ワールド工芸から2007年に発売されていたキットが、2013年にリニューアルされたものです。
B6と同様、A8といっても形式やメーカーが色々ありますが、これはナスミスウィルソンの600形です。
今回発売されたのは、磐城セメント四ツ倉仕様です。
2013.12.5
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これは私が組み立てた結果のメモであり、組み立て手順の説明ではありません。
組み立てられる際は、キット付属の説明書をもとにご検討ください。
キットの上廻りは旧製品とほとんど同じです。
下廻りは材質が洋白に変わり、動輪をあとで外せる構造になりました。時として微調整や削り合わせを繰り返す必要が生じる箇所なので、これだけで安心感がまったく違います。
いつものように、キャブとタンクはあらかじめ曲げられて、形になっています。考えてみればこれは大変親切なことです(こういうちょっとした配慮の積み重ねで同社のブランドが形成されている気も)。 要所の折り目をくわえ直して平らにしてから、内張りの角穴にハンダを流して貼り合わせました。 |
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車体前後に、上下を固定するためのツメがあるので、細いドライバーの先などで90度少々起こしておきました。これは裾の仕上げ後に180度完全に折り返します。 ほか、窓廻りや車体の裾の断面にも一通りハンダを回しました。 |
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車体の裾が一直線になるよう、折り曲げ部の突起などをヤスリ落としました。 裾が一直線になってランボードと完全に密着しないと、仕上がりが見苦しくなります。なぜかそういうのをだいぶあとで発見したりします。 |
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裾の整形後、前後のツメを完全に折り返してハンダで固定しました。 |
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キャブの後部妻板は炭庫仕切り板とつながっています。 両側に数箇所出ている位置決めのピンは、長すぎるとつっかえて隙間ができるので、軽くヤスっておきました。類似の取り付け箇所は全部そうです(このキットに限らず)。 |
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キャブの後部妻板を、車体に挟み込んでハンダ付けしました。 |
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ワールド工芸のキットでD-が付く部品はたいていリン青銅板ですが、今回のキットにはリン青銅板の部品がありません。代わりに洋白が多く使われています。 |
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キャブ前部妻板は、サイドタンクの上板とつながっています。 |
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前方に残っている、左右のタンクをつないでいる仮ブリッジは、ボイラーの取り付け時にカットしました。 |
洋白の床板を元に上廻りをまとめていきます。細い部分をへし折らないように注意が必要です。
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なお、説明書のこの付近に意味深な寸法の指定「約5mm」「約3.5mm」がありますが、これは旧製品にあったロッドピンの逃げの切削指示の表記なので、とりあえず無視して先に進みました。 この段階で削るのはやめたほうがよいと思います。非常に細い箇所なので、曲げてしまう恐れがありそうです。 ※ワールド工芸「ナスミスウイルソンA8形式600 磐城セメント四ッ倉仕様II」組立説明書(2013年11月版).より画像引用 |
床板に細長いフチを固定しました。 長さがぴったりだったので、ハンダ付けの熱膨張で突っ張って歪むことを恐れ、後端を少し削って隙間を作っておきました。 ぴったり合わせながらまっすぐ付けるのはなかなか難しいです。 |
カプラー取り付け座のネジはM1.2です(前後のカプラーのみM1.2)。この部品は前後があるようです。床板の丸穴と、ネジ穴がぴったり重なることを目安にして向きを決めました。 |
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後部の動力部取り付け座を箱状に組み立てます。M1.4タップを立てて、下側のカエリをヤスリ取ってから床板に固定しました。 |
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キャブを床板にはめ込み、隙間が出ないように固定しました。 構造上、赤い印のあたりで床板が折れ曲がりやすいので要注意です。 |
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ホワイトメタルの蒸気ドームに汽笛を接着し、ボイラーに接着しました。 汽笛の取り付け穴は、ドーム頂上から少しずれた曲面の傾斜上にドリルで開けます。 |
これで上廻りは終了です。
床板のフチが少々難しかったのですが、ほかは特別苦労はありませんでした。
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