上廻りをこわごわ分解します。最初は本当に怖いです。思わぬつくりになっていることもあります。
たぶんキャブから先に外すのだろうと考え、まず屋根にかかっている発電機の配管を外しました。
このように、タービン発電機は左右真っ二つになっています。このほうが成型の都合がよかったのでしょうか。
キャブがどこで留まっているか探し当てられず、あっちこっちを広げて、半ばむしり取るように外しました。
その過程で後部タンクもバリバリ外れてしまいました。本当は、キャブと後部タンクは一体のまま外すことができます。
キャブは内側のガラス下部にある2箇所の凹みに、ボイラーパーツの下部のツメがはまっているようです。
分離してしまったキャブと後部タンクです。炭庫の上の出っ張りには、後部ヘッドライトへの導光プリズムが入っています。炭庫の中身はほとんど空っぽです。
バックプレートの上にライト基板が乗っています。C12と同様、前後のライトを1枚で賄っています(基板に品番2022が書かれていますので、同じものだと思います)。
座席はダイキャストブロック側に作られています。
ボイラーを外す前に、ライト基板を後方に抜きました。
ボイラー後部を、ライト基板を支えていたダイキャストの支柱から抜き取る要領で、上側に持ち上げました。
案の定、前のほうから「ミシッ」「パキッ」と音がして、煙室扉のパーツが外れつつ、ボイラーが外れました。
外れたボイラーとフロントデッキです。
手前にある細い透明部品は、キャブのライト基板から、はるばる前のヘッドライトまで光を導くプリズムです。
サイドタンクと前方のランボードは一体になっているようです。真横に引っ張って外しました。下部の配管も横に引き抜きました。
C11の動力ユニットです。コアレスモーターにウォーム、前方にフライホイールが見えます。
こちらは昨年のC50(記念品)の動力ユニットです。似ているところもありますが、結構違います。
動輪径や高さのほか、モーターの接点の位置や、動輪のスプリングなど細部の構造も異なります。C11の第1・第2動輪は少し上下に可動しますが、C50ではあまり動きません。
C50でモーターの下に少し見えている、防振用?のピンク色のラバーシートはC11では見えませんが、モーターを外してみたら下に敷かれていました。
興味本位で分解して、動かなくなったら泣くに泣けませんね。
走りについては色々な物差しがあるので、何をもって走行性能がよいというのかはわかりませんが、静かで滑らかに出発する点は今までのKATOのコアレス機と同じです。フライホイールの効果もしっかり感じられ、集電も良好です。
特にKATOの最近の蒸機をご存じない方は驚かれると思います。他のC11に比べ、動き出しがまったく違うので、「おおっ!」と思われるでしょう。※1
※1 コアレスモーター蒸機とパワーパックには相性もあります。 トミックスのパワーユニット(N-1000-CL、N-600)でKATOのコアレス蒸機を使うと、低速があまり粘りません。動き出したあとは普通です。
動き出してからの走行も良好ですが、今までのC50やC12ほどではないように思います。ある程度スピードが上がってくると、カーブ等で少々の横揺れ傾向もあるようでした(個体差はあり、まったく揺れないものもありました)。ただし抑えめのスケールスピードでは目立たず、速度や集電も常に安定しているので、大きく心配する必要はないと思います。
このへんのまとめ:「走りはよいが過度な期待はナシで。」
底板をこじって外したところです。
第3動輪がギヤ駆動されたゴムタイヤ輪になっており、第1・第2動輪にはロッド連動されています。
カーブ通過のため、各動輪にはある程度の横動が確保されています。
ゴムタイヤで粘着する第3動輪は上下動しませんが、第1・第2動輪は多少弾性的な上下動をします。
第1動輪の軸受けには板バネ、第2動輪の軸受けには線バネがあり、これが動輪の軸受けを押さえてレールへの追随性を高めているようです。
通常、車体の重量でバネは沈み込んでいるので、別に車体前方がふわふわ浮いているわけではありません。ポイントの通過や振動などで車体が傾き、反対側の動輪が浮き気味になるときに、集電不足になりにくい効果があるのかもしれません。よくわからないので適当に書いていますけども。
撮影のためにバルブギヤを外したらバラバラになってしまい、半泣きになりながら組み立てました。…まあいつもと同じ構造ではありますが、やはり面倒なものですので。
ギヤ連動が1軸だけなので、ロッドのシビアな位相合わせは必要なく、その点は簡単です。
製品にはスノープローは付属しませんが、C12のスノープローが使用できるとのことでした。
C12に付属のスノープローです。
ASSYパーツ … Z02-2213 C12スノープロウ(前面用) 4個入り
3DプリンターでD50とD60を作ったときに、中古のC12をいくつかかき集めたため、余っていたのでした。
取り付け方法はC12の説明書にあるとおりです。
ダミーカプラーを引き抜いて排障器を外し、代わりにスノープローをダミーカプラーで留めます。
ASSYパーツはいつもすぐ売り切れてしまいますが、そろそろC12の再生産があるので、もしかしたら再度入荷するかもしれません。
C11のリニューアルを待ち望んでいた方にとっては、期待通りの製品であったかと思います。
今後も長期にわたって再生産され、時代に応じて改良が加えられていくのかもしれませんね。
(おわり)