Nゲージ蒸気機関車>2024年のメモ>C56 160(KATO)
C56 小海線の発売時から熱望されていた(と思います)C56 160が、12年経過してついに発売されました。
C56 小海線の製品としての良さをすべて引き継ぎ、高い完成度を保って登場しました。
2024.3.23
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C56には1980年代から金属製品をはじめとして複数の製品があり、いずれも特色があり心に残る製品となっています。
2000年代の最終捕食者マイクロエースからも、ずばりC56 160号機のプラ製品が発売されていました。
マイクロエース C56 160 改良品 | マイクロエース C56 160 改良品 2012年2月発売で、マイクロエース最後のC56となった製品です。 モーターのサイズやギヤ比から、上半身が非常に高い独特のスタイルでした。しかし、これでもプラ量産品としてよくまとめたものだと思います。 |
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KATO C56 小海線 | KATO C56 小海線 何という偶然か、同じ年にKATOからもC56が爆誕。 …たとえこっちが先でも、マイクロエースは構わずC56 160を出したのではないかと思いますが。 |
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KATO C56 160 | KATO C56 160 12年後のバリエーション追加となりました。KATOからは先にD51 200やC57 1が出ていましたから、そろそろ欲しいところでしたね。 |
C56 160の全体の構成はC56 小海線とほぼ同じで、煙室扉周辺の部品割が違う程度かと思います。
ハンドレールやつかみ棒など細い部品もすべて取り付け済みです。組み立てコスト削減とのためと思いますが、前後2分割になっているハンドレールがそれぞれ1箇所ずつの脚で差し込まれています。部品が短いので何とかなるのですね。
フロントのつかみ棒とステップ、カプラー解放テコは何とつながった1つのパーツです(C56小海線と同様、やや不安定です)。
全体は程よいつや消しで、金色の装飾帯などもピカピカ仕上げではないので全体的に落ち着きがあります。
走りのほうもC56 小海線譲りのスムーズさです。第1・2動輪とテンダー3軸の5軸から集電されています。第3動輪もフランジは生きているので、カーブなどではいくらか集電の助けになっているかもしれません。
先輪は通電式ではありませんが、今回からスポークが抜けた仕様となりました。
時々他が混じります。
C56 小海線のシールドビームとはだいぶ印象の違う、大型ヘッドライトです。
煙突と火の粉止めは一体の成型のようです。また、煙突を回して消灯することはできません。
ボイラーの細さとゆったりしたデフ廻りが実感的です。
小海線のときからですけども、プラモールドの表現と別パーツ表現のバランスがよく、全体的に粒度の揃った精密感があります。
拡大写真で見ると、もっと大きな縮尺の模型と言われても信じそうになります。
塗装印刷との関係で、簡略化した表現になっているところもありますが、言われないとわからないかもしれません。
KATOのボイラー上です。写真では微妙な違いですが空気作用管は銅色、他の装飾帯は金色です。前述のハンドレールは樹脂製。
煙突の後ろのコンプレッサー排気管は非常に細く、この個体はちょっと曲がっていますがまっすぐなのもあります。
こちらはマイクロエースです。ボイラーが他と共用ですが、技術的な違いは別として一通りのことはやってのけていました。
銀色のハンドレールは金属製、皿型の火の粉止めは外せます。サンドドーム脇の架線注意の表記は改良品で追加されました。
マイクロエース C56 160・改良品 初回品では煙室戸手すりとつかみ棒が銀で、ナンバープレートは黒でした。 |
KATO C56 160 大型ライトで煙室扉手すり付き、除煙板点検口付き。煙室扉ハンドルや標識灯など細かい違いもあります。 |
KATO C56 小海線 シールドビーム灯で煙室扉手すりはなし、点検口のない除煙板というスタイルでした。 |
初出の時期が12年違うので失礼には当たらない比較だと思いますが、やはりマイクロエースはかなり全高が高かったのですよね。
ただ全長は正しかったですし、レイアウトで上方から見ればそんなに変でもありませんでした。横から見るとヤバいですが。
2つの写真の緑色の線と、レール面からの高さは同じです。
マイクロエース
マイクロエースのC56の初出は2000年(C56 92)でした。
国によって区切りが違うらしいですが、2000年といえば前世紀…
KATO
KATOのC56の初出は2012年(C56 小海線)でした。
キャブは小海線と同じく延長屋根です。キャブ下の配管も作り分けられています。
KATOのC57に比べますと、ボイラーが細い分前面の折り部が広く、前面窓も少し幅広くできています。願わくばC57も、これぐらい前面窓の幅を確保してほしかった感じもありますが、部品構成上難しかったのですかね。
ちょっと残念なのは、側面の札差しの凸モールドがなくなり、平面の印刷になってしまったことです。金色のフチを簡単に印刷するためかと思いますが。
D51 200やC57 1もこうなんですよね。なので、これらは自分で黒に再塗装したりすると、札差しがなくなってしまいます。
実物より後ろに位置してはいますが、側面窓から見えるバックプレートのちょっとした凹凸がとてもいい感じです。
ちなみにC56 小海線とC56 160のキャブ後部妻板のディテールは微妙に違います。
KATO C56 小海線 |
KATO C56 160 |
このへん作り分けても、残念ながらあまり見えませんけども、細かいところまで一手間かけている感じはしますね。バックプレートは同じみたいです。
もちろん屋根の延長部分も作り分けられています。
機関助士側には旋回窓の代わりにワイパー付きです。
2台の発電機と配管・消音機は一体の別パーツです。最近の保存機はATS発電機も大型化していますね。保安設備が増えて容量が足りなくなったのでしょうね。
個人的にはD51 200の発電機の位置変更が誠に残念でした(あちこちに書いて申し訳ありませんが)。誰も原型を積極的に損ないたいとは思わないはずですから、本当に他の方法がなかったのでしょうけども。
キャブ窓周辺の印象把握がとてもよいと思います。KATO製品でも中には微妙にうまくいっていないように感じるものもありますが、これは非常にうまくいっているような気がします。
組み立てコスト削減のためなのでしょうが、キャブの側面窓を無理にはめ込んでいないのも形がスッキリ見えてよいと思います。
それはまあ、窓枠とのツライチ感を優先したいというお好みには反してしまうので、製品のデザインポリシーによるのでしょうね。
グダグダになりますけども、もう少し続けます。
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