Nゲージ蒸気機関車>2024年のメモ>C11 325 東武鉄道(トミックス)
登場後短期で生産終了となったC11 325が、東武鉄道に移管後の姿として再登場しました。
一言でいえばそれだけですが、走りが良くなったため、遊び体験としては結構大きな違いがあります。
2024.12.24
初回の真岡鐡道時代ほかと並べてみます。
真岡鐡道 C11 325 | 真岡鐡道 C11 325 2017年3月に発売された初回品。トミックス40周年記念製品でもありました。色々新しいことをやって色々ありました。 | |
東武鉄道 C11 325 | 東武鉄道 C11 325 SL大樹牽引機となった今回のリニューアル製品です。動力部更新が一番大きな改良点です。もう少々のことには負けないですヨ。 | |
マイクロエース SL大樹 C11 207 | マイクロエース SL大樹 C11 207 SL大樹セットはマイクロエースも出しているのですが、こちら牽引機が2つ目の207号機でして、残念ながら同じ機関車ではありません。SL大樹つながりで並べてみました。 |
トミックスは新製品になっても基本は同じ機関車なので、ボイラー部のディテールは同じです。特に公式側から見ると、窓が開いていることと、後述する台枠前部を除いて一見同じです。
主に後部の一部ディテールに違いが作られています。工作の好きな方は初回品を自分で改造して、外観を現在の東武鉄道仕様に近づけることも可能と思います。
真岡鐡道(初回品) | 真岡鐡道(初回品) 窓は閉じた仕様でした。前方のコンプレッサーに金帯が入っていました。 | |
東武鉄道(今回) | 東武鉄道(今回品) 窓が開き、後部炭庫にディテールが加えられました。一部表記・印刷も変更されています。 |
真岡鐡道 バック運転を考慮して、後部へのダミーカプラー装着も想定されており、その際エアホース取り付けも可能でした。 |
東武鉄道 炭庫脇にアンテナ、端梁に増設ジャンパ栓が付いてステップ形状が変わりました。1個付いていたテールライトはなくなりました。エアホース取り付け穴も塞がれています。 |
ミニカーブレール対応はなくなったため、交換用床下パーツは付属していません。
窓が開いているのは個人的には結構嬉しいです。理由はそういう姿をよく見ていたから、ということになります。
キャブ天窓は従来通り、開・閉どちらかを選べます。はめ込みが緩いので、成り行きで適当な位置になってしまいますから、気になる方は接着固定してもよいかも。
真岡鐡道 ヘッドマークを付ける際は、付属の台座付きのバネ箱に交換します。 |
東武鉄道 ヘッドマーク台座はあらかじめデッキ前端に固定されています。付属のヘッドマーク2種のどちらかを選んで取り付けます。 |
今回はヘッドマークのないC11にしたい場合はちょっと加工が必要のようです。
つかみ棒、ホースなどのパーツを自分で取り付けるのは従来と同じです。特にテールライトは細かいためピンセットの先で飛ばしやすく要注意です。少し穴が緩かったので、私は少量の透明接着剤で接着しました。
前作のC58とC55ではデフの裏のディテールも表現されていましたが、今回のC11へのディテール追加は見送られています。
なおヘッドライトは初回品と同様、煙突を回して消灯可能です。
写真左は初回の真岡鐡道、右は今回の東武鉄道です。
新しい動力ユニットは、3年前に「きかんしゃトーマス号」で新製されたものと同形のようです。コアレスモーターをやめ、0620モーターに変わり、動輪のダブルゴムタイヤもシングルに変更されて集電車輪が増えています。
私の手持ちのものでは特に集電性能が改善され、走りが顕著に良くなりました。
この動力ユニットについてはこちらもご覧ください。細かい感想はそちらにすべて書いています(現在も同じ意見です)。
→大井川鐡道 きかんしゃトーマス号(トミックス)の動力ユニット
KATOのパワーパックを使うと多少ザラザラした音が乗りますが、トミックスのパワーユニットよりも超低速の粘りは効くような気がします。ジリジリする音はパワーパックの種類によって違い、比較的スマートコントローラーが静かに感じましたが、気のせいかもしれないという程度です。
一方トミックスのパワーユニットでは低速から非常に静かです。
ところで、きかんしゃトーマス号の場合、前デッキ裏側にライトの導光機構があるため、ダイキャストブロック前端が短く切り詰められていました。
今回のC11 325では、そのままだと前端まで届かないので、長さが調整されるものと思いましたが:
いえ調整されていませんね。きかんしゃトーマス号と同じ、短いままのようです。
写真左は初回の真岡鐡道版、右が今回の東武鉄道版です。
実際の使い方でこの箇所が真横から目に留まることはほぼありませんが、あえて撮影しますと以下のような感じです。
これは初代真岡鐡道時代。
台枠は届くことは届いていました。地味ですがダイキャスト側面にボルトや担いバネの表現があるのが凝っています。
今回の東武鉄道時代です。ガッツリ短いので台枠破断っぽいです。ただ先述のとおり、普段使いではほぼわからないです。
こちらKATO。先輪ぎりぎりの台枠形状はもちろん、担いバネまで分離している抜け目なさです。これは別格ですか…
もし気になるようでしたら、プラ板やハガキくらいの厚さの紙をマジックで黒に塗って貼れば、目立たなくなるかと思います。
写真は、以前きかんしゃトーマス号の動力を初代C11 325に移植したときに施したものです。
(こちらきかんしゃトーマス号の動力を移植の記事)
客車セット「東武鉄道 14系・ヨ8000形(SL大樹・青色)」セットも発売されています。
SL大樹セットはマイクロエースからも発売されていましたが、車両構成は少し異なります。トミックスのヨ8000はグレー屋根です。
異例の早さで初代のC11 325(真岡鐡道)が生産終了になったときにはショックを受けましたが(あれは実物の移管という出来事もありましたが)、動力の改良はその後直ちに日の目を見、再びC11 325が戻ってきたことは大変嬉しいです。
せっかく丁寧に外観を作っていたのですから、あのままお蔵入りになるのはあり得ませんからね。実物の行方に模型が左右されるのは現役蒸機の模型化のリスクなのかもしれませんが、今度はシリーズが長く続いてほしいです。
次のラインナップでは、デフ裏のディテール表現追加と、前部台枠の手直しがあればさらに嬉しいですね。ただ価格との兼ね合いもありますし、メーカーが総合的に決められることだと思います。