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C55流型(ワールド工芸)

2014年に発売された、C55流改型の九州版です。特定番号で27号機とされています。
北海道型と同様の構成ですが、テンダー台車枠が真鍮ロストとなり、組み立てが楽になりました。取り組みやすいキットだと思います。

2014.2.8

北海道タイプ 【九州タイプ】


九州タイプ 組み立て

私が部品を取り付けた順番を数字でメモしてみました。

手当たり次第に、目に付いた順に付けているようなものなので、特に必然性のない部分もあります。

両側に付く部品は特に書いていない箇所があります(自明ですし図がごちゃごちゃするので…)。
タップ位置も同様です。

キャブ

キャブ

1. 二つ折りになっている側板をハンダ留め。
2〜10. 番号順に固定。
8. 内側に出た部分を平らにしておかないと、最後にガラスを貼り付けるときに困ります。

キャブの角をヤスってRを付けてくださいとの記載がありますが、流改は丸みのない突合せのほうが感じが出ると思い、そのままにしています。

キャブ床

床板はキャブの後ろを閉じる前に、キャブと形を合わせるためにここで組み立てています。
キャブへの取り付けはまだ行っていません。

1. 前部床板の折り曲げ・折り重ね。
2. 後部床板とハシゴが8一体になっています。
3. 後部床板の中央部を取り付け。
4. 後部床板を前部床板に固定。

キャブ後部

番号順に固定。
1. 屋根後部のフチは最初に。
4. ステンレス製の手すりはあとで取れやすいのでしっかり付けます。
5. 窓の肘掛けを折り曲げ。

ランボード

ランボード

1. デッキ部折り曲げ。
2. 空気溜めの取り付け部を引き起こし。
3. 網目板の貼り重ね。平らで硬い台の上で行います。
4. あとで仮ブリッジを切り離したときに端になる部分にも、ハンダを流しておきます。
5. ランボード後部もしっかり貼り合わせ。
6. ボイラーとの固定爪は、ボイラーを当てながら角度を決めて起こしておきます。

ボイラー

ボイラー

1. 下側を合わせてボイラーボスを固定。
2. 後部ボイラー(火室部)を重ねて前端の穴で仮留め。
3. 曲がらないように確かめながら、このあたりの固定穴をひとつずつ固定。
4〜5. 側面も固定。

ランボードとボイラーの組み合わせ

ランボードとボイラーの組み合わせ

1〜3. ランボードをボイラーにはめ込んで仮留め。
4. 火室下部とランボードを固定。曲がらないようによく確かめて時間をかけながらやります。
5〜6. 途中の固定爪をボイラーに重ねて固定。

全体が曲がりなく付いたと妥協できたら、仮留め部にもう一度ハンダを流して(仮留めの効果がパァにならないよう少しずつ)固定します。

キャブの取り付け

キャブの固定

1. ごく少量のハンダで内側から仮留め。
2. キャブが傾かないよう、仮留め・修正を延々と繰り返します。

3. 私が使ったアルミチャンネルは、C55のランボードに使うには少々幅が広いので、ズレないようにテープで留めておりました。このまま平らな台の上で、キャブの垂直を計ったり、裾の高さや屋根の高さが前後で同じになるように計ったりしながら仮留めを繰り返しました。

屋根のプレス曲げの折り目が、キャブの裾と平行になっていないこともありますし(自分で曲げたらそれどころではない)、小部品の取り付け具合によっても曲がって見えるので、結局は見た目で自分が一番快適だと思うあたりで妥協することになります。

ちなみに薄い金属は柔らかいので、組み立て中も注意しないと曲がっていきます。

キャブの床の固定

1. バックプレート(左右に傾かないように)。
2. 床板を固定(これまた左右に傾かないように)。
3. M1.4タップ。
4. 分配弁配管の固定。

デッキ部

デッキ裏側

1. 表側の網目板を固定。
2. 左右一体のステップを組み立てて重ね合わせ。
3. カプラー座にM1.2タップ。
4. カプラー座を曲げ(取れましたが…)、ステップの中央部を挟むようにして固定。

デッキ表側1

1〜2. 同じパーツなのでついでに両方取り付け。
3. 端梁はこのほか埋め込みテールライト付きも付属しています(使用しないとされています)。
4. カプラー解放テコ。
5. エアホース。
6. ダミーカプラー。熱に弱いので最後にネジ留めすると安全です。マグネ・マティックカプラーも付けられます。

