Nゲージ蒸気機関車2023年のメモ>C55(3次形・北海道仕様) トミックス

C55(3次形・北海道仕様) トミックス その3

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分解してみて

上廻りボイラー部を動力ユニットから分離する方法はC57 135と同じです。コツをつかめば簡単で、道具を使わず数秒でできますが、模型の扱いに慣れていない場合は分解はお勧めしません。

トミックス C57 135とC55の前面分解

デッキ部のパーツを外したところです。間に副灯やライト、そのプリズムが挟まれています。外れているのは副灯です。

C57とC55のライトのプリズム

ライトの下には透明な導光プリズムの板があります。テンダーのライトと同じく、左のC57 135のパーツは薄く着色されています。点灯色もC55のほうは白っぽいです。

C57とC55の副灯パーツ

副灯パーツです。左のC57 135のレンズ部分は透明、右のC55は銀ネズミ色です。これは塗ったものか、こういうパーツをはめ込んだのかは見ただけではわかりませんでした。

C57の副灯を付けたC55

パーツ形状は同一のようですから、C57 135の副灯をC55に付けたりできます。あまり意味はないかもしれませんが。

しかしこの前面形状は格好いいです。ナンバープレートにピントが合っていないように見える件は後述します。

副灯の銀色の部分に、100円ショップで購入した透明レジンを垂らし、より実感的なレンズ表現にしたご作例を拝見させていただきました。ありがとうございました。
色々な素材がありますね。

前面裏側に出た煙室扉の取り付けツメ

フロントパーツは、煙室扉の裏側に出た2本のツメでボイラーに固定されています。ボイラーを動力ユニットから外した状態なら、2つのツメを内側に軽く押せば簡単に外れます。

この部分の公式の分離方法は、同時発売の旧型客車(宗谷本線普通列車)セットの説明書に記載があります。交換用の煙室扉が付属しているためです。
それによるとボイラーを外したりせず(それを求めるのも無茶でしょう)、車体を平らなところに置いてデッキ部をまっすぐ引っ張るように書かれています。

ツメで固定されている構造を知っていると、ただ引っ張るのは何だか怖いのですが、やってみると「バキッ!」とアブナイ音がして一応外れました。間違いなくツメが折れたと思いましたね。デフをへし折らないように、また副灯がどこかに吹っ飛んでいかないようにご注意。

ただ、デッキをただ引っ張って分解するのは慣れた人でも怖いうえ、押さえる場所や力を入れる場所を間違えると直ちにデフを壊しそうです。説明書にも「上級者向け」と記載があります。

デッキ部のパーツは既存の流用ではなく、C55での新規製作なのですから、煙室扉の交換を前提とするならばもっと安全な構造を検討してほしかったところ。

もしかしたら煙室扉の交換は、設計終了後に後付けで決まった企画なのかな〜とも思いました。

とりとめなくキャブ内も見てみます。バックプレートが見えます。

C57 135 トミックス C57 135 C57 135
C55(3次形・北海道仕様) トミックス C55 C55(3次形・北海道仕様)

あまり見えないところなので、まず同じだろうと思っていましたら、ちょーっとモールドが違うんですよ。
右側のインジェクターのあたりなど。新規作成されるボイラーの一部なので、ついでに違いを作ったんですね。

キャブの裏側

キャブの裏側とガラスのパーツです。左がC57 135です。ここは同一のようです。
無理に変えなくてよいところは一切変えず、製品コンセプトを決めたらきちんとそれを貫くというのは大切かと思います。

付属パーツ

ナンバープレート5種

付属のナンバープレートはC55 43・47・59の3種で、予備も含めてランナーが3枚付属しています。

トミックスの蒸機の特長のひとつは、ナンバープレートの書体が的確でくっきり表現されていることだと思っていますが、 今回私が付けたナンバープレートは今までにないことに、金色がボテ気味で甘い感じでした。

これがたまたまなのか気になって、合計15ランナー分を比べてみました。

良かったものと悪かったもの

この少ないサンプルの中では、比較的良いものから残念系までまちまちでした。

一番良かったのは左、右が残念系で金色特盛でした。ポリ袋に入ってテープ留めされているため店頭で選ぶことは不可能です。よいものが当たるといいですね。

→上記について、このように金色の盛りが良すぎる場合、切り離し前に古歯ブラシで表面を擦っていくとスッキリすると教えていただきました。
私も早速やってみましたが、だいぶ見やすくなり、最も悲惨だったものも結構普通に近づきました。ありがとうございました。
あまり強く擦ると金色が取れてしまう恐れがあるので、様子を見ながら軽く少しずつ進めていくのがよいようです。

トミックスの公式サイトで初期から公表されているCG図や写真はいずれも47号機なので、私も1両目は47号機を付けました。

47号機はデフに増設手すりがあるため、43号機がよいのではというお知らせもいただきました。ありがとうございます。47・59号機は増設手すりがありますね。なお43号機はテンダーのライトの位置がこの模型よりも少し高いようです。特定機ではない量産模型ですから、お好きな番号があればそれを付けるのがよいと思います。

