Nゲージ蒸気機関車>蒸機の工作>C51の組み立て(中村精密)
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動輪とバルブギヤーは組み立て調整済みです。 先台車と従台車には車輪をはめ込み、ヤットコで軸受けを軽く閉じるようにして抜けないようにします。車輪は片側絶縁なので、レールに載せたときに、左側(非公式側)に絶縁側が来るようにします。バラバラに付けるとショートします。 |
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先台車を取り付けるには、まず主台枠上部のネジを2mmほど緩めます。 |
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すると床板先端に先台車を差し込めるようになるので、先台車を差し込み、ネジを元のように締めて固定します。 |
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従台車はドローバーと一緒に台枠後部に差し込み、ネジで固定します。 |
動力ユニットはあらかじめ回転テストをしておきますが、テンダー車輪からは集電されていないので、レールに載せて通電しても動きません。 うまく動いたら、ドローバーを動力ユニットの穴に重ね、ネジで留めて連結します。 |
集電シューを第一・第二動輪の踏面にあて、卵ラグと一緒に主台枠にネジ留めします。 集電シューはそのまま取り付けると、動輪との摩擦が強くて、スムーズに回転しないようです。ピンセットで微妙に上部に曲げたりして調整します。 古くて動かなくなっている中村精密の蒸機をたまに見ますが、不動の原因のほとんどがこの集電シューの汚れや接触不良でした。 |
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テンダーの上廻りは、リード線を挟まないように気をつけてかぶせ、左側前方1箇所のネジで固定します。 |
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カプラーポケット内に薄い金属の板バネを入れ、カプラーと押さえ板をネジで固定します。 |
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リード線を挟まないように気をつけてボイラーを主台枠に合わせ、一番大きいネジで上下を留めます。 |
もうできました。ここまでたったの3時間少々です。 試運転して具合の悪いところを調整します。そのままでも動きましたが、時々ロッドの動きが止まって動輪を引きずることがあったので、原因らしきものを調べて調整しました。 |
塗装工程だけは、残念ながら一般の金属キットと同じです。手間もそれほど違いません。
これが塗装済みだったら、本当に模型の経験がない方にも楽しく組み立てられたでしょう。
ただ…もしかしたら黒のマジックで丹念に重ね塗りしてから組み立てても、独特な味わいのある珍品になるかもしれません。
構造が単純なので、塗装する部品もこの4つだけです。 キャブ内には塗料が回りにくいので、ボイラーから外して別に塗ってもよいと思います。 |
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マッハのプライマーを吹き付け、乾燥後にガイアカラーの黒を吹き付けました。 |
安全弁と汽笛を合成ゴム系接着剤で取り付けました。 ほか、キャブ窓にガラスを入れてもよいと思います。 |
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塗装を除けば、このキットで一番手間がかかったのがナンバープレートの切り離しでした。 しかし、トミックスの初代C57のナンバーなどもこんな感じでして、それなりに手間がかかりました。 |
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ナンバープレートを合成ゴム系接着剤で貼り付け、ライトに銀色を入れて仕上げは完了です。 |
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プラ製のブレーキシューも付属しています。ランナーから切り離し、それぞれ動輪の前の床板の突起にはめ込んで接着します。 |
組み立て時間は塗装含めて6時間くらいでした。土日の2日間を使えれば、十分完成させることができます。
やっぱりこのシリンダーブロックの前傾、何とかしないと(笑)。
形は素朴ですし、走りも現在の製品にはかないませんが、下廻りの調整さえ崩れていなければ、結構ちゃんと走ってくれます。
メーカーの意図したとおり、組み立てが非常に簡単で、コンセプトがきちんと形に表れたよい製品だと思います。とにかく簡単にしたいというメーカーの努力が、あちこちから感じられます。
しかし、常々思っていた「簡単な蒸機キットがあれば売れるのに」という考えが、どうやら甘いものらしいことは何となく感じました。
1980年代であっても、メーカーの期待したほど、これらのキットに取り組んで完成させた人は増えなかったように思えます。
※このあたり私の感じにすぎず、根拠がありませんのでご勘弁。
それでも未だにこういう最小限の部品構成、できれば塗装済みで、数時間で組み立てられる小形蒸機があったなら…と考えます。一生、そんな頭から抜け出せないのかもしれません。
「そんなに簡単なのがいいなら完成品が一番じゃないか」そうだと思います。自分が簡単そうなキットを見れば組み立てたくなるのはなぜか、そもそも説明できません。
それはともかく、こういった構造になっていますので、もし動かなくなった中村精密の蒸機をリストアするときは、この逆順でバラバラにできると思います。
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