デッキ表側2

1〜3. 固定。1.は熱に弱いので注意。

煙室扉

煙室扉

1. 手すりの真鍮線を曲げて取り付けノブの溝にはめ込み、溝をカシメてハンダ付けします。ライトの付く中央部はカット。
2〜3. 固定。

ボイラー周辺のパーツ

ここまで来たら結構はかどります。ハンダ付けなら即座に固定できるので(感覚的には待ち時間ゼロ)、どんどん組み立てられます。
なお空気作用管のようにベタ付けするものや、自分で配管を曲げたりする部分、位置決めがシビアな部分は、それなりに手間がかかります。

ボイラー周辺パーツ1

1〜6. 固定(2は次図の1も)。
7. 砂撒き管は0.25mm真鍮線を通して固定。
8〜9. 空気作用管(前後)は塗装前に付けました。
10. 空気作用管の枝部。砂撒き管を付ける前に、この位置にテープ等で保持しておけば、取り付けが楽かもしれません。
11. 固定。

ボイラー周辺パーツ2

1. 27号機の逆止弁の配管は、まっすぐ降りて前方に曲がりますが、ランボードの穴には一歩届きませんでした。
2〜4. 固定。3は下部の出っ張りをきれいにしておかないと、傾きやすいです。
5. 砂撒き管。
6. ランボードの仮ブリッジをカットしてから固定。
7. エッチング抜きされた配管も付属していますが、うっかり見落とし真鍮線で作りました。次の機会には絶対にエッチング抜きのほうを使います(簡単だから)。
8〜10. 固定。
11〜12. 固定。※写真を撮り忘れたので、これは絵です。

ボイラー周辺パーツ3

1. 固定。傾くと見苦しいパーツのひとつです。
2. ハンドレール固定。
3. コンプレッサー配管。ハンドレールの上になります。
4. 加減弁ロッド。コンプレッサー配管の上になります。
5. 固定。
6. 逆転器ロッド。コンプレッサー配管の手前になります。
7. 発電機排気管。なおATS発電機の排気管は付属していません。
8. 冷却管固定。

ボイラー周辺パーツ4

1. デフを固定。表裏を貼り重ねる前に、それぞれ上部の傾斜部を曲げておきます。
2. つかみ棒。
3. 組み立てておいた煙室扉部を固定。
4〜7. 固定。

ボイラー周辺パーツ5

1〜4. 固定。
5〜6. 固定。熱に弱いので注意。

このほか、火室下部が別パーツになっており、車体の黒塗装後、赤色に塗装して接着することになっています。
覚えておかないとつい存在を忘れ、洗浄やプライマー処理も忘れてしまいます。

シリンダーブロック

シリンダー1

1. 折り重ね固定。
2. 90度曲げして固定。ここがボイラーとの固定部になります。
3. 折り重ね固定。
4. バルブカバー固定。折り目にハンダが回ると折曲げられなくなります。

1と3の真下の折り目は、ヤスって出っ張りを削り取っておかないと、あとで丸みをつけたシリンダーの側板を合わせるときに、うまくいきません。

シリンダー2

1. 底板をはめ込みながら全体を箱にして閉じます。
2. 丸みをつけておいた側板を合わせて固定。
3〜4. 固定。いずれも左右の別(上下の向き)があります。
5〜6. 固定。

6 は取り付け穴にM1.4タップを立て、一度ネジ留めしてからハンダ付けしてネジを外します。

モーションプレート台座

モーションプレート台座

1. 中央を合わせてハンダ付け(あとで主台枠に固定するとき、ここが緩みやすい)。
2. 折り重ねて固定。
3. モーションプレートを折り曲げて、後部を穴に差し込み固定。

主台枠

主台枠1

1. 主台枠をコの字に折り曲げ、裏板を重ねて固定。
  なお下部2箇所の床板取り付け穴にはM1.4タップを立てます。
2〜3. 固定。

前後のアーチ型になっている部分は細く、固定するまで曲がりやすいので注意します。

実物同様にスケスケのシルエットを持つ主台枠と下廻りは、テンダードライブ機の最大の強みです。C55のようなスポーク動輪機には特に有効です。

主台枠2

1. シリンダーブロック固定。傾かないよう特に注意。
2.モーションプレート台座固定。固定のとき、前の合わせ目がずれないよう注意。
3. 牽引力増強装置のテコを貼り合わせ、主台枠後部から差し込み。
4. 0.4mm真鍮線の端を短く折り曲げて差し込み、反対側を少量のハンダで固定。

