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古典Dタンクの組み立て(アルナイン) その1

古典Dタンクと貨車

2018.7.15

先日のJNMAフェスティバルより発売された、アルナイン(アルモデル)の新製品「とても簡単な古典Dタンク」です。
これまでBタンク・Cタンク、派生的にBテンダーが発売されましたが、今回は珍しいDタンクです。大きいほうに進むとは思っていなかったので、驚きました。

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これは私がキットを組み立てた過程をメモ書きしたもので、組み立て説明にはなっていません。正しい組み立て方は説明書をご参照ください。

キットの構成

今までの「産業用Bタンク」「標準型Cタンク」と基本的には同じ構成です。
上廻りは真鍮板を折り曲げて前後の妻板と屋根を取り付ける方式で、ツメを差し込んで折り曲げれば組み立てられるようになっています(これだけでは仮止め的なので、接着やハンダ付けで固定すればしっかりします)。

最大の特長は、動力部が組み立て調整済みであることです。また、それにも関わらずキット価格が¥15,000(+税)という安さです。
※プラ量産品とは出荷数が違うので価格の基準もまた別です。

動力ユニット

組み立て済みの動力部はD形の全軸駆動で、第2動輪がゴムタイヤ付きになっています。
先日こちらにちょっと書いてみました。
「とても簡単な古典Dタンク」の動力ユニット

各部の曲げ加工

今回は今までと同じ屋根の曲げのほか、サイドタンク上部の丸みのある曲げと、後部の炭庫後板上部の曲げをすべてユーザー自身が行う必要があります。
よって今までのキットよりは難易度が高くなっています。失敗の可能性もあるので気後れしますが、出来上がると確実に走るのでがんばりましょう…。

車体の板

左右の側板・タンクと天井は1枚の板になっています。
前後の妻板と屋根は別途取り付けます。

はじめに側タンクの上板を90度曲げます。

上板の折筋

長い側タンクの上板は内側に90度折り曲げるのですが、角が丸くなっているため、様子を見ながらじわじわと曲げる必要があります。
内側の折溝はRを付けるために幅が広く、また簡単に線が付いて折れないよう、曲げも硬めになっています。

万力にくわえる

説明書には、角材をそえて曲げる方法が紹介されていますが、最初はしっかり押さえようと思い万力に挟みました。

まっすぐくわえたつもりなのに、この写真を見ると何か傾いているような気がします。

角材で曲げる

木片を押し当てて少し曲げ、挟む位置をずらしてまた少し曲げ…ということを繰り返しました。

適当な角材がなかったので、真鍮ブラシの柄で押しております。

曲げ続けているところ

少しずつ様子を見ながら押し曲げていきました。力がある閾値を超えると、ガクッと曲がったりするので少々怖いです。
ただ、ペタッと角が付いて折れることはないので、それほど心配しなくてもよさそうでした。

最終曲げの準備

最後は平らなところに置いて、左右の様子を見ながら曲げました。
曲げのために木片を押し付けても、放すと少しスプリングバックするので、多少見込みを入れて押さえています。

木片で押さえつける

ぎゅっ(最後の一押し)

少々曲げすぎても、多少の曲げ戻しはききます。

タンク上部の曲げ終了

曲げ終わりました。
まあなんとか、ごまかせるでしょう。

炭庫後板の曲げ

炭庫後板の上部は、側板のカーブに合わせて曲げ加工する必要があります。
ちょっとした曲げですが、指先では曲げられません。

冶具

角材を削り、半径1mm程度の丸みを付けた冶具を作成するようにと指示があります。

削ってもよい角材が手元になかったため、適当に転がっていたプラケースの丸い角を使いました。
木片より滑りやすいので、あまり適していないとは思います。

角材を押し当ててを曲げる

最初に角材を押し付けて曲げ、次にカーブの内側に金属の丸棒を当てて形を整えました。
そのせいで表面にキズを付けてしまいました。

炭庫後板曲げ終わり

失敗気味ですが何とか曲がりました。

屋根の曲げ

残る曲げは屋根です。
直径32mmくらいの棒に押し当ててくださいとあります。
モデルマスターの瓶が31.6mmくらいだったので、それに押し当てました。

屋根の縁を曲げる

裏側に細かい溝がたくさん入っているため、指で押すだけで多角柱的に曲がります。
端のほうは少し曲げにくいので、木片を押し当てました。

曲げ箇所終わり

これでちょっと気後れしていた曲げはすべて終わりました。あとはおそらく簡単かと思います。

今日はこれで寝ます!

車体の組み立て

下穴

車体の内側、ドアの両脇に、下穴のマークがついています。
気が向いて、手すりを付けてみることにしました。0.3mmドリルで開口します。

手すり

間に厚紙を挟んで少し浮かせ、0.3mm洋白線で手すりを作ってハンダ付けしました。
ここだけディテールを追加しても不徹底かもしれませんが、車体側面の平面部が比較的広い模型なので、多少立体感が出るかと思いました。

ハシゴの補強

ハシゴにも洋白線を沿わせて補強しました。
ただ、これを付けると動力ユニットの床板に当たるので、上下の組付けがやりにくくなります。補強したほうが明らかに丈夫になって取り扱いも楽になりますが、あんまり強くもお勧めできない感じです。

タンク前端

側タンクの前端は直角に折って箱型に綴じます。素組みでは曲げるだけですが、一度コテを持ったのでハンダ付けしておきました。
以後、その流れで今回は接合位置を積極的にハンダ付けしていきました。

キャブ妻板

キャブ妻板を取り付けてハンダ付けしました。

中央に出ているツメを折り曲げて留める方式ですが、ハンダ付けしましたので、ツメは切り取って平らにしてしまいました。

キャブ後妻

こちらは後部妻板です。下側2箇所を折り曲げておきます。

ツメを差し込む

中央上部のツメを上に折り曲げて後部妻板を留めます。ここはライトの台座も兼ねているので、切り取らずに残しておきました。

後部妻板の左右端は、車体の側板にぴったり合わせてハンダ付けしました。もともと部品の合いがよいので隙間はほぼできません。

炭庫後板

さらに後部に炭庫後板を差し込み、ツメを折り曲げて固定します。

ツメを埋める

が、ハンダ付けなのでツメは切り取って埋めてしまいました。

前デッキ

前デッキです。
端梁の両端を後ろに180ど折り返し、ハンダ付けして貼り合わせました。

ハンダ付け用具をお持ちの方なら、ハンダ付け前提で作業を進めたほうが楽かもしれませんね。気分にもよりますが…。

後部ライトと石炭

あとで石炭板を炭庫上部にハンダ付けし、ホワイトメタルのライトを接着しました。

ブレース

ボールドウィン機によくある前方のステー(ブレース)は、デッキ側に固定されています。

形が工夫されており、端梁裏の穴に差し込めば、内側の溝に収まってまっすぐに付きます。

これで大まかな部材は揃いました。

もう少しです。


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