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ワールド工芸のC51を直接駆動式にする

C51

2007.7.22

かなり前にC55流線型で同様の改造をしましたが、そのC51版です。→C55流線型を直接駆動式にする
ワールド工芸のC51はスタイルはよいのですが、動力部は一度組み立てると事実上分解できない構造になっているので、ゴミが絡んだりしても分解掃除すらできないという問題があります。私自身はまだそういう事態になったことはありませんが、神経を使うことは確かです。
そのため、メンテのしやすいマイクロエース(アリイ)の動力を拝借する工作を試しました。


加工要領

上廻りの加工

仮組み中の上廻りです。アリイの動力ユニットにすっぽりかぶせるため、ランボード間のステーなど邪魔な部分はすべて切り取ります。写真の赤い部分が空間になります。キャブの床板も取り付けません。
材質が薄くて柔らかいので、左右のステーを切断するときに、切断の圧力で形を歪めないように注意します。

なお、この例ではキャブ後妻も取り付けませんでしたが、完成した様子を見ると、取り付けることはできそうです。

キャブ下の分配弁やドロダメは、従台車の妨げになるので取り付けませんでした。そのほかは普通に組み立てます。

下廻りの加工

上廻りを余裕を持ってかぶせられるように、動力ユニットを削り取ります。
動力ユニットの幅は凹凸がありますが、出っ張った部分はすべて平らにヤスリがけして、一番狭い部分に合わせます。手持ちの万力では挟みにくかったため、このヤスリがけは結構大変な作業でして、何日かに分けて気長にやりました。高さ方向も上から2mm少々削り、プラ製のシリンダーブロックも上から少々切り詰めます。

モーターは、そのままでは火室上部につっかえてしまい、車高が下がりません。アリイ蒸機の車高下げでよくやるように、火室上部を切り取ってモーターを逃がしてもいいのですが、薄いボイラーの強度がさらに落ちるのでそれは避け、キット付属の小型モーターをキャブ内に収めることにしました。

上廻りが動力ユニットにぴったり接触してしまうと、電気的にショートしてしまうので十分注意が必要です。

モーターの処理

モーターは両軸なので、後ろの軸にヤスリで少しずつ傷をつけて切り取りました(針金用の家庭用ペンチなどで一度に切ろうとすると、刃こぼれしてしまいます)。
軸が細いため、もとのシリコンチューブにはめ込むことができないので、手近にあった電子工作用の絶縁チューブを軸にはめ込んで太くしています。

モーターの配線は、左右のダイキャストブロックにつなぐのですが、ダイキャストブロックは材質的に普通のハンダ付けがききません。手前側は直径0.9mmの真鍮パイプをぴったり差し込んで固定し、そこにモーターの配線をハンダ付けしました。反対側は空間に余裕があるので、一部に穴を開けてモーターの配線を巻きつけてハンダ止めするだけとしました。
穴をあけてネジを切り、配線をネジ止めしてもよいと思います。

テンダーはマイクロエースのものをそのまま使いましたが、機関車のボディーと同じ色で塗りなおしました。また、ショートの原因をできるだけなくすため、ボイラーの内側もしっかり塗装しておきます。

上下の固定は、シリンダーの上と、火室上部のダイキャストブロック上に貼った両面テープに頼っています。

完成

完成 公式側 上下がアンバランスになってしまうのではと恐れていましたが、思ったよりよく馴染んでくれました。走行音も静かです。これはうまくいきました。
完成 非公式側 材料費が非常に高くつくのが難点です。
あとは気が向いたら、スポークの延長(リムに切り込み)加工などをしようかと思いますが、そのままでも十分遊べます。

さて、手元にはマイクロエースの上廻りとモーター、そしてワールド工芸の下廻りとテンダーが残りました。これを組み合わせると、一体どうなっちゃうんでしょうね。
(おわり)


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