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C55(3次形・北海道仕様) トミックス その2

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この先はしばらく、今回のC55の基本形であるC57 135との違いを見てみます。
C57 135は、現在のトミックス蒸機の礎となっている重要な製品です。

前面・キャブ

C57 135
C57 135
切り詰めデフで副灯にレンズ入り。ナンバープレートは市販製品の中で群を抜いてシャープでした。
C55
C55(3次形・北海道仕様)
トミックスでは初めてだと思いますが、デフ裏のリブが付きました。副灯はレンズ部が銀ねずみ色です。煙突のライト消灯スイッチも引き継いでいます。
C57 135
C57 135
密閉キャブでこの頃から天窓は開閉式でした。
C55
C55(3次形・北海道仕様)
キャブの基本形はC57 135と同じで、タブレットキャッチャーが追加モールドされています。窓は閉じていますが、ガラスパーツがC57 135と共用のためでしょう。また自分で開けます。

動力ユニット

C57 135 トミックス C57 135 C57 135
C55(3次形・北海道仕様) トミックス C55 C55(3次形・北海道仕様)

C55の動力ユニット本体はC57 135と同型ですが、ボディー形状の違いに応じ、ウェイトやダイキャストブロック先端形状は少し変更されています。
もちろん動輪や従台車、シリンダーブロックなど形態面は異なります。

C55の水かき付きスポーク動輪です。水かき表現はあまり誇張せずあっさり付いています。

トミックス C55

8620形やC51には、後年傷みからスポーク動輪をボックス動輪に交換されたものがありますが、C55は水かきが功を奏したのか、全機とも廃車まで交換はなかったそうです。
もっともC55は数が少ないので、単純比較はできないのかもしれません。

前デッキの傾斜形状が異なるため、ダイキャストブロック前端の斜めの部分がC57 135とは異なります。

C57 135
C57 135
C55
C55(3次形・北海道仕様)

モーターも同型です。ロット違いで外装板が微妙に違いますが、どちらも交換用パーツリストでは同じ0620です。

C57 135
C57 135
C55
C55(3次形・北海道仕様)

走りについては微妙にC55のほうが滑らかさが増しているような気もしますが、単に新しいからかもしれず(C57 135に最初に接した時の体験に近いので)、信頼し得るデータが取れない限り断言できません。

また、C57 135で何度か経験したコンビネーションレバーの脱落は、C55でも発生するのかは注意しています。予防線を張っているのかもしれませんが、説明書にはずっと直し方の説明が載っています。
私のところで最近の製品では脱落していませんが、改造やら調べ事やらで使用回数が圧倒的に多かったC57 135に比べ、最近の製品の使用回数はそうでもないため、単純に比較できません。

C57とC55のコンビネーションレバー

ここまで書いてから、改めてよく落ちたC57 135(初回品)と今回のC55のパーツを比べてみると、なんと改良されているようです。内側を向いている2本のピンの長さが明らかに異なり、C55のほうが長くなっています。
いつの製品から改良されていたのかわかりませんが、落ちなくなったという最近の実感はこの改良のためかもしれません(今回からであれば気のせい)。

もう一つは耐久性がどうなのかというあたり。私が持っているトミックスのC57は経年で問題が発生したことはありませんが(C11 325ではあった)、実は中古品も改造用に結構買っていまして、それらには動輪のフレが生じたり走りが波打つようになっていたりするものが何度かありました。

もともと状態が悪かったから手放したのか、何らかの環境で長期使っていると不調になりやすいのかは、個人の経験からは不明です。また最長で14年経っているわけですし、他社の長期使用後の中古品と比べての傾向もわかりません。他社製品の中古にも調子が悪いものがあり、同様に傾向はわかりません。

テンダー

密閉キャブとペアになる、前端が斜めにカットされた独特のテンダーもC57 135と同型です。増炭枠、ライト位置、一部モールドが異なります。

C57 135
C57 135
C55
C55(3次形・北海道仕様)
C57 135
C57 135
C55
C55(3次形・北海道仕様)
ライトが炭庫仕切りに完全に埋め込まれています。後部の電線管など一部モールドが違います。
また、後面ステップ上の2本の手すりはありません(後述)。
テンダーの中身

テンダーの中身ももちろん同型で、ダイキャスト枠側面に刻印されている品番も2003(C57 135)です。
ライトの高さが異なるため、導光プリズムの高さも異なります。またC57 135の導光プリズムは着色されていますが、C55では無色です。実際に点灯色も異なります。

後部手すり

C55(3次形・北海道仕様)には、前述のとおり後部左側の手すりがなく、パーツの土台のみ凹み埋めとして付いています。

よく見ると何かで手すり部分をカットしているようで、工場でC57 135の部品をカットして利用しているのかもしれません。

テンダー台車

C57 135のテンダー台車は鋼板組立式、C57 1次形の多くやC55は一体鋳鋼製です。この両者は軸距離がわずかに異なりますが、模型でもちゃんと作り分けられています。こういうところはトミックスらしいと思います。

底面

ところでダイキャスト底面です。C57 135のときからこうですが、後部台車の取り付け位置のダイキャスト穴が前後に長くなっています。
台車を留めるプラ軸を約0.93mm後ろにずらせば、台車中心間に関してはC55の1次形と同じにすることができそうですね。

なお、似たダイキャストブロックを使っているC61 20では、実際にこの長穴の後ろ側が使われています。
ただしその他の形状も少々異なり、C57 135=C55とC61 20のダイキャストは同一ではありません。


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