牽引力増強装置のテコは軽く上下に動くようにします。支点の真鍮線は0.5mmが指定されていますが、少々しぶいので、0.4mmのほうがよいと思います。

先台車・従台車

先台車

1. 側板を折りたたんで固定。
2. M1.4タップ。
3. 周囲を直角に折り曲げて固定。

従台車

1. イコライザーとバネを折り曲げ固定。下側の従台車ネジ穴はM1.4タップ。
2. 従台車を折り曲げ固定。
3. 軸箱固定。
4. M1.4タップ。
5. 軸受け折り曲げ。

以上でエンジンは生地完成です。

テンダー車体

テンダー1

1. 裏板をぴったり重ねて固定。
2. 上部がつながっている妻板をいったん切り離し。
3. 左右のステップを引き起こし。
4. 妻板の穴にステップを通し、重ねて貼り合わせ。

テンダー2

1〜2. 挟み込み、テンダーを箱型に閉じて固定。

テンダー3

1. 前仕切り固定。
2. ATS配管を折り返し固定。
3. 妻板固定。
4〜6. 固定。

テンダー4

1〜3. 固定。

テンダー上部

給水口付近

1. 直角曲げ。
2. 補強板固定。
3. 給水口固定。
4. 手すり固定。一体のパーツになっており、下側から固定します。

給水口付近

1. 組み立てた給水口部を固定。
2. 石炭の周囲をヤスって、無理なく入るよう調整。
内側のモーターが入る部分も、当たってショートしそうだったため、前方に少し削り広げました。

テンダー下廻り

床板

この部分、少しエッチングされて薄くなっていますが、あとでATS配管がぴったり収まります。こういう配慮がとってもいい。

床板折り曲げ

1. 床板の前後・左右側板を折り曲げ。
2. 端梁。
3. カプラーポケット。これが意外とまっすぐ付きにくく、いつも苦労します。
4. エアホース。
5. 前後4箇所の動力固定穴にM1.4タップ。

ここで、組み上がった床板をテンダー車体にはめ込み、ハンダ付けしました。

ウエイト

1. ウェイトを差し込み。
2. タッピングネジで固定。

ここでは仮に留めて具合を見ただけです。塗装時はなるべく軽くしておきたかったので、塗装前に外し、塗装後に再度取り付けました。

床下配管

1. 0.5mm真鍮線の配管を固定。
 前後のリング状のステーは若干外側に、中間部は若干内側に曲げ、配管が直線になるようにしました。
2. 見えませんが、ATS配管を重ねて固定。

ATS車上子

1. ブレーキシリンダーを固定。熱に注意。
2. ATS車上子を固定。

動力ユニット洋白パーツ

動力ユニットパーツ

最近の、新動力になってからのC55・C57と変わりません。

1. モーター台を組み立て。前面部は2枚重ねです。
2〜3. 車輪座取り付け部を折り重ね、M1.4タップ。
4. 台車枠取り付け部を折り曲げて固定し、M1.4タップ。
5〜6. ベース板2枚を重ねて固定し、必要箇所にM1.4タップ。

気がかり&やり残し

床板

この四角い枠、ずっと気になっていたのですが、最後まで使いませんでした。
不要部品にもなっていませんし、どこに付け忘れたのだろう?

雨樋

27号機では屋根の雨樋が欲しいと思い、0.3mm真鍮線を固定しました。他は素組みです。

塗装

塗装

水性画材でプライマー処理と黒塗装をしました。

1〜2. ライトに銀、レンズ入れ。
3. 安全弁磨き出し。
4. 汽笛接着。
5. 窓ガラス接着。
6. ナンバープレート磨き出し、接着。
7. テールライトレンズ接着。
8. 内部にウェイトをネジ留め。
9. 石炭ウェイトをネジ留め。

下廻り

下廻り

従来品と同じです。

1. 動輪、ロッド、バルブギヤー取り付け調整。
2〜3. 先台車・従台車取り付け。なお上下合体時には一度先台車を外しました。
4. サブウェイト接着。

従台車バネは3巻ほどカットするよう指示されています。先台車バネも2巻くらいカットしました。バネが強くて車体前側が浮いたためです。

動力ユニット組み立て・取り付け

動力ユニット

従来品と同じです。

1. 動力ユニット組み立て、モーター取り付け。
2. カプラー取り付け。

上下を4箇所のネジで合体後、ロストの台車枠4つをネジ留めしました。

完成

エンジンの上下をネジ留め、傾き・走行を調整して終えました。

C55 27完成

C55 27完成

C55 27完成

普通のC55とは少しずつ違いがあって面白いです。
また27号機には、他の流改によく付いている、キャブ下の斜めの板がありません。

これでワールド工芸の旧C55にあった、流線型・流改九州・流改北海道・1次型・3次型は、すべてリニューアルされたことになりました。


北海道タイプ 【九州タイプ】

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