
仕上がりは市販品にはかないませんが、使っています。

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作例の型紙を用意しました。
この型紙や当サイトの工作により生じた結果につきましては、工作中のケガやプリンターの故障など派生的なものも含め、筆者は責任を負えません。勝手を申しますが、ご理解ください。

●給水塔型紙ダウンロード(PDF形式)

※開くにはAcrobat Reader、Adobe Reader等が必要です。
一度ダウンロード(ファイルに保存)し、そのファイルを開いたほうがよいようです。ブラウザで直接開くと表示解像度が低くなることがありました(印刷には関係しません…直接開くといっても、一時ファイルの形でどこかにダウンロードされているはずなので、別の理由なのでしょう)。

ダウンロードしたらAdobe Reader等で開いて、カラーインクジェットプリンタ等で印刷します。
手元に光沢写真用紙しかなかったので、製作中の写真はそれを使っていますが、最後につや消しトップコートを吹いたら失敗してしまい、捨てました(笑)。
上の写真は、YカメラでS社の「厚紙(スーパーファイン)」という厚さ0.22mmのつや消し用紙を買って作り直したものです。A4の30枚入りで430円でした。光沢写真用紙に比べると少々薄いですが、一応作れました。
用紙の説明書などに従い、プリンターの設定を合わせてから印刷します。

紙の目

型紙をプリンターで印刷する際、「紙の目」に注意したほうがよいです。紙には曲げやすい方向と曲げにくい方向があります。
紙の目に沿って曲げると簡単に曲げられますが、紙の目と直角の方向にはうまく曲げられません。
ふつうはA4を縦置きにすれば、上下方向に目が走っていますから、縦置きで印刷します。

※フチなし印刷をすると、拡大されて寸法が変わることがあります。ただしプリンターの機種やドライバの設定により結果は変わるようです。

使う道具

使う道具は、定規、ナイフ、ナイフで切るときに下敷きにするカッターマット(工作板)、接着剤、ピンセット、接着剤を塗るつまようじなどです。
このほか、紙を丸めたり押さえたりするために、サインペンの軸ぐらいの、丸棒を用意しました。

光沢紙のようにコーティングされている紙は、木工用ボンドが効かないので、製作中の写真では透明ゴム系接着剤を使っています。
「厚紙(スーパーファイン)」用紙では、木工用ボンドも効きました。

ナイフなど道具の使い方を誤るとケガをしたり、他人にケガをさせることがありますので要注意です。

定規を押さえる

まず、上部の丸いタンクを作ります。

A1、A2を切り抜きますが、直線は定規を当ててナイフで切ります。
定規を切り抜き線に合わせて置き、片手でしっかり押さえます。

ナイフの刃には厚みがあるので、その分を見込んで、定規を少し切り抜き線から離して置きます。
実際にナイフを切り抜き線の真上に軽く当て、その脇からそっと定規を合わせてみて、位置を決めます。
慣れると目分量でだいたい合わせることができます。

ナイフを引く

定規を押さえる指が、定規からはみ出ていないことを確かめてからナイフをまっすぐにあて、軽くナイフを定規に当てながらまっすぐ切ります。
力が入りすぎると、ナイフが曲がって線を外れたり、定規に切り込んだりします。

一度で切らずに、2〜3回軽く引いて切るのもよいと思います。
ナイフよりも、定規を押さえる手のほうに力を入れます。といっても満身の力を込める必要はありません。

タンク本体を切り抜く

A1、A2を切り抜いたところです。

A1は丸めてタンクを作ります。A2はそれを接着剤で止める「のりしろ」になります。

曲げぐせを付ける

丸い棒などを当てて、紙を引っ張り上げるようにして転がし、少しずつくせをつけます。
端のほうは意識的に丸めないと、丸みがつきにくいです。
くせのつけ方

上下のふた

直径を合わせてみるために、タンクの上下のふた(A4・A5)を切り抜いておきます。
曲線を切るには定規は使えませんが、ナイフが輪郭線の真上(線の幅の中央)を通るように意識して、少しずつゆっくり切ります。

「線からはみ出したな」と思ったら、いったん止めて、進路を変更します。
少しずつ切るように心がければ、多少曲がっても修正しやすいです。

上のふたを合わせる

丸めたA1の両端を突き合わせて指で押さえ、上にA4かA5のふたを乗せてみます。
直径が同じか、わずかにふたが大きいようであればOKです。

ふたが小さいようであれば、A1の端を少し切って調節します。端が少しはみ出すように定規を当てて、ナイフで細く切るのですが、切りすぎに注意します。

タンク本体にのりしろを接着

直径を合わせたら、A1を接着して筒にします。
まず、A1の端に、A2を半分だけ接着します。A2の中央には線が引いてあるので、これを目安にします。

ゴム系接着剤は紙などに少し出して、それをつまようじで塗るのがよいと思います。糸を引いて塗りにくいですが、上手に塗ります。

ケント紙や「厚紙(スーパーファイン)」を使う場合は、木工用ボンドでOKです。
木工用ボンドは糸を引かないので気持ちよく作れますが、水気を含んでいるので、薄い紙にたくさん塗ると乾くまでゆがむことがあります。
「紙工作ならセメダインC」という方もいらっしゃるかもしれませんね。

本体を筒にする もう半分を接着しますが、まずA1の断面を突き合わせ、それからA2に合わせて接着します。
先に断面を突き合わせないと、すき間が開いたり、重なってしまうことがあります。
突き合わせ方接着した様子
上のふたを接着

接着剤が乾いたら、上のふたA4を接着します。
ずれると見苦しいので、A1の周りにふたA4が均一にはみ出すように、裏側から見ながら接着します。

接着剤はA1の断面につけますが、少し内側よりに付けます。また、少し多めにつけたほうが、途中で乾かないので位置決めが楽です。

上のふたを固定 ひっくり返してふたの縁を指で軽く押さえてしっかり接着します。
下のふたを固定

同じ要領で下のふたA5を接着します。
8角形の線が書かれているのがA5です。

これでタンク本体は完成です。慣れないと時間はかかるかもしれませんが、それほど難しいところはないと思います。
初めから上手にできなくても、次の機会にはもっと上手に作ろう、と心に決めておけば十分だと思います。

帯の接着

細い帯状のA3を切り抜いて、タンクの下端に巻きつけてみると、形に変化が出ます。
少し長めに印刷されているので、実際に合わせてみてちょうどよい長さに切り揃えます。

実は蒸気機関車のボイラーを作り、ボイラーバンドを巻きつけるという工作は、ここまでと同じ要領でできます。
ただ、直径はこのタンクの3分の1以下ですから、曲げぐせをつけるのに時間がかかります。

タンクには、コンクリートの打ちっぱなしのような模様を印刷してみましたが、好きな色に塗ってみると面白いと思います。
上下のふたの断面が白いのが気になると思いますが、あとで面相筆やサインペンで灰色を薄く塗ると目立たなくなります。


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