Nゲージ蒸気機関車2011年のメモ>2011.2.5

アリイのC62(2)

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組み立て

エルエスの機関車に比べ、分割が多いのでパーツ数も倍ぐらいあります。部品を合わせるポッチ穴なども少なく、きちんと接着しないときれいにできません。

ボイラーと配線 エルエスとの大きな違いは、電池は1本だけで、それを機関車自体に搭載してウエイトを兼ねていることです(箱や説明書の英文には電池2本と書かれていますが誤り)。
最初にスイッチ用の配線をキャブ妻板の穴に通し、スイッチのつまみなどを取り付けます。この写真では1本を穴に通し忘れています。
モーターの取り付け モーターにピニオンギヤを差し込み、キャブ内に横置きしたところ。
スイッチのつまみは屋根の裏に固定されていて、その接点がモーターの一方の接点に直接触れるしくみになっています。スイッチの作りはこの手のプラ模型にしては確実なほうです。
裏から見たところ キャブを下側から見たところです。キャブ妻板を通して火室側にモーターのピニオンギヤが見えています。
ランボードの取り付け ランボードは別パーツです。なかなか位置を合わせにくいです。

このキットは表面がシボ加工というか梨地加工されています。未塗装で組み立てることが前提となっているために、プラの質感を抑えるためなのでしょう。各社を渡り歩いた1/50シリーズや、同じアリイのED70などの電気機関車も梨地加工なので悩まされた方もいらっしゃると思います。

ただしテンダーには梨地加工がなくてつるつるです。何だかよくわからないです。

ギヤボックスの取り付け

ギヤボックスを左右のフレームに挟みます。ちゃんと台枠構造になっているのがよいです。

ギヤボックスの長いドライブシャフトは多少斜めになっていても大丈夫ですが、ウォームの噛み合わせが固すぎるとよくないので、多少のアソビがあることを確認しておきます。固すぎたらドライブシャフト前方を持ち上げるつもりで、軽くギヤボックスを直してみます。
また、左右に出ている動輪のシャフトが直角になっていることが大切です。

上下の組み合わせ

フレームに動輪・シリンダー・ロッドなどを取り付けます。動輪は木槌でシャフトに打ち込みました。エルエスと同様に先輪は飾りなので浮いています。またちゃんと従台車が付いていますが、こちらも飾りです。

上下を組み合わせると、モーターのピニオンが噛み合うようになっています。作例ではただ上下を接着しただけで、ちょうどよい噛み合わせになりました。

電池を入れる

電池交換は煙室扉を外して行ないます。ただ取り外しが難しいです。説明書では下部の給水温め器の箱を持って外すように書かれていますが、つかみにくいうえになかなか取れません。いつも、ドライバーを下の隙間に差し込んでこじ開けています。

ボイラーまわりの部品

煙突、ドームなどのパーツを取り付けます。安全弁、発電機、汽笛などは動輪と同じランナーでメッキされています。小部品には明確な位置決めの仕組みがないので割と適当に付けています。

こんな格好なのにハンドレールまで別パーツになっており、キャブ妻板には窓もないのにひさしがあります。無駄っぽいですが何となく遊び心を感じます。

テンダー台車

テンダー台車はボギーです。車輪の穴が十分大きくて、車軸のまわりを車輪が回転するようになっています。色んなやり方があるものですね。

テンダー車体

テンダーはただの箱なので組み立ては楽です。重い電池が積まれていないので走行上はかなり有利です。

これで完成です。どこからどう見てもほぼC62には見えませんが、作ったものがちゃんと走れば楽しいものです。

車両完成


完成

いろいろ比べてみましょう。

パッケージと

C62の絵 C62完成

エルエスのC62と

同じBタイプのショーティーとはいえ、何から何までまるっきり違います。

アリイ アリイ アリイ
エルエス エルエス エルエス
アリイ エルエス
アリイ エルエス
アリイ エルエス
アリイ エルエス よく見ると従台車があります。
アリイ エルエス
アリイ エルエス

出発進行

アリイのC62(このシリーズ)は、重量のバランスなどがとてもよくできていて、ありがちなスリップやギヤの噛み込みを起こすことなく安定して走ります。もちろんNゲージなどと比べることはできませんが、「プラ模型で遊ぶ」ことにおいては十分安定しています。

走行中

とても快調です。レールの具合もよく修正は不要でした。脱線もありません。
ウォームの噛み合わせも調整したので、前回作ったときよりもギヤ音が静かにできました。

電圧は1.5Vですが速度はエルエスの3Vより速く、プラレールと同じぐらいです。

エルエスの客車を連結

非常に余裕がありそうなので、エルエスの客車が連結できるようにして一緒に走らせてみました。

これはエルエスのレール上を走らせているところです。ゲージがわずかに違うため、エルエスの客車をアリイのレールで走らせると脱線しやすいのです。 パワー的にもまったくへいちゃらで、走り比べではアリイの圧勝という感じでした。

外観は実物に似てはいませんが、モーターで車両を動かす動力の機構を模した教材?になっていることは間違いありません。
メーカーは単に、子供が楽しく組み立てて遊んでくれることを狙っただけなのでしょう。そのためには走らせるのに必要な要素を経験から予想し(当然最初はゼロ)、新たな失敗から学んでいくことになります。それが模型というものかもしれませんが。

最後にナガノのC62と

どれも発売当時は同じぐらいの価格帯、モーターで走るプラ模型です。その後、ナガノは飾り用モデルに変更されてしまったのが残念です。

ナガノ+エルエス ナガノとエルエス
左がナガノ、右がエルエス。これら両製品は、実際に同時期に市場で売られていました。
ナガノ+アリイ ナガノとアリイ
左がナガノ、右がアリイです。

何かナガノがものすごく立派なものに見えます。しかし、どれも買った人が走らせて遊ぶことを狙ったものには違いないです。
(おわり)

参考までにナガノはこちらです→走りましたか?ナガノのC62/D51


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