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紙の給水塔(2)

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板にスジを入れる

タンクを支える柱を作ります。ここでは、柱の間の壁が木製のものを作ってみました。
B1には荒く羽目板が印刷されています。切り抜く前に、鉄筆の先などで板の間に軽くスジを入れてみても面白いです。
ただし、あまり細くとがったものでスジを入れると、印刷がはがれるので無理はできません。
(なお、印刷されている板目は等間隔になっていません)

同じタイプの給水塔でも、柱の間の壁が全部コンクリートのものもありますから、何もせずにあとで灰色に塗装してもよいと思います。

扉を切り抜く

B1を切り抜く前に、扉の部分を切り抜いておきます。
角が外側にちぎれないように、ナイフでの切り抜きはすべて角から始めて、辺の中央に向けて切ります。

ここでは省略しましたが、たいてい窓がついているものなので、切り抜いてみるのも面白いと思います。

柱と壁を切り抜く B1の外側に定規を当てて切り抜きます。B1ののりしろとなる、B2も切り抜いておきます。
八角形に折る

柱の位置で折り曲げて、八角形の筒にしていきます。
折りやすくするために、柱の横の折り線に定規を当てて、鉄筆でスジを入れるか、ナイフでごく軽くスジを入れておきます。

製作中の写真では左の図のように、柱の片側にだけ折り線を入れています。面倒でなければ右の図のように、柱の両側に折り線を入れるとより自然になります。

折った様子

鉄筆でスジを入れる場合、角が甘くなりやすいので、裏から定規を当てるなどしてしっかり折り曲げます。
ナイフでスジを入れる場合は角がしっかりつきますが、写真のように折り曲げたところから紙の白い断面が少し見えますので、気になる場合はあとで筆塗りしてください。
場合によっては内側にスジを入れたほうがきれいに折れることもあります。

扉の両側は折りにくいので、特に注意します。

柱を貼り重ねる

お好みで、B4を8本に切り離し、柱の上に貼り重ねてみると、少し立体的になります。

横の柱としてB8も作図してみましたが、私は使いませんでした。
もし使う場合は、現物合わせで切り詰めてから接着します。

扉の切り離し 扉B6を切り離します。
もし、窓を開けたりする場合は、B6を切り離す前に開けておかないと、やりにくいです。
扉の接着

扉を内側から接着します。

全体が単純な工作でも、扉や窓の周りなどを細かく作ると、結構精密に見えたりします。

扉両脇の柱を接着 扉の両側の柱として、B7をお好みに応じて貼り付けると、さらに立体的になります。
筒にして固定

ここまで作ったら、B1の端をB2(のりしろ)で接着して筒にします。
B2は中央の線にスジを入れて、山折りにしてから半分ずつ接着します。この要領はタンクを作ったときと同じです。

接着したら、内側に六角形の鉛筆などを入れて、接着面をしっかり押さえます。

床板の接着 八角形の床板の上に、柱の筒を接着します。形が決めにくいので、最初からあまりがっちり接着しないほうがよいと思います。
タンクの接着 タンクを乗せて接着します。
タンクの上下を間違えないようにします。下側になるフタA5には、八角形の線が印刷されています。
ひさしの接着 最後に残った緑色のB6は、扉のひさしです。
片側の断面に接着剤をつけて接着します。
これだけでは物足りないときは、扉の上に桟をつけたり、ひさしの上にスジを入れて屋根らしくしたり、工夫ができます。
完成

完成したら、紙の断面の目立つところに、薄い灰色を筆で塗ってみると落ち着きます。絵の具でもOKです。少しくらいはみ出しても、そんなに悪い感じにはならないようです。
または、全体をお好みの色に塗装します。

このようにくたびれた感じの建物や、すすけた蒸気機関車、木製の貨車などは、紙の下地を生かしてそのまま塗装したほうが、よい感じになります。
逆に、電車のように連続的な面があるものや、鮮やかな色彩を出したいものをケント紙で作る場合は、下地処理をしないと廃車体のようになってしまいます。
(最近は色々な紙があるので、最適な下地作りも様々でしょう)

 

これはただの給水タンクで、注水するためのスポートは別の場所にあるものとしています。しかし、お好みに応じて適当な材料で付け加えてみるのもいいと思います。
また、実物にも色々なものがあるので、傘型の屋根やポンプ給水管、ハシゴなどを取り付けても面白いですね。

今は精密な市販製品が豊富なので、手作りなんてとても満足できないという方も多いでしょう。
それでも特に小中学生の方には、お小遣いが節約できますからお勧めです。
自分で形や寸法を決めて作ってみると、もっとよいと思います。


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