カプラー類とディテールパーツ

その他の付属パーツです。すべてC57 135の際に作られ、その後のトミックスの蒸機でいつも目にするおなじみのランナーです。

つかみ棒、エアホースなどのパーツランナーは予備が付いているので助かります。つかみ棒は金属製品よりも細いほどなので、自作車両などに重宝します。
ほかにテールライトや回転火の粉止めも付いているので、他の模型の改造用などに便利に使えます。

マグネティックナックルカプラーS

後部カプラーは付属のTNカプラーに交換できますが、今まで通りKATOのCSナックルカプラーも無加工で付きますから、KATO製のカプラーやマグネ・マティックカプラー装着車両とも容易に連結可能です。

マグネティックナックルカプラーSも無加工で付きました。自動解放機能は作動しないだろうと思ったら、相手がマグネ・マティックカプラー(MT-10)だったため相手に助けられ、意外と自動解放できました。ただ未加工ではナックルの開き具合が少なく、遅延解放は成功率が低かったです。

ビジネスカーナックルカプラー

余談ですが蒸機の前カプラーを連結可能にするのに、KATOのビジネスカーナックルカプラーを加工して取り付けることが近年プチ流行していますね。
ホビーセンターカトーより発売されている「28-270 KATOナックルカプラー(黒)センタリングバネ付」も同じ仕様です。

私も結構前から買うには買ってあり、引き出しを開ければそこにあるのですが、最近前カプラーを交換するのは自動解放もしたいときだけなので、まだ使い道が巡ってこない感じです。

客車セットの付属パーツ

同時発売の国鉄旧型客車 宗谷本線普通列車セットには、C55用のオプションパーツが抱き合わせされています。抱き合わせは言葉が悪いですね。餌ですかね、もっとダメですね→サービス品。
この手の商売って、KATOの伯備線石灰輸送貨物列車が最初でしたっけ(D51の集煙装置とナンバープレート)。

客車セットの付属パーツ

付属パーツは回転火の粉止め、C55 49号機のナンバープレート6個(2個が予備)、それを取り付ける煙室扉です。ナンバー取り付け位置が少し低くなっています。

付属パーツを取り付けたC55

火の粉止めと専用煙室扉を取り付けたC55です。ナンバープレートはまだ切り離したくなかったので、機関車に付属の未使用ナンバーを付けています。

まるで表情が変わりますね。煙室扉周辺はちょっとC57っぽいかもしれません(C57にも色々ありますが)。


以上、C55 3次形北海道仕様という製品を、C57 135を振り返りながらご紹介しました。個人的には改めてC57 135という製品が、トミックスの蒸機再々参入にとっていかに重要であったかを認識しました。

実物のC57はC55の直接後継機であることから、一方が模型化されると必ず他方の製品化も話題に上りますが、正直トミックスが次に国鉄現役機に取り組むとは思っていなかっただけに意外でした。実はきかんしゃトーマス号で改良されたC11の動力を使って、先にC11シリーズをリブートするのではと思っていたのですよね。

さて、プラ量産品だけ見ても、この14年の間に蒸機の模型には大きな変化があり、当時ほとんどが1/140の旧製品だったKATOは1/150化をほとんど達成しました。そのうえ小型機から大型機まで驚異的な速度で幅広く製品を増やしています。この間にNゲージを始めた人にとっては、Nゲージの蒸機というのはKATOが普通という状況になっています。
もし今後、トミックスが既存製品仕様のバリエーションではなく新規開発を始めるとすれば、常識として要求されるものが当時とは相当異なります。そんな環境でトミックスがどんな答えを出していくのかも楽しみにしたいと思います。

ただ、10年以上の実績ができたC57 135の動力はまだまだ応用できますから、今回のC55のように価格を抑えて派生車種を出していくという使い道はあると思います。お金をかけたものは活用しませんとね。手を付けないと決めたところは一切触らず、淡々とコスパよく投入するという。 昔KATOがよく使っていた言葉でいえば、「手際よく的確に製品化しました」でしょうか。

せっかく水かき付きスポーク動輪を作ったので、そういう流れで言えば、門鉄デフに白線が似合う美しい九州形なんかもいいですね。C55 1次形、そして流改も手堅いところでしょうか。 流線形はバルブギヤ周りが非常に厳しいですが、カバーに隠れて見えない部分も多いので、メーカーが作れば技術的には行けそうな気もします。

D51北海道形とC55 3次形北海道仕様

しかし一方で、あと6年でC57 135から20年経つことになり、それ以上はさすがに古いとみなされて商品を引っ張れないかもしれません。1つのバリエーションを発売するのに2年かかるとして、現実的に今の動力で展開できるのはあと2つがいいところでしょうか。
最後の花道が流線形ですかね…。すみません、適当に書いています。

走っているC55の模型を眺めていると、よくトミックスが国鉄現役時代の蒸機に目を向けてくれたとじんわり嬉しいです。
私はこれが発表される半年前まで、トミックスのC57の動力を使ってC55 1次形を作っていましたが、もし発表が早ければ発売まで待ってC55の動力を使ったかもしれません。

以上、買って日が浅い時点での感想でした。内容はそのうち変わっていくこともあるかもしれません。


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