Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>KATOのC11を切り詰める
2006.7.7/2008.4.25
KATOのC11は、2008年時点でのカタログに載っている蒸気機関車の中では最も古いものです。
よく雰囲気は出ていますが、大きく長いことも有名です。切り詰めたらどのような姿になるかを見てみたくて加工してみました。
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このサイトの改造は、プロポーション上の余計な部分を切り取って、足りないものを付け足しているだけですから、まずは深く考えずにボイラーをぶった切ります。ほかの部分をどうするかは、それからゆっくり考えます。
こちらは未加工品です。 少しオーバーに切り詰めたほうが感じが出るのですが、その結果クロスヘッドの可動範囲が確保できなくなっては困ります。ここでは約2.7mm切り詰めることにしました。 |
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こちらは加工後のものです。
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改造の注意点は、削り合わせに夢中になるあまり、サイドタンクの前についているモーションプレートの表現を破損しないようにすることです。
あらかじめ、切断予定の位置(前後の二箇所)に印をつけておき、のこぎりでボイラーを切断します。のこぎりには金ノコ、クラフトノコ、レザーソウ、など色々ありますが、なるべく刃の薄いもののほうがよいと思います。木工用のこぎりでは、ひきしろ(のこぎりを引くときにできる溝)が幅広くなってしまうのであまり適しません。 なお、プラの厚みがかなりあるので、カッターだと苦労すると思います。 |
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さらに切断予定の位置まで、ヤスリやナイフで削って形を整えます。公式側のランボード上にはオイルポンプ箱があるので、これを避けるように削ります。また、非公式側の調圧器のモールドはなくなります。 上廻りの切断はこれでおしまいです。 |
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動力ユニットは上部の段になっているところを前方から削るとよいのですが、この形ですから、赤線の位置で切断するのと同じことです。 動力ユニットは左右のブロックに分かれますが、そのうち一方だけを切ればよいのです。 |
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切断したところです。 上廻りと長さを合わせてみて、具合がいいようなら前後のボイラーをゴム系接着剤で接着し、乾いたらさらに瞬間接着剤を流して固めます。 |
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シリンダーブロックを後ろに下げなくてはなりません。先台車を留めているネジがあるため、動力ブロックを削ることができません。そこで、シリンダーブロックのほうを切り欠きます。 |
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どうやって固定するかが問題です。両面テープや少量のゴム系接着剤という手もあります。私は薄い真鍮板をコの字に曲げて、上下から動力ブロック先端とシリンダーブロックを挟むように、前から差し込んで止めました(写真には写っていません)。両面テープも併用しています。 |
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先台車を加工します。 本当は先台車を留めているネジを後方に下げられればよいのですが、床板の固定などを兼ねているため難しいです。ここでは車輪を取り付ける位置を下げるだけとしました。 新しい車軸の位置に金ノコで溝を彫りますが、左右にノコを傾けながら切り進めば、ある程度幅のある軸受けが彫れます。先端は元の軸受けの位置で切断します。 車輪がシリンダー内側に当たりやすくなるので、シリンダーの一部もナイフで削りました。 |
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シリンダーと動輪の距離が短くなるので、ロッド類も一部を切り取ります。バルブスピンドルガイドはラジアスロッドから切り離し、シリンダー側に接着します。そしてラジアスロッドとメインロッドを切り詰めます。 |
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メインロッドはクロスヘッドの後方から差し込まれており、先端の突起が穴にはめ込まれています。まずはメインロッドの先端を切断します。 |
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先端の突起も一緒になくなりますから、まずヤスリでメインロッドの先端を裏側から削って薄くし、0.6mmドリルで穴を開けます。次にクロスヘッドの表側に0.5mmの穴を空け、0.5mm真鍮線を貫通させて取り付けます。 |
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取り付けが終わったところです。私の試作では、走行にはまったく支障がありません。曲線も最小R249までよく通過します(通過するようにシリンダーの内側を削って、先輪との当たりを避けました)。 |
気分だけという感じもありますが、のべ3時間程度の工作でしたので、労力相応といったところでしょうか。これで全長は約1/140となり、他のKATOの蒸機とバランスが近くなります。お好きな方はここからディテールアップしてみると、もっと映えると思います。
次ページで、妻板の段差などを修正しています。
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