組み立て自体はそれほど難しくありません。
一体成型の部分が多く、細かい部品も少ないです。
ただし、うまく走るようにするにはそれなりに経験が必要です。同種のキットの中では圧倒的に成功率が高い構造ですが、それでも失敗例は少なくなかったはずです。
車体の主要構造部はダイキャストの一体成型です。 というのが理屈なのですが、そこは低価格(鉄道模型に比べれば)プラ模型の悲しさ、プラ製部品の精度不足による問題はいかんともし難いです。 |
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一体成型の動輪にシャフトを打ち込みます。このときまず垂直は出せないので、電動プラ模型らしい落ち着かない走りが生まれます。 C10もC11もC58の流用なので、写真のようなボックス動輪です。ただ、時期によって裏側にシャフト取り付け部の出っ張りがあるものと、ないものがあります。出っ張りのあるものは車輪の間隔が広めになってしまい、レールに置いたときのアソビがなく、よく走りませんでした(自分で削り取ればOK)。 |
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動輪をフレームの溝に置いて、押さえ板をネジ留めしたところ。集電機能はありませんが、この構造は現在のNゲージ蒸気機関車と何ら変わるところはありません。 |
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モーターに電池をつないで回転テスト…。 |
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モーターはダイキャストフレームにはめ込んで、セロテープでぐるっと巻くという取り付け方です。 電池コードのついたスイッチを右に倒すと、スイッチが右上のマイナス端子に接触して、モーターが回るという仕組みです。 |
モーターのピニオンギヤが、直下のドライブシャフトのスパーギヤと噛み合います。ドライブシャフトの前後2箇所のウォームギヤで、第一・第三動輪を回す仕掛けです。 モーターの組み付け(高さ)の違いによってもギヤの噛み込みを起こすので、なかなかシビアです。 |
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このままでは、重いモーターで尻餅をついてしまいますが、ボディー前方にオモリを取り付けることによって、何とか第三動輪でバランスします。 ボディーはほとんど一体成型で、屋根と後部だけが別パーツです。 |
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屋根は裏側の突起でモーターを上から押さえつける構造になっていますが、この突起が高すぎて屋根が浮いてしまうので、削り合わせます。 各部を接着して、乾くまでテープや輪ゴムで留めておきます。この接着剤が乾くのを待つというのは、子供にはなかなか難しいことかと思います。 C10の場合、ボイラー上の別付けパーツは重見式給水温め器とつかみ棒だけです。つかみ棒は走行テストが終わってから最後に付けることにしました。 |
電池を入れる貨車は、ワム80014と刻印されています。 黒の一体成型に見えますが、 |
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…残念。片方の妻板のみ別パーツという2分割でした。 ちなみにC58など初期のキットは、前後左右の妻板と屋根も別でした。電池交換の際などに壊れやすかったので、改良されたのかもしれません。 |
裏側にはピボット車輪とカプラーを取り付けます。 電池貨車には、機関車のモーターとスイッチから伸びたコードをそのままネジ留めします。これ以外に機関車と連結するカプラー等はなく、コードで引っ張る形になります。遊んでいるうちにコードの先のほうが切れたりして短くなってくるので、最初は長めにしておきます。 |
これで機関車・電池貨車は完成です。 C10とC11では、2軸従台車が付きますが、引っ掛けてあるだけなので簡単に取れてしまいます。走行中に置き去りにならないように工夫して留めます。 |
それ以外の貨車は、ワム・タム・トム・トフの4両が付属しています。 構造はどれも似ていますが、なんと床下は流用ではなく、軸距離の違うものをそれぞれ製作しています。内部に積むウェイトも、形状や厚さをちゃんと作り分けてあります。 写真はトフで、一方の側板には前後の妻板部が一体成型され、コの字形になっています。 |
できました。あとは機関車のつかみ棒ですが、走行テスト中に折ってしまうでしょうから、まだ付けません。
こんなにたくさんの車両がついてくるプラ模型の汽車セットは、当時他になかったと思います。完成したらすごく嬉しいです。
なお、童友社は当時、トミーナインスケールにもあったバックマン製の0-4-0テンダーも、電池パワーパック付きの独自セットで販売していました。トミーより早かったように思っていましたが、昭和プラモデル全リスト(日本プラモデル工業協同組合)によると、結構あとの1975年だったようです。記憶はあてにならないですね。
さて、このキットは走らせてナンボのものですから、もう一息がんばります。いよいよ大詰めです。